Illustrator(イラストレーター)とは、Adobeが提供しているWebデザインツールです。
Illustratorを使うことで、高品質なロゴ作成やイラスト作成を行うことができます。
ただしIllustratorはプロ向けのツールとなっているため、初心者にとっては使い方が分からないということも多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、Illustratorとはどのようなことができるのか?基本機能や使い方について詳しく解説していきます。
Illustrator(イラストレーター)とは
Illustrator(イラストレーター)とは、Adobe社が提供しているグラフィックデザインツールです。
日本では略して「イラレ」と呼ばれることが多く、プロのデザイナーやクリエイターにとって欠かせないツールとなっています。Illustratorではベクター画像と呼ばれる点と線で構成された画像を作成することが可能です。
画像を拡大しても画質が劣化しないことから、ポスターやチラシ、ロゴ画像などに最適な形式となっています。
Illustratorの基本機能
- 図形の作成
- ロゴの作成
- 絵(イラスト)の作成
Illustratorでできる基本機能は上記3つ。
ここからそれぞれの機能について詳しく解説していきます。
図形の作成
Illustratorではパスと呼ばれる図形を作成することができます。
パスはアンカーポイント(端点)をセグメント(線)で結んで構成されるような形です。
セグメントが曲線の場合には方向線という線が伸び、方向線を先端の方向点(ハンドル)で調整することができます。
また、作成した図形やイラストを「オブジェクト」と呼ぶのでこちらも覚えておきましょう。
ロゴの作成
Illustratorを使えば企業やWebサイトのロゴを作成することも可能です。
ロゴは看板やポスター、名刺など様々な媒体で利用されることが想定されるので、拡大縮小しても画像が劣化しないベクター画像が適しています。
Illustratorでは文字を編集したりフォントを変えたり様々な作業が行えるため、プロのデザイナーのほとんどがIllustratorを利用しているような状況です。
企業やサービスの顔になるようなロゴを作りたいと考えているのであれば、ぜひIllustratorの使い方をマスターしましょう。
絵(イラスト)の作成
Illustratorはその名の通り絵(イラスト)を描くこともできます。複数の図形を使って描く簡単なイラストから本格的なイラストまでどのようなテイストの絵でも対応可能です。
本格的なイラストを描くのであればペンタブが必要になることもあるので、イラストレーターの仕事をしたい方は別で用意したほうが良いでしょう。
またイラストを描く場合にはいきなりIllustratorで絵を描くのではなく、一度紙に下書きをしてからIllustratorに読み込ませて編集した方がやりやすいので覚えておいてください。
Illustratorのワークスペースの見方
Illustratorのワークスペースは上記のようになっています。
上部メニューにある「ファイル・編集・オブジェクト・書式・選択・効果・表示・ウィンドウ・ヘルプ」からはIllustratorのすべての機能にアクセスすることが可能です。
左側に配置されているツールバーは、Illustratorでの作業を行う上で主に使うツールが並んでいます。メニューバーの下にあるコントロールバーは、選択しているツールによって内容が変化するような形です。
【初心者向け】Illustratorの使い方
- Aiファイルの新規作成と保存
- 選択ツールで図形の移動や変形を行う
- テキストツールで文字を挿入する
- ペンツールで自由にパスを描く
- ブラシツールで直感的に描画する
- シェイプツールで図形を描く
- シェイプ形成ツールで図形の結合・消去を行う
- グラデーションツールで色の変更を行う
Illustratorの基本の使い方は上記8つです。どれもIllustratorを使う上で必ず押さえておくべき内容となっています。
ここからそれぞれの使い方について詳しく解説していきます。
Aiファイルの新規作成と保存
まずはIllustratorの基本となるAiファイルの新規作成と保存について解説します。
Aiファイルの作成・保存手順
- Illustratorのアイコンをクリックしてソフトを起動する
- 起動後の画面にある「新規作成」をクリック
- 新規作成メニュー上部にある「Web」や「印刷」をクリック
- 表示されたプリセットの中からサイズを選ぶorサイズ指定する
- カラーモードは印刷物の場合「CMYK」、Web用の場合は「RGB」に変更
- 「作成」ボタンをクリックすると新規ファイルが作成される
上記の手順に沿って操作を行えば新規のAiファイルを作成可能です。
設定画面の見方は下記の通り。
続いて、作成したAiファイルを保存する手順についてです。
Aiファイルの中には、
- パス
- レイヤー
- テキスト
- アピアランス
- クリッピングマスク
などの情報がすべて保存されており、再度Aiファイルを開くことで編集中の状態をそのまま再現することができます。
Aiファイルを保存する手順としては、
- 「ファイル」をクリックする
- 「保存」または「別名で保存」をクリックする
- ファイル形式を「Adobe Illustrator(ai)」に変更
- ファイル名を指定して「保存」をクリックする
上記の通りです。
これでAiファイルを新規作成し、編集したファイルを保存することができます。
選択ツールで図形の移動や変形を行う
Illustratorの選択ツールを使うことで、作成した図形の移動や変形を行うことができます。
選択状態のオブジェクトは青い枠に囲まれて表示され、端にある白い四角をドラッグすれば図形を拡大・縮小することが可能です。
テキストツールで文字を挿入する
Illustratorではテキストツールを使うことで簡単に文字を挿入することが可能です。テキストツールを選択して画面上でクリックすればテキストを入力することができます。
また、パス上文字ツールを使うことで、パスの上に沿ったテキストを入力することが可能です。
テキストツールで挿入したテキストのフォントやサイズ変更はプロパティパネルで行えます。
下記のAdobe公式動画でもIllustratorのテキストツールについて解説されていたので、こちらもぜひ参考にしてください。
ペンツールで自由にパスを描く
Illustratorのペンツールを使うことで、自由にパスを描くことができます。
ペンツールでパスを描く手順
- クリックして点を打つ
- 2つ目の点を打つと点と点の間に線が引かれる
- 点を打つ際にドラッグすると曲線になる
- Shiftキーを押すと角度を固定できる
- Enterまたはescキーで確定
シンプルなツールではありますが、ペンツールのみでイラストを描くこともできるので覚えておきましょう。
ペンツールの使い方に関しては下記のYouTube動画でも解説されていたので、こちらもぜひ参考にしてください。
ブラシツールで直感的に描画する
Illustratorのブラシツールは、ペイントのようにマウスやペンタブを使って直感的に絵を書くことができます。ただしIllustratorではベクター画像を取り扱うため、ブラシに関してもパスとして描かれるような形です。
ブラシツールと似たツールに塗りブラシツールというものがあり、塗りブラシツールでは下記のようなパスが描かれます。
特に初心者の場合には塗りブラシツールを使ったほうが直感的に絵を書くことができるので、ぜひ試してみてください。
シェイプツールで図形を描く
Illustratorのシェイプツールはクリックとドラッグで四角や丸などの図形を描くことができるツールです。Shiftキーを押したままドラッグすることで、正方形と正円を維持したまま大きさを変更できます。
シェイプツールには、
- 長方形ツール
- 楕円形ツール
- 多角形ツール
- スターツール
- 直線ツール
の5種類が用意されています。
シェイプツールだけでもイラストを作成できるので、シンプルなイラストを描きたいと考えている人はぜひトライしてみてください。
シェイプ形成ツールで図形の結合・消去を行う
Illustratorのシェイプ形成ツールは複数のパスオブジェクトを結合したり消去したりできる便利ツールです。
パスを結合する方法はいくつかの種類がありますが、シェイプ形成ツールは直感的な操作で行えるのがメリットとなります。オブジェクトの重なった部分をドラッグするだけで、簡単にオブジェクトを結合することが可能です。
アイコンやロゴ制作でも複数の図形を組み合わせて作ることが多いので、シェイプ形成ツールに関してもぜひ覚えておいてください。
下記のYouTube動画でシェイプ形成ツールを使ってイラストを描く方法が解説されていたので、こちらも要チェックです。
グラデーションツールで色の変更を行う
Illustratorのグラデーションツールは美しいグラデーションを簡単に作成することが可能です。オブジェクトを選択した状態でグラデーションツールを選び、ドラッグすればグラデーションが適用されます。
グラデーションの色を変更することで、好きな色のグラデーションに変更可能です。グラデーションバーの色をダブルクリックすれば好きな色に変更することができるので、こちらも試してみてください。
Illustratorのグラデーションツールの使い方については下記のYouTube動画でも解説されていました。
Illustratorの値段・価格
プラン | 月額(税込) |
---|---|
Illustrator単体プラン | 2,728円 |
Adobe CCコンプリートプラン | 6,480円 |
Illustratorの値段・価格について上記の表にまとめました。現在はIllustratorに買い切り版は存在せず、月額で利用するサブスクリプション形式となっています。
Illustratorだけを使いたい場合には単体プランがおすすめですが、Photoshopなど複数のツールを使いたい人はAdobe CCコンプリートプランの方がお得です。
あなたがどのツールを使うかによって、購入プランを検討するのがよいでしょう。
Illustratorに関するよくある質問
Illustratorをこれから使い始める方からいただく、よくある質問に回答しました。
ここからそれぞれの質問について詳しく解説していきます。
Illustratorにアプリ版はある?
IllustratorにはiOSやAndroidで利用できるアプリ版が用意されています。特にiPadなどのタブレット端末ではスタイラスペンが利用できるため、直感的にイラストを描きたい人にはおすすめです。
Illustratorのアプリは、Illustratorを含むサブスクリプションを契約していれば追加料金なしで利用することができます。
また月額1,080円(税込)を払えばアプリのみでも利用できるため、スマホやタブレットでIllustratorを使いたい人はチェックしてみてください。
Illustratorに買い切り版はある?
現在、Illustratorは買い切り版の販売を終了しています。旧バージョンのIllustratorであれば買い切り版が存在しますが、最新OSではツールが起動しないので注意が必要です。
Illustratorは現在月額制のサブスクリプション販売のみですが、追加でツールを購入しなくても最新の機能が使えるのがメリットだと言えます。
これからIllustratorを使いたいと考えているのであれば、サブスクリプションでの購入を検討してみてください。
Illustratorを無料で使うことはできる?
Illustratorには7日間の無料トライアル期間が設けられています。Illustratorの全機能を7日間お試しで利用できるため、まずはトライアル期間にツールの操作性を確かめるのがおすすめです。
ただし無料トライアルである7日間を過ぎると自動的に有料版に切り替わってしまうため、解約する場合には7日以内に行うようにしてください。
Illustratorの基本についてまとめ
ここまでIllustratorの基本機能と使い方について初心者向けに解説してきました。Illustratorはプロ向けのグラフィックデザインツールとなっており、チラシやポスター、ロゴ、イラストを作成するのに必須のツールです。
最初は操作するのが難しいと感じるかもしれませんが、デザインの仕事を行う場合にはIllustratorが使えることが条件になっていることがほとんど。
ぜひ本記事の内容も参考にしていただき、Illustratorの使い方を覚えてみましょう。
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