Photoshopの生成AIは、画像編集の可能性を広げてくれる最新機能です。
既存の画像にオブジェクトを追加したり、背景を自然に拡張できたりするため、Photoshopの生成機能を使いこなすことで、クリエイティブなアイデアを実現しやすくなります。
本記事で、Photoshopの生成機能の使い方や、生成機能を活用してできることについて確認していきましょう。
Photoshopの生成機能とは
Photoshopの生成機能は、AI技術を活用して既存の画像に新しい要素を追加したり、不要な部分を自然に除去できたりする革新的な機能です。
Photoshopが含まれているプランを契約していると、追加料金なしで利用できます。
生成機能を使うことで、クリエイティブな表現が一層豊かになり、編集作業の効率も大幅に向上するでしょう。
Photoshopの生成機能でできること
Photoshopの生成機能を使用すると、具体的にどのようなことができるようになるのでしょうか。
生成機能では、以下の表のような編集を実現できます。
できること | 特徴 |
背景の拡張 | 画像の背景を自然に広げられる。 |
オブジェクトの生成 | 既存画像に新しいオブジェクトを追加できる。 |
オブジェクトの削除 | 不要なオブジェクトを削除できる。 |
画像の生成 | 完全に新しい画像を1から生成できる。 |
どれもAIを使わないとできないことだったり、通常ではとても労力がかかったりする作業です。
これらの編集を行いたい場合は、生成機能を積極的に活用しましょう。
また、AIを使ってオブジェクトを追加するのではなく、既存の画像からオブジェクトを切り抜いて合成する方法については以下の記事で解説しています。
Photoshopを使ううえで、合成は必須の技術です。合成の基本的な方法や、画像を馴染ませる方法について、ぜひ確認してみてください。
Photoshopの生成機能の使い方
AIと聞いて、なんだか難しそうと感じる方もいるかもしれません。しかし、Photoshopの生成機能はとても簡単に操作できます。
実際に、Photoshopの生成機能を使う方法について見ていきましょう。
背景の拡張
既存の画像領域を拡大したい場合に、生成機能は効果的です。生成機能を使って背景の拡張をする手順は以下のとおりです。
- ツールバーから切り抜きツールを選択する
- オプションバーにある塗りの項目を「生成拡張」に変更する
- 画像周りのボックスを拡張したら生成ボタンをクリックする
生成機能を使えば画像のテイストを保ったまま、違和感なく背景の拡張ができます。
撮影した写真の頭が切れてしまっていたり、文字を挿入するための余白がほしかったりする場合は活用してみましょう。
また、Photoshopで作業していると画像の背景をすべて削除したい場合もあるでしょう。
以下の記事では、画像の背景を透明にする方法や、特定の部分のみを切り取る方法について解説しています。
オブジェクトの生成
画像内に存在していないオブジェクトを0から生成する方法です。生成機能を使ってオブジェクトを生成する手順は以下のとおりです。
- ツールバーからなげなわツールを選択する
- オブジェクトを生み出したい領域を囲むように画面上をドラッグする
- コンテキストタスクバーの「生成塗りつぶし」ボタンをクリックする
- テキスト入力ボックスにプロンプトを入力する
- 生成ボタンをクリックする
生成結果はプロパティパネルに表示されており、一度に3つまで候補を確認できます。
好みの結果が得られない場合は、再度生成ボタンをクリックするか、異なるプロンプトを入力してみましょう。
プロンプトは具体的に入力することで、頭の中のイメージを実現しやすくなります。
オブジェクトの削除
写真内に不要なオブジェクトがある場合、生成機能によってなにも存在していなかったかのように削除ができます。生成機能を使ってオブジェクトを削除する手順は以下のとおりです。
- ツールバーからなげなわツールを選択する
- 削除したいオブジェクトを囲むように画面上をドラッグする
- コンテキストタスクバーの「生成塗りつぶし」ボタンをクリックする
- プロンプトを入力せずに空欄で生成ボタンをクリックする
プロンプトを入力せずに生成ボタンをクリックすることで、対象となっているオブジェクトが削除されます。
しかし、画像によってはオブジェクトが削除されずに、見た目が変わったり、ほかのオブジェクトに置き換わったりしてしまう場合があります。
そのようなケースでは、プロンプトに「削除」と入力してみたり、選択する範囲を広げてみたりして工夫してみましょう。
0から画像の生成
既存の画像を編集するのではなく、0から画像を生成することもできます。生成機能を使って0から画像を生成する手順は以下のとおりです。
- ファイルメニューの「新規」から新規ドキュメントを作成する
- コンテキストタスクバーから「画像を生成」をクリックする
- ダイアログボックス左上に表示されるテキストボックスに任意のプロンプトを入力する
- コンテンツタイプとスタイルを設定する
- 生成ボタンをクリックする
コンテンツタイプには「アート」と「写真」が用意されており、アートにチェックを入れてスタイルをあてると、その名のとおりアート作品のようなテイストの画像を生成できます。
一方で、写真を選択するとアートよりも自然な仕上がりとなります。
スタイルは豊富に用意されているので、色々試してみて自分好みの結果を得られるように工夫してみてください。
Photoshopの生成機能が使えない原因
Photoshopの生成機能が出てこなかったり、選択できなかったりして、機能が使えない場合は以下の原因が考えられます。
- バージョンが足りていない
- コンテキストタスクバーが表示されていない
- 生成機能が使えない状況で使用しようとしている
これらの原因について確認していきましょう。
原因①バージョンが足りていない
Photoshopに生成機能が追加されたのは、バージョン25.0からです。
そのため、25.0以下のバージョンを使っている場合、生成機能は利用できません。
macOSの場合はPhotoshopメニューの「Adobe Photoshopについて」から、Windowsの場合は、ヘルプメニューの「Photoshopについて」から、現在のバージョンを確認できます。
また、PhotoshopのバージョンアップはCreative Cloud デスクトップアプリから行えます。バージョンが足りない場合はアップデートを行って、再度Photoshopを立ち上げてみてください。
原因②コンテキストタスクバーが表示されていない
生成ボタンが表示されるコンテキストタスクバーが表示されていない場合は、ウィンドウメニューの「コンテキストタスクバー」にチェックを入れることで、画面上に表示できます。
また、同様の手順からチェックを外すことで、画面上からバーを非表示にできます。
バーが作業に邪魔な場合は、ウィンドウメニューからオフにしてワークスペースをすっきりと使えるようにしておくとよいでしょう。
原因③生成機能が使えない状況で使用しようとしている
生成機能を使うには、編集をかけたい箇所に選択範囲を作成する必要があります。
そのため、選択範囲が作られていない状況では、生成ボタンは表示されません。
また、0から画像を生成する場合も、既存の画像が挿入されていると利用できません。
生成機能が使えない場合は、そもそも生成機能が使えない状況で使用しようとしていないか確認するようにしましょう。
Photoshopの生成機能が使える回数
Photoshopの生成機能にはクレジットと呼ばれる概念があります。
クレジットは生成機能を使用するごとに1ずつ消費されていき、残数が0になってしまうと生成スピードに制限がかけらてしまいます。
このとき、スピードに制限がかかるだけで使用できなくなるわけではありません。
クレジット数は毎月リセットされますが、余ったクレジット数は翌月には持ち越せないため注意が必要です。
また、クレジット数は契約しているプランによって数が異なります。
Photoshopを含むAdobeのソフトをすべて利用できる「Creative Cloud コンプリートプラン」の場合は月に1,000回の使用ができますが、単体プランの場合は500回です。
毎月のクレジット数を使い切ってしまう場合は、上のプランへのアップグレードを検討するのもよいでしょう。
Photoshopで生成した画像の著作権は?
Photoshopで生成した画像の著作権はどのように扱ったらよいのでしょうか。
Photoshopの生成機能で生成した画像は、すべて商用利用が可能となっており、クリエイターが自由に扱えます。
そのため、著作権を気にせず利用可能です。これは、PhotoshopのAIが学習元にしているデータが、すべて著作権の所有者から許可を得ている画像を使っているためです。
特に、AI作品は著作権が問題視されるケースが多いため、この問題をクリアしているのはクリエイターにとっては大きな安心材料といえるでしょう。
Photoshopの最新技術を学ぶなら
Photoshopの生成機能は、2023年に登場したばかりの新しい機能です。
Photoshopはアップデートを繰り返すごとに新しい機能が追加されていくため、常に最新情報を押さえておく必要があります。
そんな、Photoshopの基礎から最新技術までを学びたいなら、Photoshop基礎セミナー講習がおすすめです。
Photoshop基礎セミナー講習では、Photoshopのツールやレイヤーの使い方などの基礎的な内容から、実際に合成写真を作るための応用的な内容まで幅広く学べます。
また、講師と直接交流できるため、最新のAI機能についても質問できるでしょう。
Photoshopのスキルを効率的に高めたい方は、ぜひPhotoshop基礎セミナー講習をチェックしてみてください。
Photoshopの生成機能についてのまとめ
今回は、Photoshop25.0から使用できるようになった、生成機能について紹介しました。
生成機能は、AIを用いてオブジェクトの生成や削除ができる機能です。
普通の編集では時間のかかってしまう作業も数十秒程度で行えるため、使いこなすことで作業効率が格段に向上します。
仕事での活用はもちろん、趣味として生成機能を試してみるのもよいでしょう。