Blenderを使えば、リアルなキャラクターや建物の作成ができます。
しかし、初めのうちはモデリングをするにも、どのような手順で進めたらよいのかわからないでしょう。
本記事では、Blenderを使ったモデリングのやり方について解説します。
実際にBlenderを使って家を作っていくので、Blenderを始めたばかりの方はぜひ参考にしてください。
Blenderとは
Blenderは、オープンソースで提供されている無料の3DCG制作ソフトです。
モデリング、アニメーション、レンダリングなど、3D制作に必要な機能が一通りそろっており、総合的な制作ツールとして高い評価を受けています。
また、Windows、Mac、Linuxといった複数のOSに対応していることから、幅広い環境で利用できる点も特徴です。
さらに、直感的に操作できるインターフェースが備わっているため、3DCG初心者でも取り組みやすいのが魅力です。
なお、Blenderについてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。Blenderの特徴やできることについて解説しています。
Blenderのモデリングとは
モデリングとは、立体的なオブジェクトを作成する作業のことです。立方体や球体といった基本的なオブジェクトを変形したり、結合したりしながら目的の形に仕上げていきます。
Blenderでは、編集モードを使うことで、辺や頂点を細かく操作できるため、建物やキャラクター、アイテムなどを自由に造形可能です。
モデリングは3DCG制作の基礎であり、完成度の高い3D作品を作るためには欠かせないスキルです。
Blenderのモデリングに役立つ基本操作のやり方
Blenderのモデリングをする際は、以下の機能を使いこなせるようになると作業が捗ります。
- オブジェクトの拡大/縮小
- ループカット
- 面の差し込み
- 押し出し
- 分離
これらの機能のやり方についてみていきましょう。
やり方①オブジェクトの拡大/縮小
オブジェクトの拡大/縮小は、オブジェクトのサイズ調整をする際に必須の機能です。オブジェクトの拡大/縮小のやり方は以下のとおりです。
- オブジェクトモードでオブジェクトを選択する
- Sキーを押す
- 拡大なら外側、縮小なら内側に向かってマウスをドラッグする
また、Sキーを押した際に以下の軸に対応するキーを押すことで、軸を固定したまま拡大/縮小を行えます。
キー入力 | 固定される軸 |
X | X軸 |
Y | Y軸 |
Z | Z軸 |
Shift+X | Y・Z軸 |
Shift+Y | X・Z軸 |
Shift+Z | X・Y軸 |
軸を固定して変形をかける機会は多くあるので覚えておきましょう。
やり方②ループカット
ループカットは、オブジェクトに新たな辺を追加する機能です。細かい形状の調整や新しい面の追加をしたいときに使われます。
ループカットのやり方は以下のとおりです。
- オブジェクトモードでオブジェクトを選択する
- 編集モードでCtrl+Rキーを押す
- マウスを動かしてループカットの向きを変更する
- 一度クリックして向きを確定したら、ループカットの位置を調整して再度クリックする
カーソルの位置によってループカットを縦に入れるか横に入れるかが決まります。
また、Ctrl+Rキーを押した後にマウスホイールを回すことで、ループカットの数を増やしたり減らしたりすることも可能です。
やり方③面の差し込み
面の差し込みは、選択した面の内側に、一回り小さくした同じ形状の面を作成する機能です。面の内側に小さなくぼみを作る際などに使用します。
面の差し込みのやり方は以下のとおりです。
- 編集モードで面選択モードをアクティブにする
- 対象の面を選択する
- Iキーを押す
- マウスを動かして差し込みのサイズを調整する
- クリックして確定する
また、細かな編集は画面左下に表示されるパネルから行えます。
やり方④押し出し
押し出しは、選択した面や辺を引き伸ばす機能です。立体感を出したり、複雑な形状を作る際に活用されます。
押し出しのやり方は以下のとおりです。
- 編集モードで面や辺を選択する
- Eキーを押す
- マウスを動かして押し出す方向と距離を調整する
- クリックして確定する
押し出しをする際は、対象の面や辺のみが選択されているかを確認しましょう。
また、角のあるオブジェクトに丸みをつける機能として「ベベル」があります。
以下の記事では、ベベルの使い方について解説しているので、モデリングをする際にはあわせてチェックしてみてください。
やり方⑤分離
分離は、オブジェクトの一部を切り離して、別のオブジェクトとして独立させる機能です。オブジェクトを個別に扱いたいときに使われます。
分離のやり方は以下のとおりです。
- 編集モードで分離したい面や辺を選択する
- 右クリックメニューから「分離」を選択する
- メニューから「選択」を選ぶ
- 選択した部分が新しいオブジェクトとして分離される
また、「マテリアルで」を選択することでと、選択した範囲ではなくマテリアルの設定箇所で分離させられます。
Blenderを使った家のモデリングのやり方
Blenderの使い方として、実際にモデリングをする方法をみていきましょう。今回は家のモデリングのやり方についてみていきます。
手順①屋根を作る
Blenderを開いたら、まずはデフォルトで用意されている立方体に屋根を取り付けていきます。
立方体を選択した状態で、Tabキーで編集モードに切り替えます。
続いて、Ctrl+Rキーを押して縦方向にループカットを挿入しましょう。
上面の中央にできた辺を、辺選択モードで選択します。Zキーで軸を固定しつつ、Gキーで上方向へドラッグします。
次に、屋根部分だけを面選択モードで選択した状態で、右クリックの「分離」から「選択」をクリックしてください。これで屋根が独立した別オブジェクトになります。分離ができたら、屋根の面を選択した状態で、Eキーの押し出しで上方向に押し出しましょう。
オブジェクトモードで屋根オブジェクトを選択し、Sキーで本体から少しはみ出すぐらいの大きさに拡大します。
Gキーで位置を調整し、立方体の上に重ねたら屋根の完成です。
手順②窓を作る
次に、家の壁面に窓を作りましょう。家本体のオブジェクトを選択し、Tabキーで編集モードに入ります。
面選択モードで窓を作りたい壁の面を選択し、Iキーでインセットします。続いて、選択した面で右クリックメニューから「細分化」を選択してください。
これにより、窓枠の分割が行われます。窓枠を分割できたら、右クリックの「分離」から「選択」で個別のオブジェクトにしておきましょう。
細分化された辺を辺選択モードですべて選択し、Ctrl+Bキーで窓枠の形に見るようにベベルをかけます。ベベル処理でできたら窓枠のエッジをすべて選択し、Eキーで押し出しましょう。
これにより、立体的な窓枠が完成します。
手順③扉を作る
ドア部分は新しい立方体オブジェクトを使って作りましょう。まず、Shift+Aキーの「メッシュ」から「立方体」で新しいオブジェクトを追加します。
続いて、SキーとGキーを使って、家の入り口に合う扉の形と大きさに調整して配置します。
ドアの持ち手も、Shift+Aキーの「メッシュ」から「立方体」を使って作成しましょう。
サイズを小さくして、ドアの右側あたりに配置します。
最後に、玄関への階段を作ります。立方体のオブジェクトを2つ用意し、それぞれSキーで平たく調整して、段差になるように順々に配置してください。
手順④煙突を作る
屋根の上に煙突を配置します。まず、Shift+Aキーの「メッシュ」から「立方体」でオブジェクトを追加しましょう。
続いて、Sキーで大きさを縦長に調整します。その後、屋根の適当な位置にGキーで配置し、高さや位置を微調整してください。
オブジェクトを配置できたら、煙突の上端の面を編集モードの面選択ツールから選択し、Iキーで内側に押し込みます。次に、Eキーで内側へ押し出しすることで、穴の開いた煙突を作成できます。
手順⑤マテリアルをつける
最後に、それぞれのオブジェクトにマテリアルをつけて色を加えます。
プレビュー画面を「マテリアルプレビュー」に切り替えたら、屋根のオブジェクトを選択し、右側の「マテリアルプロパティ」タブを開きます。
「新規」ボタンを押して、新しいマテリアルスロットを作成してください。続いて、「ベースカラー」のカラーピッカーから茶色を設定します。
同じ手順で壁や煙突などにも、独自のマテリアルを設定しましょう。マテリアルを設定できたら、家のモデリングの完成です。
Blenderの推奨スペック
Blenderは高機能ではありますが、その一方でパソコンのスペックが要求されるソフトでもあります。
以下は、Blenderを使ううえで推奨されているOSごとのスペックです。
Windows | macOS | Linux | |
OS | Windows 10 or Windows 11 | macOS 14 (Sonoma) | Distribution with glibc 2.28 or newer (64-bit) |
CPU | 8コア | Apple Silicon | 8コア |
RAM | 32GB | 32GB | 32GB |
スペックが足りないと動作が重くなったり、フリーズしてしまったりします。
特に、大規模なシーンや高精細なレンダリングを行う場合には、スペック不足が顕著に表れます。
効率的に作業するためにも、なるべく推奨されるシステム要件を満たすスペックのパソコンを選びましょう。
Blenderを使ったモデリングのやり方を学べるセミナー
Blenderを使ったモデリングのやり方を効率的に学ぶなら、セミナーを利用するのがおすすめです。
特に、Blender基礎セミナーでは、3Dモデリングの方法や、3Dアニメーションの作成方法など、Blenderの押さえておきたいスキルを短期間で学べます。
実際に作品作りを行いながら基礎を学べるため、初心者でも楽しみながらBlenderを使ったモデリングのやり方を学習できるでしょう。
気になる方は、ぜひ公式ホームページから詳細をチェックしてみてください。
セミナー名 | Blender基礎セミナー |
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運営元 | ProSkilll(プロスキル) |
価格(税込) | 27,500円〜 |
開催期間 | 2日間 |
受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
Blenderでモデリングのやり方についてのまとめ
今回は、Blenderを使ったモデリングのやり方について解説しました。Blenderを使えば、今回作成した家のような建物以外にも、キャラクターやエフェクトの作成も可能です。
それぞれのモデリングには色々なやり方があるので、ぜひ多くの作品を作ってスキルを磨いていってください。
