イラストや3Dモデルを動かせるアニメーションは、映像作品の他に、動画広告や企業のプロモーションなど、幅広いところで使用されています。そして、現代のアニメーション制作は、主にパソコンのソフトを使用することが多いです。技術力とソフトを用意できれば、素人からプロまで、幅広い人がアニメーションの制作を行えます。
今回はどのようなアニメーションソフトがあるのかおすすめをいくつか紹介していきます。
目の錯覚を活用するアニメーション
アニメーションとは、写真やイラストなどを動かす映像のことです。最もシンプルなアニメーションはパラパラ漫画で、動きの過程を描写した画像を複数枚用意して、高速で連続再生させます。そうすることで、動いているように錯覚できる仕組みです。アニメーションソフトは、パソコンの中で、その画像制作や連続再生などを行うことができます。
アニメーションの種類は豊富
アニメーションは非常に数多くの種類に分かれていて、基本的なアニメーションの仕組みは変わりませんが、制作方法や仕上がりは大きく異なります。オーソドックスな種類であれば、平面の絵を動かすイラストアニメーションや、ロゴを動かすモーショングラフィックスなどが代表的です。その他にも、3DCGで制作したモデルを使用したものや、粘土細工やフィギュアなどをこま撮りした写真を連続再生させる、ストップモーションなどがあります。
アニメーションのおすすめソフト6選
それでは、おすすめのアニメーションソフトを見ていきましょう。有料や無料、アニメーションの種類などを問わず、幅広いソフトを紹介していきます。
ソフト名 | 特徴 |
After Effects | Adobeのアニメーション制作ソフト |
AnimeEffects | 2D向けアニメーションソフト |
VYOND | ビジネス向けアニメーションソフト |
Moho Pro | 2Dアニメーション向けプロソフト |
Filmora | アニメーションにも使える動画編集ソフト |
AviUtl | アニメーションにも使える動画編集ソフト |
After Effects
数多くのデザインツールを提供している、Adobe社のアニメーション制作ソフトです。サブスクリプション契約を結ぶことで、使えるようになります。用意したモデルを動かすモーショングラフィックスの制作を得意としていて、エフェクトアニメーションの追加も可能です。アニメーション制作に使えるプリセットが豊富なので、一から制作することなく、効率的な作業を進められます。また、Adobe社のデザインツールで作成したモデルと組み合わせて、アニメーションを作るということもできるので、Adobe社製品のユーザーにもおすすめです。
AnimeEffects
2Dのアニメーションを制作する際におすすめなのが、AnimeEffectsです。平面アニメーションの制作に特化していて、イラストや写真などの画像を素材として使うことができます。
素材をパーツごとに移動させたり、変形させたりすることで、アニメーションを作っていく形です。操作は決して難しくないので、初心者でもアニメーション作品を作りやすいでしょう。また、フリーソフトであるため、誰でも無料で使うことが可能です。2Dアニメーション制作のエントリーソフトとして使っても良いですし、素材を複雑に動かす高度なアニメーション制作にも使えます。
VYOND
ビジネスシーンで使用するアニメーション制作に特化しているのが、VYONDです。商品のプロモーションや、会議のプレゼンテーションのために、アニメーションを使いたいという人におすすめします。
あらかじめ用意してあるテンプレートが豊富なのが特徴で、自ら素材を用意する手間を省けます。そして、素材を直感的に配置することでアニメーションが仕上がっていくため、数あるソフトの中でも操作難易度は低めです。アニメーションソフトに慣れていない人でも、早い段階で使いこなせるようになるでしょう。
Moho Pro
映画制作のプロも使用している、本格的なアニメーション制作用のソフトです。2Dアニメーションに特化していて、描写に使用するイラストの制作から、連続再生による仕上げまで、ひと通りの作業を行うことができます。
プロ仕様の性能を持っていますが、操作は決して難しくはなく、初心者でも使用可能です。アニメーション制作の練習から、高度な作品制作まで、Moho Proだけを使うということも不可能ではありません。
Filmora
動画サイトに投稿する動画の編集に使用されることが多いソフトです。そして、キーフレームという機能を使って、イラストを素材にしたアニメーションを制作することができます。キーフレームを使えば、テキストや別の動画を用いて、アニメーション動画を作ることも可能です。
また、高度な編集と簡易的な編集を、モードによって切り替えられるという特徴もあります。高クオリティのアニメーションを作る場合は高度編集、シンプルな作品は簡易編集という風に使い分ければ、効率的な作業を実現可能です。
AviUtl
AviUtlは、動画編集用として大勢の人が使用しているフリーソフトです。プラグインによって、インストール後に様々な機能を追加できるのが特徴で、アニメーション機能も付け足せます。AviUtlのプラグインは、有志がインターネット上で公開していて、アニメーション用プラグインも非常に豊富です。
必要に応じてプラグインを導入することで、様々なアニメーションを作れるようになります。主に、動画に効果アニメーションをかけたり、素材の一部のみを動かすなど、簡易的なアニメーション制作が得意です。ただ、大量のイラスト素材を用意して、ストップモーションなどの本格的なアニメーションを作ることも不可能ではありません。
アニメーションソフトの選び方とは
アニメーションソフトは数多くありますが、無造作に選ぶのは良くありません。色々なことを考えて選ぶ必要があります。では、どのような選び方をすれば良いのか、詳しく確認していきましょう。
制作できるアニメーションの種類に対応していることを確認
アニメーションソフト選びでまず重視しなければいけないのは、対応しているアニメーションの種類です。ソフトの中には、3Dあるいは2Dのみに特化しているなど、他のアニメーションが作れないものもあります。作りたいアニメーションに対応していないソフトを選んでしまうのは、大きな失敗です。よって、まずは対応しているアニメーションの種類を確認して、候補になるかどうかを見極めましょう。
制作できるアニメーションのクオリティを重視
どのようなクオリティのアニメーションを作れるのかは、ソフトによって異なります。テレビで放映されるような高クオリティのフルアニメーションを作れるソフトもあれば、クオリティの高さにはこだわらないソフトもあるなど、多種多様です。そのため、求めるクオリティを満たせるのか確認することを忘れないでください。
搭載されている機能を確かめる
高クオリティのアニメーションを制作できるソフトには、非常に数多くの機能が備わっています。それら全てを使いこなすには、高度な技術力が必要です。場合によっては、長時間の学習が求められるでしょう。
ただ、必要ない機能を学習する意味は特にありません。また、アニメーションソフトに慣れていない人は、学習段階で挫折してしまう恐れがあります。そのため、必要最小限の機能が搭載されていることと、自身の技術力に合っていることを考えながら、ソフトを選びましょう。
ソフトを使って高クオリティのアニメーションを制作しよう
アニメーション制作に使えるソフトは、有料と無料を問わず、色々な種類があります。紹介してきたものは、どれもソフトとして高性能です。そのため、使いこなすことさえできれば、高クオリティのアニメーションを作れるでしょう。
ただ、それぞれ得意としているアニメーションの種類や、細かな機能性は異なります。したがって、候補をいくつかピックアップした上で、その中から実際に使うソフトを厳選すると良いでしょう