今回はモデリングやアニメーション制作ができることで注目されている3Dモデリングソフト、「Blender」における、頂点の結合と追加の方法について解説していきます。
頂点を追加したけど結合できなかったり、頂点の追加や削除についてもよく分からない人もぜひご覧になってください。
※使用バージョン:Blender ver.3.6.3(バージョンによって、一部表記が異なる可能性があります。)
Blenderの頂点とは
「頂点」とは、3Dモデルを構成する最小単位の基本的な要素です。
これは、多角形の角の部分を指します。例えば、三角形ポリゴンでは3つの頂点が、四角形ポリゴンでは4つの頂点が、それぞれの座標を示します。
これらの座標には、3D空間内での位置(座標、法線、UV座標などの属性)が含まれます。
座標とは、頂点の位置を表す値であり、法線とは、頂点の表面の向きを示す値です。
UV座標は、画像テクスチャを頂点に適用する際に使用します。さらに、ポリゴンの形状やサイズを定義し、モデルの形状や輪郭を決定する上でも、非常に重要な役割を果たします。
Blenderは、頂点を選択して、移動、回転、スケール変更などの、さまざまな編集や操作を行うことができます。頂点の選択によって特定の部分の形状修正が可能であり、また新しい形状を作成する際には、頂点の追加が必要です。
Blenderの頂点についての動画
Blenderでは、初心者が一からBlenderを学べるようにチュートリアルが用意されています。
BlenderのオフィシャルYoutubeには、チュートリアルなどの動画がたくさん用意されており、使い方やテクニックを学べます。
実際の画面を使った動画を見ながら、操作方法を理解できます。動画を見ながら、実際に手を動かしながら学ぶことも可能です。
手順が順番に紹介されているので、Blenderの使い方を学びたいときは、Blenderの動画を活用しましょう。Youtubeには参考となる動画が豊富にあるため、合わせてチェックしてみてください。
Blenderについては、こちらの記事でも、おすすめの3DCGソフトとして紹介されています。
Blenderで頂点を追加する方法
頂点の追加方法について説明します。
編集モードに切り替える
頂点を編集する際は、まず、Blenderを「編集モード」に切り替えてから操作します。
編集モードへの変更は、画面の左上のモードを選択するドロップダウンリストから、「編集モード」へ変更します。
頂点の選択表示
頂点が選択されている時の表示について説明します。
選択されていない頂点は黒色で表示され、選択された頂点はオレンジ色で表現されます。
頂点を追加する
頂点を追加する方法について説明します。
①「Ctrl + 右クリック」で新規頂点を追加する方法
頂点を追加したい位置に、カーソルを合わせ、「Ctrl」キーを押しながら、右クリックします。
奥行方向の点位置の制御をしやすくするため、Z軸方向からの視点(XY平面表示)にしておくことをおすすめします。
②「細分化」で新規頂点を追加する方法
細分化したい線や面を選択し、右クリックして、ドロップダウンリストから、「細分化」を選択します。
Blenderで頂点の結合(マージ)
頂点が同じ位置に2つ以上存在する場合や、ごく近くに2つ以上できてしまった場合などには、テクスチャの切れ目などになってしまっている可能性があるため、頂点を結合(マージ)する必要があります。
結合できるのは頂点のみとなり、辺や面を結合することは出来ません。
①頂点を手動で結合する方法
結合したい頂点を選択します。(複数選択する場合は「Shift」を押しながら選択します。)
右クリックしてドロップダウンリストを表示するか、もしくは「M」キーを押すか、上部メニューから「メッシュ」を押すと、マージのメニューがドロップダウンリストで表示されます。
「頂点をマージ」を選択し、結合方法を選びます。
結合方法については、以下のとおりとなります。
結合方法 | 説明 |
「中心に」 | 選択した頂点の座標の、中心位置で結合する |
「カーソルの位置に」 | カーソルの位置で結合する (マウスポインタの位置ではないことに注意する) |
「束ねる」 | 接続している頂点群ごとの、その中心位置に結合する |
「距離」 | 指定した距離内にある頂点を、それぞれ結合する
画面左下の「距離でマージ」のオペレータパネルにて、結合距離を指定することができる |
②頂点を自動で結合する方法
右上の「オプション」から、「自動マージ」の項目をチェックし、しきい値を入力します。
この値以下に新たな頂点が発生した場合、自動的に結合されます。
Blenderで頂点の削除
不要となった頂点を削除する場合は、削除したい頂点を選択し、「Delete」キー、または「X」キーを押すか、右クリックで「頂点を削除」を選択します。
Blenderの頂点にまつわるその他の操作
その他の頂点の操作については、以下のようなものがあります。
①Blenderのループカット
図形を輪切りにしたような頂点を作成する方法です。
左側のメニューから「ループカット」を選択、または「Ctrl + R」を押し、ポインタを近づけます。カットする方向が黄色いイメージで表示されるため、カットしたい方向を決めてクリックします。
カット位置のイメージがオレンジ色の頂点で表示されるので、黒矢印の方向にオレンジ色のイメージを移動し、カットする位置を決めてクリックすると、オレンジ色の頂点と既存の図形の交点に頂点が作成されます。
②Blenderの押し出し
既存の頂点、線、面を押し出して新たな頂点を作成します。
押し出したい頂点、または線や面を選択し、右クリックメニューから「頂点を押し出し」を選択、または「E」キーを押すと、マウスの位置まで頂点を押し出すことが可能になります。
この時、「X」キー、「Y」キー、「Z」キーを使って、その軸方向にしか移動できなくなるようにロックすることをおすすめします。
押し出し後に、左下の「領域を押し出して移動」から、移動量を数値で修正することも可能です。
Blenderで頂点数を表示する方法
3Dビューポート右上にある、「ビューポートオーバーレイ」の、「統計」にチェックを入れると、頂点数が表示され、頂点数を確認することができます。
現在表示されている編集中のモデルの、メッシュの面、辺や、頂点の数が画面から確認できます。
そのほかのBlenderの操作方法はこちらの記事でも解説しています。
Blenderで頂点を結合するメリット
頂点の結合を行うことによって、どのようなメリットがあるのでしょうか。
最適化と効率化
頂点を結合することにより、3Dモデルの頂点数が減少します。
これにより、パフォーマンスが向上し、レンダリングやアニメーションの処理が効率化されます。
シームレスなテクスチャ
頂点の結合によって、頂点の数が減少するため、テクスチャが正確にモデルにフィットしやすくなり、よりシームレスになります。
モデリングの柔軟性の向上
頂点の結合によって、頂点の数が減少するため、特定の部分を迷うことなく選択することができ、モデルの形状やディテールを調整する際に役立ちます。
また、モデル全体のデザインを、効率よく改善することができます。
ポリゴン数・トポロジの最適化
頂点の結合によって、モデルのポリゴン数を最適化できます。ポリゴン数が削減されることによって、トポロジが最適化され、メモリ消費が減少し、描画処理負荷が軽くなります。
以上のメリットから、頂点の結合を行うことによって、3Dモデルを最適化し、品質向上を効率よく行うことができることがわかります。
Blenderで頂点の結合がうまくできないときの対処法
頂点の結合がうまくいかない場合に考えられる、一般的な問題とその対処法を紹介します。
①頂点を選択しようとしても、頂点が表示されない
編集モードに移動すると頂点が表示されるようになります。
②頂点が選択されていない
編集モードに移動していることを確認し、頂点を選択します。
③選択した頂点が近くにあるが、結合されない
選択した頂点の距離が、自動結合の設定距離内にあるか確認し、設定距離の閾値を調整しましょう。
④トポロジが不適切
モデルのトポロジを確認し、不要なエッジや頂点を修正したり、カーブやベジェ曲線などを含む複雑な形状を、シンプルに調整すると良いです。
⑤結合(マージ)方法が適切でない
選択した頂点に合った結合方法を選択する。「中心に」「カーソルの位置に」「束ねる」「距離で」から適切に選択する、また、設定オプション、閾値等を調整して、結合の精度を向上させます。
これらの対処法を試しても問題が解決しない場合、モデル自身の持つ根本的な問題が原因となっている可能性があるため、モデルを見直し、修正が必要かを検討することが必要です。
Blenderでの頂点の結合方法についてまとめ
今回は、Blenderでの頂点の編集や結合について詳しく説明しました。
頂点の操作方法はさまざまあり、ここで紹介した以外にも様々な方法が存在します。
基本的な操作を覚えつつ、必要に応じてさまざまなテクニックを学ぶと良いでしょう。
ぜひ、当記事を参考にBlenderでの頂点の編集や結合をしてみましょう。