手軽にゲーム開発を始めたいと考えている人にとって、無料で使えるゲームエンジンであるUnityは候補の一つとなるプラットフォームです。
本記事では、Unityの無料プランでできることや利用条件について解説します。
また、Unity以外で無料で使えるゲームエンジンについても紹介しているので、これからゲーム開発を始める方はぜひ参考にしてください。
Unityとは
Unityは、ゲーム開発に広く利用されているゲームエンジンです。3Dゲームや2Dゲーム、VR/ARコンテンツの制作まで、幅広く対応しています。
無料プランが提供されているため、誰でも気軽にゲーム制作を始められるのも特徴です。
Unityの開発画面は、左からInspectorウィンドウ、Sceneビュー、Gameビュー、Hierarchieウィンドウと並び、下にはProjectウィンドウとConsoleウィンドウで構成されており、直感的に操作できるように設計されています。
また、ノーコードで開発できるVisual Scriptingの機能も備えているため、プログラムが書けない人でも気軽にゲーム制作にチャレンジできます。
Unityで提供されているプラン
Unityは、開発者の用途や規模に応じた複数のプランを提供しています。以下は、2025年4月現在、Unityで提供されているプランの料金表です。
プラン | 料金(税込み) |
Unity Personal | 無料 |
Unity Pro |
|
Unity Enterprise | カスタム価格 |
Unity Industry |
|
引用:Unityプラン
無料で利用できるUnity Personalから、用途に合わせたカスタマイズができるUnity Enterprise、事業利用に特化したUnity Industryまで、さまざまなニーズに対応したプランから、用途に合わせて選択できます。
Unityの無料プランを利用する条件
Unityの無料プランであるUnity Personalは、以下の条件を満たす個人開発者、もしくは小規模企業であれば利用できます。
- 過去1年間の収益が20万米ドル未満
- 調達資金が20万米ドル未満
上記の条件を超える場合は、有料プランであるUnity Pro以上へ移行する必要があります。
それでも、個人の場合はUnity Personalの条件を満たすケースが多いため、基本的には費用をかけずにゲーム開発ができるでしょう。
Unityの無料プランではどこまでできる?
Unityの基本的な機能であれば、無料プランで制限なく利用できます。以下は、Unityの無料プランでできる主なことです。
できること | 説明 |
2D・3Dゲーム開発 | 物理演算やアニメーションなどの機能を使い、2D・3Dゲームを開発可能。 |
商用利用 | 無料プランでも作成したゲームを販売可能。 |
これらのできることについて確認していきましょう。
できること①2D・3Dゲーム開発
Unityでは、2Dゲームから本格的な3Dゲームまで幅広いジャンルのゲームを開発できます。物理演算やアニメーションなど、プロレベルの開発に必要な機能が無料でも利用できるため、初めてゲームを作る方にもおすすめです。
例えば、3Dゲームを作る際は、以下の手順で3D用のテンプレートを開くことで、スムーズに開発を行えます。
- Unty Hubの「プロジェクト」から、「新しいプロジェクト」を選択する
- 「3D」のテンプレートを選択して、「プロジェクトを作成」をクリックする
できること②商用利用
Unityでは、無料プランで作成した作品でも商用利用が認められています。
ただし、Nintendo SwitchやPlayStation、Xboxなどのクローズドプラットフォーム向けにゲームを展開する場合は、Unity Proのサブスクリプションが必要となるため、家庭用ゲーム機向けの開発を検討している場合は注意が必要です。
それでも、無料プランでも個人開発やインディーゲーム制作には十分な機能が提供されているので、開発したゲームを販売したいと考えている方でも安心です。
また、Unityでできることについては、以下の記事で詳しく解説しています。
さらに、Unityのインストール方法やインターフェースについても紹介しているので、これからUnityを使いたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
Unityは無料でアセットも利用できる
Unityでは、ゲーム開発に必要な素材やツールを簡単に入手できる「Asset Store」が用意されています。
Asset Storeでは、有料アセットに加えて無料で利用できるアセットも数多く公開されています。
これらの無料アセットには、キャラクターの3Dモデルや背景素材、エフェクトなど、さまざまな種類があり、開発用途に応じて自由に利用可能です。
そんなAsset Storeは、以下の手順で使用できます。
- UnityのWindowメニューから「Asset Store」を選択する
- Asset Storeのタブが開いたら、「Search online」をクリックする
- 検索窓から使用したいアセットを検索する
- 「Add to My Assets」ボタンをクリックして、アセットをUnityにダウンロードする
一部の無料アセットには機能制限がある場合もありますが、個人開発のレベルでは特に支障はないでしょう。
開発を始めるにあたって、まずは無料アセットを活用して簡単なゲームを作成してみることで、Unityの操作に慣れるとともに、ゲーム開発の全体像をつかむことができます。
Unity以外に無料で使えるゲームエンジン
Unityは無料で使えるとして人気のゲームエンジンですが、そのほかにも無料で利用できるゲームエンジンは複数あります。
以下のゲームエンジンは、Unityのように無料で利用できます。
- Unreal Engine
- Godot
- Open 3D Engine(O3DE)
- Cocos2d-x
- CryEngine
これらの、Unity以外に無料で使えるゲームエンジンの特徴についてみていきましょう。
ゲームエンジン①Unreal Engine
Unreal Engineは、アメリカのEpic Games社が提供するゲームエンジンです。以下の条件に当てはまる場合は、すべての機能を無料で利用できます。
- 収益が100万米ドル未満
- 個人および小規模のビジネス
- 教育者および学校
Unreal Engineを使えば高品質なビジュアルを実現できるため、リアルな3Dゲームや映像制作、VRコンテンツの開発に最適なゲームエンジンといえるでしょう。
ゲームエンジン②Godot
引用:Godot
Godotは、アルゼンチンの開発者が開発した2Dと3Dに対応したオープンソースのゲームエンジンです。
Godotで開発されたプロジェクトは、パソコンやスマートフォン、WebGLで動作します。
また、オープンソースで提供されているため、カスタマイズ性が高いのが特徴です。
さらに、完全無料で利用でき、無料で使うための条件もないため、初心者でも手を出しやすいゲームエンジンといえます。
ゲームエンジン③Open 3D Engine(O3DE)
Open 3D Engine(O3DE)は、Amazon Lumberyardの後継として登場したオープンソースの3Dエンジンです。ゲームだけでなくシミュレーションの開発も行えるのが特徴です。
オープンソースであるため、使用に料金はかかりません。3Dに特化したエンジンなので、3Dゲームを作成したい方に向いています。
ただし、UnityやUnreal Engineと比較して情報が少ないので、参入するには少しハードルが高いでしょう。
ゲームエンジン④Cocos2d-x
引用:Cocos2d-x
Cocos2d-xは、オープンソースで提供されているゲームエンジンで、特に2Dゲーム開発に強みを持っています。複数のOSで動作するクロスプラットフォーム対応を実現しているため、開発したゲームをさまざまな環境で展開できます。
さらに、ライセンス費用が不要かつ、商用利用も無料で可能な点が大きな特徴です。
そのため、コストをかけずに2Dゲームを制作したい開発者にとって、非常に魅力的な選択肢となるでしょう。
また、Cocos2d-xは多くの実績があり、代表的なタイトルとして「モンスターストライク」や「ディズニーツムツム」などの人気ゲームがこのエンジンで開発されています。
ゲームエンジン⑤CryEngine
引用:CryEngine
CryEngineは、ドイツのゲーム開発会社Crytekによって開発されたゲームエンジンです。
VRゲームの開発に強みを持っているため、没入感の高いコンテンツを制作したい開発者にとっては有力な選択肢となります。
利用にあたっては「利用者が支払いたい金額を支払う」という独自の料金モデルを採用しており、開発者は自らの判断で支払い金額を決められるため、実質的に無料で使用することも可能です。
対応OSはWindowsに限られていますが、開発したゲームはPlayStationやXboxといった家庭用ゲーム機にも展開できます。
使用言語はUnityと同じC#のため、Unityを使用したことがある開発者であれば、比較的スムーズに扱えるでしょう。
Unityの使い方を学ぶおすすめの方法
無料プランであるUnityを始めてみようと考えている方は、以下の方法で学習するのがおすすめです。
- 書籍で学ぶ
- チュートリアルで学ぶ
- セミナーで学ぶ
これらの学習方法についてみていきましょう。
学習方法①書籍で学ぶ
書籍は、Unityを基礎から体系的に学習したい方におすすめです。Unityの基本操作やプログラミングの基礎を学べる入門書から、ゲーム開発の実践的なテクニックを解説した専門書までさまざまな種類が出版されています。
書籍で学ぶことのメリットとして、順を追って学習できることや、手元に残る資料としてわからなくなったときに参照できる点が挙げられます。さらに、インターネット環境がなくても学べるため、場所を選ばず勉強できることも利点の一つです。
また、以下の記事では、Unityでおすすめの書籍について解説しています。書籍を使ってUnityの勉強を始めようと考えている方は、ぜひこちらも参考にしてみてください。
学習方法②チュートリアルで学ぶ
Unityの公式サイトには、無料のチュートリアルが多数公開されています。
チュートリアルを見ながら手を動かして学ぶことで、実際の開発フローを体験しながらスキルを習得できます。
また、公式のチュートリアルは無料で利用できるため、コストをかけずに学べる点が魅力です。特に、Unityをインストールしたはよいが、なにから始めたらよいのかわからないという方におすすめです。
学習方法③セミナーで学ぶ
セミナーは、より効率的にUnityを学ぶのにおすすめの方法です。特に、Unityの基本操作を重点的に学びたいなら、Unity基礎セミナーをチェックしてみてください。
Unity基礎セミナーでは、サイコロゲームやダンジョン探索ゲームの制作を通じて、Unityの使い方について学べます。
また、画面操作やツールの説明を初めに受けられるため、Unityに触れたことのない初心者でも安心です。
Unityを効率的に学習したい方は、ぜひUnity基礎セミナーをチェックしてみてください。
セミナー名 | Unity基礎セミナー |
---|---|
運営元 | ProSkilll(プロスキル) |
価格(税込) | 27,500円〜 |
開催期間 | 2日間 |
受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
Unityの無料プランについてのまとめ
今回は、Unityの無料プランについて紹介しました。Unityは、初心者からプロの開発者まで幅広く利用できるゲームエンジンであり、無料プランであるUnity Personalを利用すれば、コストをかけずにゲーム開発を始められます。
Unity Personalの利用には条件がありますが、個人の場合は条件を満たしているケースが多いでしょう。
そのため、無料でゲーム制作を始めたい方は、Unityの導入をぜひ検討してみてください。
