「Photoshopで画像の一部を切り取りたい」
「Photoshopで切り抜く方法を知りたい」
当記事は、このような悩みを持つ方に向けて書いています。
Photoshopで画像編集をおこなうときは、人物や物の一部を切り抜いて合成することがあります。Photoshopにはさまざまな切り抜き方法があり、対象物に合わせて編集可能です。
しかし、対象物には細い毛や小さい物などもあるため、どのように切り抜けばいいのかわからない方も多いでしょう。
そこで本記事では、Photoshopの画像を切り抜きに利用できるツールや切り抜く方法について詳しく解説します。実際の画像と合わせて紹介するので、ぜひ参考にご覧ください。
Photoshopの切り抜きとは?
Photoshopの切り抜きとは、画像の一部を切り抜く方法を指します。
複数の画像を合成するときに用いられる方法となっており、人物や物を背景画像と合わせられます。
例えば映画のようなポスターを作成する場合、人物と物、背景画像の合成が必要です。
そこで画像の切り抜きをおこなえば、それぞれの一部を合わせて合成できるようになります。
切り抜いた画像に影や光源を追加できるため、自然なかたちに合成できます。
本格的な画像編集をするときには切り抜きが必要となるので、初心者からプロまで身につけておくべきスキルです。
Photoshopの切り抜きに利用できるツール7選
Photoshopの切り抜きに利用できるツールは、以下の7種類があります。
- 切り抜きツール
- 自動選択ツール
- オブジェクト選択ツール
- クイック選択ツール
- ブラシツール
- ペンツール
- 境界線ブラシツール
各ツールの詳細や特徴について、順番に説明していきます。
1.切り抜きツール
切り抜きツールは、画像の範囲を指定して外側を切り抜けるツールです。
切り抜きたい範囲をドラッグし、角や端のハンドルを移動させれば自由に調整できます。
また、オプションバーから縦横比や幅、高さなどの値を設定し、求めるサイズに切り抜くことも可能です。
切り抜きたい範囲の指定が完了すれば、エンターキーを押すと画像を切り抜けます。
円型に切り抜くことはできませんが、四角形に切り抜きたいときには便利です。
2.自動選択ツール
自動選択ツールは、指定した範囲を自動的に選択できるツールです。
画像の切り抜きにも活用でき、レイヤーマスク機能と併用することで選択範囲を指定できます。
切り抜きたい部分をクリックするだけで自動選択できるため、効率良く切り抜けます。
コントラストがはっきりしている画像を切り抜きたいときに便利です。
3.オブジェクト選択ツール
オブジェクト選択ツールは、人や建物、山、川などを自動的に選択できるツールです。
マウスポインタの選択もしくは長方形にドラッグすれば、対象物を自動選択できます。
選択範囲が欠けているときは、「Shift」キーを押しながら長方形で囲めば追加できます。
細かな部分まで切り抜きたいときに活用できるため、手間をかけず合成したい方に最適です。
4.クイック選択ツール
クイック選択ツールは、対象物をドラッグして選択できるツールです。
対象物にマウスポインタを合わせてドラッグすることで、細かな部分まで選択できます。
自動選択ツールは全体的に選択することから、一部が欠けていることがあります。
一方クイック選択ツールは自分でドラッグするため、細かな部分まで綺麗に選択可能です。
切り抜きたい対象物がはっきりしているときは、クイック選択ツールの使用がおすすめです。
5.ブラシツール
ブラシツールは、画像に線や柄を書き込めるツールです。
レイヤーマスクやイラストを作成するときに使用しますが、切り抜きにも活用できます。
例えば人物を切り抜く場合、ブラシツールで全体を黒く塗っておけば、自動選択ツールやクイック選択ツールと併用できます。
明るくしたい部分をなぞれば、切り抜いた画像に光源を作成可能です。
選択できていない部分を塗り足すときにも便利なので、ほかのツールと合わせてうまく利用しましょう。
6.ペンツール
ペンツールは、点と線をつなげて形作れる描画ツールです。
イラストレーターで使われることが多く、イラスト作成に役立ちます。
ペンツールを使えば「アンカーポイント」という点と線を作れるため、ハンドルを使用すれば曲線を描けます。
作成したパスは「パスレイヤー」として保存され、選択範囲を切り抜くことも可能です。
多くの画像を切り抜くときに効率良く管理できるので、Photoshopでは便利なツールとなっています。
7.境界線ブラシツール
境界線ブラシツールは、毛などの細かい部分を検知できるツールです。
境界線上の毛をマウスポインタでドラッグすれば、毛先まで細かく調整できます。
パネルの「出力設定」から「不要なカラーの除去」を選択することで、毛先の背景色を削除できます。
初心者には難しい作業と思われがちですが、慣れれば簡単に切り抜きが可能です。
Photoshopで形状がわかりやすいものを切り抜く方法
形状がわかりやすいものは、ほかの方法よりも簡単に画像を切り抜けます。
理由としては、背景と色の違いがはっきりしているので選択しやすいからです。
形状がわかりやすいものを切り抜くときは、以下の手順でおこないます。
- 選択ツールから「クイック選択ツール」を選択する
- 切り抜きたい部分をクリックもしくはドラッグする
- レイヤーパネルから「レイヤーマスク」をクリックする
- メニューバーから「選択範囲」、「選択とマスク」を選択する
- 「グローバル調整」や「出力設定」を調整する
- 「OK」ボタンをクリックする
以上で画像の一部を切り抜けます。
グローバル調整や出力設定をおこなうことで、綺麗な状態で切り抜けるようになります。
形状がわかりやすいものを切り抜く方法は、下記をご覧ください。
形状がわかりやすいものを切り抜く場合、クイック選択ツール以外にも「自動選択ツール」や「オブジェクト選択ツール」でも同じように切り抜けます。
切り抜きたい画像によって最適なツールは異なるため、うまく使い分けるようにしましょう。
Photoshopで形が不明確な物を切り抜く方法
切り抜きたいものと背景画像のコントラストが同じ場合、切り抜き方には工夫が必要です。
切り抜くものと背景が同系色になっているため、クイック選択ツールを使用して切り抜いていきます。
コントラストが不明確なものを切り抜くときは、以下の手順でおこないます。
- レイヤーパネル横にある「チャンネルパネル」を選択する
- 目のアイコンをクリックしてコントラストが強いものを選択する
- クイック選択ツールで切り抜きたい部分を選択する
- メニューバーから「選択範囲」、「選択とマスク」を選択する
- 「グローバル調整」を設定する
- 出力先を「新規レイヤー」にする
- 「OK」ボタンをクリックする
以上でコントラストが不明確なもの切り抜けます。
形状がわかりやすいものと同じく、グローバル調整を設定することで綺麗に切り取れます。
コントラストが不明確なものをものを切り抜く方法は、下記をご覧ください。
カラーチャンネルからコントラストが強いものを選び、「ブラシツール」で塗りつぶせば同じ方法で切り抜けます。
切り抜きたい画像のかたちがはっきりしているなら、ペンツールを使って選択する方法も有効です。
コントラストが不明確なものを切り抜くときは、カラーチャンネルを活用しましょう。
Photoshopで人物・動物の毛を切り抜く方法
人物や動物の毛は細かいので、複数のツールを使い分けて調整が必要です。
最新版のPhotoshopなら「選択とマスク」、「クイック選択ツール」、「境界線調整ブラシツール」を併用することで、細かな毛まで綺麗に切り抜けます。
人物・動物の毛を切り抜くときは、以下の手順でおこないます。
- 画像を用意する
- メニューバーから「選択範囲」、「選択とマスク」を選択する
- クイック選択ツールで切り抜きたい部分を選択する
- 属性パネルから「表示」を「オーバーレイ」に変更する
- 境界線調整ブラシツールで境界線上の毛をドラッグする
- 属性パネルの「出力先」を「レイヤーマスク」に設定する
- 「OK」ボタンをクリックする
以上で人や動物の毛を綺麗に切り抜けます。
「境界線調整ブラシツール」を使うときは、背景の色が消えるように境界線上をなぞってください。
境界線をわかりやすくしたいなら、属性パネルの「表示」を「オーバーレイ」にすると良いでしょう。
細かな毛まで切り抜きたいときは、ぜひ活用してください。
人物・動物の毛を切り抜く方法は、下記をご覧ください。
毛の切り抜きについて詳しく知りたい方は、Youtubeの参考動画をご覧ください。
Photoshopでサイズ指定をして切り抜く方法
Photoshopの「切り抜きツール」を使えば、サイズ指定をして画像を切り抜けます。
オプションバーから自由なサイズに切り抜けるため、正確に調整したいときには便利です。
サイズ指定をして切り抜くときは、以下の手順でおこないます。
- 画像を用意する
- 切り抜きツールを選択する
- オプションバーから「縦横比」を変更する
- エンターキーを押す
以上でサイズ指定をして画像を切り抜けます。
サイズ指定をする際に、解像度を変更することもできます。
サイズ指定をして切り抜く方法は、下記をご覧ください。
Photoshopの切り抜きに関するよくある質問
最後にPhotoshopの切り抜きについて、よくある質問を回答します。
疑問を解消するためにも、ぜひ参考にご覧ください。
背景を切り抜いたときに透明部分が白くなったらどうすればいい?
背景を切り抜いたとしても、保存するファイル形式によっては白くなります。
透明の状態にしたいときは、保存するファイル形式を「PNG」にしましょう。
切り抜きツールがうまく選択できないときはどうすればいい?
切り抜きツールがうまく選択できないときは、オプションバーから「消去」をクリックしてください。
設定がリセットされるため、正常に選択できるようになります。
切り抜きに使いたいツールがないときはどうすればいい?
切り抜きに使うツールが表示されていないときは、ツールバー下部にある「・・・」をクリックしてください。
すると隠されていたツールが一覧表示されるため、必要なものをツールバーへドラッグ&ドロップしましょう。
Photoshopの切り抜きについてまとめ
今回は、Photoshopの画像を切り抜きに利用できるツールや切り抜く方法について詳しく解説しました。Photoshopには、切り抜きに利用できるツールがいくつも存在します。
シチュエーションによって使い分けることで、イメージ通りに画像を切り抜けます。
ぜひ当記事で紹介した切り抜き方法を参考に、あなたが求める合成をはじめてみましょう。