「イラレの生成AI機能が上手に活用できない」「イラレの生成AIの使い方がわからない」という方も多いでしょう。イラレの生成AI機能は、プロンプトを入力するだけでベクター形式のイラストを自動作成できるものです。
しかし、適切なプロンプトが利用できなければ、理想のベクラー画像を生成するのは難しいでしょう。
そこで本記事では、イラレの生成AI機能で何ができるのか、使い方の手順、活用する際のコツ、コピペで使えるプロンプトの例文まで、初心者にもわかりやすく解説します。
イラレの生成AI機能でできること

イラレの生成AI機能では、テキストの指示から様々なベクターグラフィックを作成できます。例えば「山と川のロゴを作って」といった簡単な指示を与えるだけで、AIがベクターデータのイラストを数秒で生成してくれます。
従来は手間のかかったベクターイラスト作成が、AIで完了するため、アイコン作成やロゴデザイン、イラスト素材の作成が可能です。 生成された画像はビットマップではなくベクターデータなので、拡大縮小しても劣化せず、色変更や形状編集も簡単に行えます。
この点はPhotoshopの「生成塗りつぶし」機能とは異なり、イラレでは解像度に依存しないベクター画像が得られるのが特徴です。
イラレの生成AIの料金
イラレのサブスクプランに加入していれば、追加費用なしで生成AI機能を利用可能です。つまり、通常の単体プランやCreative Cloudコンプリートプランに含まれているということです。ただし、使用には制限があるため、以下の表を参照にしてください。
| プラン名 | 料金 |
| Illustrator単品 | 4,980円/月(税込) |
| 3,280円/月(税込) ※年間プラン |
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| 34,680円/年(税込) | |
| Creative Cloudコンプリート | 12,380円/月(税込) |
| 7,780円/月(税込) ※年間プラン |
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| 86,880円/年(税込) |
生成AI機能は、毎月一定数の高速生成が可能なFireflyクレジットが付与されており、コンプリートプランでは月1000回分、イラレ単体プランでは月500回分が割り当てられます。
通常の利用範囲ではまず使い切る心配のない回数ですが、万一使い切った場合でも低速モードで生成は継続可能です。
イラレの価格については以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。
イラレの生成AI機能の使い方
イラレの生成AI機能を使って実際にベクター画像を生成する操作方法を以下3つで解説します。
- 画像生成を実施する方法
- 参考画像を使用する方法
- 配色を変える方法
①画像生成を実施する方法
まずは、基本となるテキストからの画像生成手順です。手順は以下の通りです。
- イラレを最新版にアップデートする
- 適当な図形を描き選択する
- 「生成ベクター」をクリックしプロンプトを入力
- 生成結果から気に入ったバリエーションを選ぶ
- オブジェクトを編集・保存する
左下に「生成ベクター」というボタンが現れるのでクリックし、その後に表示される入力欄に希望の画像内容をテキストで入力します。入力後、右端にある「生成」ボタンを押すとAIによる画像生成がスタートし、数秒で結果が得られます。
生成された画像は3つ程度の候補が提示。同じプロンプトでも何度でも再生成が可能なので、気に入る結果が得られない場合は再度「生成」を押して別パターンを試せます。候補の中から一つを選べばアートボード上に配置されます。一連の処理はAdobeのクラウド上で行われるため、高性能なPCでなくても比較的短時間で結果が得られるのも便利なポイントです。
②参考画像を使用する方法
生成されるイラストのテイストをコントロールしたい場合は、参考画像を用いたスタイル指定がおすすめです。イラレの生成ベクター機能には「スタイル参照」というオプションがあり、手元の画像をお手本にしてテイストを揃えることができます。
使い方は簡単で、生成ベクターの入力欄付近にある「アセットを選択」またはスタイル参照用のボタンをクリックし、参考にしたい画像やオブジェクトを選択するだけです。例えば、すでにアートボード上に配置しているイラストや写真があれば、それを参照させることで色味やタッチを近づけたスタイルで生成。
また、コンテキストパネル内の「自動でスタイル一致」オプションをオンにすると、現在のアートボード全体のデザインスタイルにマッチするよう自動調整してくれる機能もあります。
③配色を変える方法
既存のアートワークに対して配色を変えたいときも、イラレの生成AIで可能です。手動で一つ一つ色を変更しなくても、プロンプトを入力するだけで調和の取れた配色パターンを提案してくれるのが「生成再配色」機能です。
使い方は、まず配色を変えたいオブジェクトやグループを選択します。次に「オブジェクトを再配色」パネルを開き、その中にある「生成再配色」オプションを選択しましょう。プロンプト入力欄が表示されるので、希望のカラーイメージを単語やフレーズで入力します。
例えば、季節感を出したければ「春 パステル調」「夏 ビビッドカラー」のように入れると良いでしょう。 入力後、「生成」ボタンを押すとAIがプロンプトにマッチした色合いで現在のオブジェクトを再配色し、いくつかのバリエーションを提示してくれます。
以下の記事では、イラレで上手にイラストを描くコツも解説していますので、合わせてご覧ください。
イラレの生成AI機能を使用する際のコツ

イラレの生成AI機能を最大限使用するには以下3つのコツを覚えておきましょう。
- 被写体/シーン/アイコン/パターンを使い分ける
- スタイル参照でデザインの統一感を出す
- プロンプトにテイストやスタイルも指定する
①被写体/シーン/アイコン/パターンを使い分ける
生成ベクター機能では、コンテンツの種類を指定するオプションがあります。プロンプト入力欄の上部に「被写体」「シーン」「アイコン」「パターン」の4種類のタブが用意されており、選ぶことで生成される画像のタイプを変更できます。
例えば「被写体」は背景のない単体オブジェクト向け、「シーン」は背景込みのイラスト全体、「アイコン」はシンプルで平面的なアイコン風、「パターン」は繰り返し模様のパターン素材を生成する設定です。
用途に応じて適切な種類を選ぶことで、一つのプロンプトから狙い通りの出力を得やすくなります。
②スタイル参照でデザインの統一感を出す
複数の素材やシリーズもののデザインをAI生成する場合は、スタイル参照機能を積極的に使いましょう。特定の画像や要素を参照させることで、色味や質感、タッチを統一できます。
例えば、既存のブランドロゴの色合いを参照すれば、そのブランドイメージにマッチしたアイコンやイラストを生成できます。複数の出力結果にも一貫した雰囲気が生まれるため、後から手動でテイストを揃える手間が減るでしょう。
③プロンプトにテイストやスタイルも指定する
仕上がりのテイストをプロンプト内で以下のように指定してみるのも効果的です。
- 水彩画風
- フラットデザイン風
- ポップな手描き風
Fireflyのベクターモデルはこうしたスタイルにある程度対応しており、言葉で雰囲気を伝えることで出力結果の方向性を調整できます。「レトロなポスター風の色味で」「マンガのような太いアウトラインで」といったフレーズを加えれば、よりイメージに近いテイストが反映されるでしょう。
イラレの生成AIで使えるプロンプト

最後に、イラレの生成AI機能でそのまま使えるプロンプト例をいくつかご紹介します。用途別に書いているため、実際にコピペしてお試しください。
- ロゴ作成に使えるプロンプト例
- アイコン作成に使えるプロンプト例
- イラスト制作に使えるプロンプト例
- パターンデザインに使えるプロンプト例
①ロゴ作成に使えるプロンプト例
②アイコン作成に使えるプロンプト例
③イラスト制作に使えるプロンプト例
④パターンデザインに使えるプロンプト例
イラレの生成AIを使用するなら「Illustrator基礎セミナー」
イラレの生成AI機能は便利ですが、使いこなすにはイラレ自体の基本操作やデザインの基礎知識も重要です。AIで作業が簡略化できるとはいえ、最終的な仕上げや応用には人間のクリエイティビティとソフトの理解が必須。
そこでおすすめなのが、「Illustrator基礎セミナー」です。Illustratorの実践的スキルを基礎からしっかり身につけられるハンズオン形式のコースです。内容は初心者がゼロからステップアップできるカリキュラムになっており、基本操作から応用テクニックまで段階的に習得可能です。イラレの土台スキルを短期間で習得できるため、結果的に新機能である生成AIもスムーズに活用できるようになるでしょう。
実務で役立つノウハウや時短テクニックも学べるため、AIツールと併用してデザインワークの生産性を高めることが期待できます。
| セミナー名 | Illustrator基礎セミナー |
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| 開催期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
イラレの生成AIについてのまとめ
イラレの生成AI機能「テキストからベクター生成」や「生成再配色」は、短いテキスト指示で思い通りのベクター画像を生み出せるので、アイデアスケッチや素材制作など様々な場面で活用できます。
利用にはAdobeのFireflyが使われますが、追加料金不要で使え、商用利用もできるのは魅力と言えるでしょう。本記事を参考にイラレの生成AI機能を試してみてください。慣れてくれば、自分なりのプロンプト術や活用法が見つかり、デザイン作業の効率とクオリティがに向上するでしょう。