3DCG制作におすすめの無料ソフト「Blender」は、多機能であるがゆえに最初から使いこなすのは困難です。
本記事では、これからBlenderを使いたいと考えている方に向けて、Blenderの基本的な使い方や画面構成・おすすめの本について解説します。Blender初心者の方は、ぜひチェックしてみてください。
Blenderとは

引用:Blender
Blenderは無料で使えるオープンソースの3DCGソフトです。
直感的な操作が可能で、初心者でも比較的扱いやすいのが特徴です。また、商用利用が可能なため、副業や仕事用のツールとしても活用できます。
Blenderでできること
Blenderではさまざまなことができますが、代表的な例としては以下のようなものが挙げられます。
- Blenderは2タイプのモデリングが可能
- Blenderはマテリアル設定でリアルさを追求できる
- Blenderはレンダリングまで完結できる
これらについて見ていきましょう。
①Blenderは2タイプのモデリングが可能
モデリングとは、コンピューター上で立体データを作成する技術のことです。
Blenderでは、立方体や球などのオブジェクトを組み合わせて形を作る「モデリング」と、粘土のように形を変形させる「スカルプト」の2つの方法があります。
目的に合わせて使い分けることで、多様な形状を制作できます。
②Blenderはマテリアル設定でリアルさを追求できる
マテリアル設定は、オブジェクトに色や質感を与える設定です。金属やガラス、木材などの質感を表現でき、モデルをよりリアルに見せられます。
光の反射や透明度も調整可能です。
③Blenderはレンダリングまで完結できる
作成した3Dモデルを、人間が見られる画像や動画に変換する工程です。Blenderはモデリングからレンダリングまで一つのソフトで完結でき、外部ツールを使わずに作品を仕上げられるのが大きな魅力です。
Blenderの最低・推奨スペック
Blenderを動かす最低スペックと推奨スペックは以下のとおりです。
| 最低スペック | 推奨スペック | |
| OS | Windows 10 (64 ビット) | Windows 10 もしくはWindows 11 |
| CPU | SSE4.2をサポートしている4コア | 8コア |
| メモリ | 8GB | 32GB |
| GPU | OpenGL 4.3対応 2GBのVRAM | 8GBのVRAM |
スペックが低いと動作が重くなってしまったり、途中でソフトが落ちてしまったりします。そうなるとデータの破損につながるので、なるべく推奨スペックに近いパソコンで操作するようにしましょう。
Blenderの画面構成と使い方
Blenderの画面は以下の要素で構成されています。
- トップバー
- 3Dビュー
- タイムライン
- アウトライナー
- プロパティ
これらの画面構成と使い方について見ていきましょう。
①トップバー

トップバーは、画面の一番上にあるバーです。
新規ファイルの作成や保存、設定変更、レンダリングなど、Blender全体の操作を行えます。
②3Dビュー

3Dモデルを作成・編集するための作業スペースです。3Dビューでは、マウス操作やショートカットキーで感覚的にオブジェクトの編集ができます。
また、3Dビューは以下3つの要素で構成されています。
| 構成 | 説明 |
| ヘッダー | モードの切り替えやオブジェクトの追加ができる |
| ツールバー | モデリングや編集に使うツールがアイコンで表示されている |
| サイドバー | 位置やサイズなどを数値で編集でき、Nキーで表示・非表示を切り替え可能 |
なお、3DビューはBlenderで一番使用する領域です。
Blenderの3Dビューで覚えておきたい表示切り替え
Blenderの3Dビューを使う際は、作業目的に合わせて画面の表示状態を切り替えましょう。初心者のうちに覚えておきたいボタンは以下の通りです。
| 切り替えボタン | 説明 |
| モード選択 | 全体を動かすオブジェクトモードと形状を細かく作り込む編集モードを切り替える |
| シェーディング | 作業用のソリッドビューや、色・質感を確認するマテリアルプレビューなどに切り替える |
③タイムライン

画面下部にあるアニメーション制御用の領域です。フレームを進めたり、再生・停止したりして、3Dビュー上で動きを確認できます。
キーフレームを追加することで、動きを細かく設定することも可能です。
④アウトライナー

画面右上にあり、シーン内のオブジェクトやコレクションが一覧表示されています。
階層構造で整理されているため、複雑なシーンでも管理がしやすいのが特徴です。
オブジェクト名の変更や、表示・非表示の切り替えもアウトライナーから行えます。
⑤プロパティ

画面右下にある詳細設定エリアです。オブジェクトのマテリアルや、テクスチャ、照明などを細かく調整できます。
見た目や質感を仕上げるのに重要な領域です。
Blenderの基本機能の使い方
Blenderの使い方を学ぶうえで、知っておきたい基本操作は以下のとおりです。
- Blenderの視点操作
- Blenderのオブジェクト操作
- Blenderのファイル操作
これらの使い方について見ていきましょう。
①Blenderの視点操作
Blenderの視点操作に慣れておくと、スムーズに3Dモデルの制作に臨めます。
視点の操作方法は、以下の表のとおりです。
| 操作 | 方法 |
| 視点の移動 | Shiftキーを押しながらマウスの中ボタンを押し込みドラッグ。 |
| ズーム | マウスの中ボタンをスクロール。手前なら縮小、奥なら拡大。 |
| 視点の回転 | マウスの中ボタンを押し込みドラッグ。 |
視点操作は必ず必要になるので、感覚で扱えるようになるまで繰り返し練習しましょう。
②Blenderのオブジェクト操作

3Dモデルはオブジェクトを組み合わせて作成していきます。Blenderで必要なオブジェクト操作は以下の表のとおりです。
| 操作 | 方法 |
| 選択 | 左クリックで選択 |
| 移動 | 画面左の移動ツールを選択してドラッグ |
| 回転 | 画面左の回転ツールを選択してドラッグ |
| 拡大・縮小 | 画面左の拡大・縮小ツールを選択してドラッグ |
| 追加 | ヘッダーメニューの「追加」から |
| 削除 | Deleteキーを押す |
これらの操作は3DCG制作で頻出するので、必ず押さえておきましょう。
Blenderのオブジェクト操作で使えるショートカットキー
以下の表では、前述したオブジェクト操作をスムーズに行えるショートカットキーをまとめています。
| 操作 | ショートカットキー |
| 移動 | Gの後にX・ Y・Zいずれかの指定軸を入力 |
| 回転 | Rの後にX・ Y・Zいずれかの指定軸を入力 |
| 拡大・縮小 | Sの後にX・ Y・Zいずれかの指定軸を入力 |
| 追加 | Shift + A |
実際に入力して操作に慣れていけば、Blenderでの作業を快適に進めていけるでしょう。
③Blenderのファイル操作

Blenderでのファイル操作は、作業の管理やほかソフトとのデータ共有に欠かせません。Blenderでの代表的なファイル操作は以下のとおりです。
| 操作 | 方法 |
| 開く | ファイルメニューの「開く」から.blendファイルを読み込む |
| 保存 | ファイルメニューの「保存」または「名前を付けて保存」で現在の作業を保存する |
| インポート | ファイルメニューの「インポート」からほか形式のデータを読み込む |
| エクスポート | ファイルメニューの「エクスポート」からほか形式のデータを出力する |
これらの操作を覚えておくと、ファイルの起動や保存、ほかソフトとの連携などがスムーズに行えます。
Blenderのモデリング機能と使い方
Blenderの編集モードでモデリングをする際は、以下の機能が頻出します。
- Blenderのループカット機能で辺を追加
- Blenderの押し出し機能で新たな形状を作成
- Blenderのベベル機能で滑らかさを演出
- Blenderのスムーズシェード機能で曲面をより自然な見た目に
- Blenderの面の差し込み機能で新たなディティールを追加
- Blenderの分離機能でパーツを切り離す
これらの機能の使い方について確認していきましょう。
①Blenderのループカット機能で辺を追加

ループカットは、メッシュの特定の位置に新しい辺を追加する機能です。使い方は、オブジェクトを選択した状態でCtrl+Rキーを押すだけです。
マウスを動かして分割数を決め、クリックすることで編集が確定します。モデルの形状を細かく調整したいときや、ディテールを増やす際に使用されます。
②Blenderの押し出し機能で新たな形状を作成

押し出しは選択した面や辺、頂点を外側または内側に引き延ばして新しい形状を作る機能です。Eキーを押してドラッグし、押し出す距離を調整します。
平面のオブジェクトを立体的にする際に多用されます。
また、Blenderを使ったモデリングの方法については以下の記事を参考にしてください。実際に家のモデリングを行っているため、Blenderの応用的な使い方を学習できます。
③Blenderのベベル機能で滑らかさを演出

ベベルは、角やエッジを面取りして丸みをつける機能です。Ctrl+Bキーを押すことで使え、マウスを動かせば幅を調整できます。
角を滑らかにしてリアルさを演出するときに使われます。
④Blenderのスムーズシェード機能で曲面をより自然な見た目に

スムーズシェードは、面を滑らかに表示する機能です。オブジェクトを右クリックして「スムーズシェード」を選択することで適用できます。
球体のように、曲面を自然に見せたい場合に適しています。
⑤Blenderの面の差し込み機能で新たなディティールを追加

面の差し込みは、選択した面の内部に新しい面を作成する機能です。Iキーを押した後にマウスを動かし、挿入する範囲を調整します。
窓のように、面の中にディテールを追加したいときに便利です。
⑥Blenderの分離機能でパーツを切り離す

分離はオブジェクト内の一部を切り離して、別のオブジェクトとして扱える機能です。分離させたい部分を選択し、Pキーを押して「分離」から「選択」を実行します。
これにより、選択部分が新しいオブジェクトとして独立し、移動や編集を個別に行えるようになります。複製したパーツを別々に操作したいときや、モデルをパーツごとに分けたいときに便利です。
Blenderで形状から作品を完成させる使い方4ステップ
モデリングで形状を作成した後は、作品に仕上げるための工程に進みましょう。各詳細は以下のステップを参考にしてみてください。
- Blenderによるマテリアル設定
- Blenderのライティング機能で照明設定
- Blenderのカメラ機能で撮影構図を設定
- Blenderのレンダリング機能で書き出し
①Blenderによるマテリアル設定
まずは、マテリアル設定でBlenderで作成したオブジェクトに色や質感を与えましょう。木材・鉄素材・ガラスなど、作品のイメージに合わせた質感を探してみてください。光の反射率や粗さを細かく設定することで本物の質感に近づけることができます。
②Blenderのライティング機能で照明設定
Blenderで作成した形状・空間にライトを設置して、作品における光の角度や影の落ち方などを設定します。自然光や照明といったライトの種類や、光の強さを細かく調整することで作品に立体感を出すことが可能です。
③Blenderのカメラ機能で撮影構図を設定
カメラ機能を使用すれば、自身がBlenderで作成した3D空間にカメラオブジェクトを設置し、カメラ視点で画角を確認できます。ステップの①②の設定をカメラ目線で確認しつつ、背景のボケ等を設定して作品の雰囲気を作ってみましょう。
④Blenderのレンダリング機能で書き出し
最後に、Blenderのレンダリング機能を使用して、マテリアル・照明・カメラの設定の情報を計算し、最終的な静止画やアニメーションのデータとして外部向けに書き出しましょう。
Blenderのレンダーエンジンとは
Blenderでレンダリングを行うためのレンダーエンジンはEEVEE・Cycles・Workbenchの3種類があります。それぞれは見え方が違うため、作品をレンダリングする際は、目的やPCのスペックに合わせてレンダーエンジンを選んでください。以下の表では各エンジンの特徴をまとめています。
| レンダーエンジン | 特徴 |
| EEVEE |
|
| Cycles |
|
| Workbench |
|
Blenderの使い方を効率的に学ぶ方法

Blenderの使い方を効率的に学ぶなら、以下の方法がおすすめです。
- Blender関連の本で使い方を学ぶ
- Blender関連の学習サイトで使い方を学ぶ
- Blender関連の講座で使い方を学ぶ
これらのBlenderの使い方の学習方法について見ていきましょう。
①Blenderの本で使い方を学ぶ
書籍は体系的に学べる点が大きな魅力です。初心者向けの入門書から、中級・上級者向けの専門書まで幅広く揃っており、自分のレベルに合わせて学習を進められます。
また、紙の本であれば手元に置いておけるため、作業中にすぐ参照できるのもメリットです。ただし、情報が出版時点の内容に限られるため、ソフトのアップデートによる仕様変更には対応していない点には注意が必要です。
Blenderが学べるおすすめの本については、以下の記事を参考にしてください。レベル別に分けて厳選した本を紹介しています。
②Blenderの学習サイトで使い方を学ぶ
YouTubeやブログなど、無料で情報を得られるのがインターネット学習の強みです。YouTubeの場合、動画で手順を見ながら学べるため、視覚的に理解しやすく初心者でも学習のハードルは高くありません。
しかし、情報が間違っているリスクや、基礎からの学習には向いていない点はデメリットです。
③Blenderの講座で使い方を学ぶ

講座なら、講師からフィードバックをもらいながら基礎学習を進められます。
特に、Blender基礎セミナーでは、Blenderの使い方を一から学べるため、初心者がBlenderを始めるきっかけとして最適です。受講形態も複数から選べるので、自分の生活に合わせて学習を進められるでしょう。
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Blenderの使い方についてまとめ
今回は、Blenderの使い方について紹介しました。Blenderは無料で使える3DCGソフトです。
多機能ですが、それぞれの使い方を一つずつマスターすることでストレスなく操作できるようになります。学習方法も豊富にあるので、自分に合ったやり方で使い方を勉強してみてください。