Unityは、無料で利用できるうえ、豊富なアセットが用意されているため、初心者でも手軽に開発を始められる点が魅力です。
本記事では、Unityの基本的な機能やできること、インストール方法など、初心者が押さえておくべきことについて解説します。
Unityの学習を始めたいと考えている初心者は、ぜひ参考にしてください。
Unityとは?
Unityは、Unity Technologiesが提供しているゲームエンジンです。プログラミング言語のC#を使用してさまざまなコンテンツを開発できます。
そんなUnityには、以下のような特徴があります。
- アプリ開発やVR/ARコンテンツの制作
- 豊富なアセットやテンプレート
これらの特徴についてみていきましょう。
特徴①アプリ開発やVR/ARコンテンツの制作
Unityはゲーム開発だけでなく、アプリ開発やVR/ARコンテンツの制作にも活用されています。
そのため、ゲーム業界以外にも教育や医療、建築など、さまざまな分野でも利用されているのが特徴です。。
また、開発したコンテンツは、パソコンやモバイル、ゲーム機などの多様なプラットフォームに対応しているため、一度の開発で複数の環境に展開できる点も大きな魅力です。
特徴②豊富なアセットやテンプレート
Unityには、あらかじめ使える3Dモデルやエフェクト、音素材などの「アセット」や、開発に役立つテンプレートが豊富に用意されています。さらに、アセットやテンプレートは無料で提供されているものも多いことから、気軽に利用できるのも魅力です。
そのため、初心者でも比較的簡単にプロジェクトをスタートできるでしょう。
また、Unityで使用されるC#については、以下の記事で詳しく解説しています。どのようなプログラミング言語か気になるUnity初心者は、ぜひあわせてご覧ください。
Unityでできること
Unityでは、具体的に以下のようなことができます。
- ゲーム開発
- アプリ開発
- VR/AR開発
これらのUnityでできることについてみていきましょう。
できること①ゲーム開発
Unityでは、シンプルな2Dゲームから、高度な3Dゲームまで幅広いゲーム開発が可能です。特に、Unityには物理エンジンが搭載されているため、オブジェクトの重力や衝突判定などの物理演算をシミュレーションできます。
これにより、リアルな挙動をゲーム上で再現可能です。例えば、以下のコードをオブジェクトに付与することで、キーボードの左右キーや A・D キーの入力に応じてオブジェクトを左右に移動させる動きを実装できます。
void Update()
{
float move = Input.GetAxis(“Horizontal”);
transform.Translate(Vector3.right * move * speed * Time.deltaTime);
}
このように、スクリプトを組み合わせていくことで、最終的に一つのゲームとして完成します。
また、直感的に操作できるUIが用意されていることから、初心者でもドラッグ&ドロップでオブジェクトを配置したり、視覚的にゲームを構築したりできるのが特徴です。
個人開発から商業レベルのゲーム制作まで対応できる柔軟性の高さは、Unityの魅力の一つです。
できること②アプリ開発
Unityはゲームアプリの開発だけでなく、業務用アプリの開発にも対応している汎用性の高いゲームエンジンです。
特に、AndroidやiOSといった複数のOSに対応したクロスプラットフォーム開発ができることから、スマートフォン向けのアプリ開発では広く利用されてきます。
また、Unityの公式アセットストアを使えば、3Dモデルや音楽、スクリプトなどの素材を活用できるため、オブジェクトをゼロから作成する手間を省けます。
このように、プログラミング初心者でも手軽にアプリ開発を始められる環境が整っているのもUnityの特徴です。
できること③VR/AR開発
Unityは、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)の開発にも活用されています。Unityを使ったVR/ARの分野別活用事例を以下の表にまとめました。
分野 | 活用事例 | 概要 |
ゲーム | ポケモンGO | 現実世界の風景とゲーム内キャラクターを重ね合わせるAR技術を活用 |
医療 | 手術シミュレーション | VR環境で手術の手順を学び、医師のスキル向上に活用 |
不動産 | VR内覧システム | 物件を訪れなくてもVRを通じて間取りや雰囲気を確認可能 |
このように、Unityはゲーム開発だけでなく、医療や不動産といった、幅広い分野でVR/AR技術を活用したコンテンツ開発に貢献しています。
Unityのインストール方法
Unityを利用するには、Unityをパソコンにインストールする必要があります。Unityのインストール方法についてみていきましょう。
手順①Unity Hubをダウンロードする
初めに、Unity Hubを公式サイトからダウンロードします。検索エンジンで「Unity ダウンロード」と検索し、公式サイトにアクセスしましょう。
サイト内から、お使いのOSに対応したダウンロードリンクをクリックして、インストーラーを取得します。
ダウンロードが完了したら、インストーラーを開いてセットアップを開始してください。画面の指示に従ってインストールを進め、完了したらUnity Hubを起動しましょう。
手順②Unityをインストールする
Unity Hubを開いたら、まずはUnityアカウントでログインする必要があります。アカウントを持っていない場合は「Create account」から、メールアドレスやパスワードを登録し、アカウントを作成してください。
ログイン後、Unity Editorのインストール画面が表示されるので、インストール先のフォルダーを選択し、「Install Unity Editor」をクリックします。
その後、同意画面が表示されるので、「Agree」を選択して進めましょう。
インストールには数分から数十分かかることがあります。完了後、Unity Hub上でインストール済みのUnityが表示されれば、準備は完了です。
これで、Unityを起動し、新しいプロジェクトを作成できるようになります。
初心者が覚えたいUnityのインターフェース
Unityをインストールしたばかりの初心者は、まずインターフェースの使い方を覚えるところから始めましょう。
以下のUnityのインターフェースについて詳しくみていきます。
- Sceneビュー
- Gameビュー
- Hierarchieビュー
- Inspectorビュー
- Projectビュー
- Consoleビュー
インターフェース①Sceneビュー
Sceneビューは、ゲームの開発画面を編集するためのビューです。ここでは、オブジェクトを自由に配置したり、サイズや位置を調整したりできます。
視点の移動や回転、拡大・縮小が可能です。また、ゲーム全体のレイアウトを視覚的に確認しながら作業できるため、初心者でも直感的に扱えます。
インターフェース②Gameビュー
Gameビューは、実際にプレイした際の画面を確認するためのビューです。Sceneビューで編集した内容が、ゲーム実行時にどのように表示されるのかをプレビューできます。
カメラの視点やオブジェクトの動作をチェックしながら開発を進められるため、デバッグ作業には欠かせません。
インターフェース③Hierarchieビュー
Hierarchyビューは、シーン内に配置されているオブジェクトが一覧で表示されるウィンドウです。オブジェクトの階層構造をツリー形式で確認できます。
親子関係を設定することで、特定のオブジェクトに対してグループ化や一括移動などが行えます。シーン管理をスムーズに行うために、初心者でも必ず使いこなしたいビューの一つです。
インターフェース④Inspectorビュー
Inspectorビューは、選択したオブジェクトの詳細な設定をするためのウィンドウです。
オブジェクトの位置や回転、スケールの変更だけでなく、コンポーネントの追加・編集も行えます。
キャラクターに物理演算を適用したり、マテリアルを変更して見た目を調整したりも可能です。
インターフェース⑤Projectビュー
Projectビューは、プロジェクト内のアセットを管理するウィンドウです。アセットがフォルダごとに整理されており、ここからオブジェクトに適用できます。
また、検索窓から指定のファイルをサーチしたり、ファイルの追加や削除をしたりも可能です。
インターフェース⑥Consoleビュー
Consoleビューは、ゲームを実行した際のエラーメッセージやデバッグ情報を確認できるウィンドウです。スクリプトのエラーや警告メッセージが表示されるため、プログラムの不具合を特定しやすくなります。
ゲーム開発では、バグを早期に発見し修正することが重要なため、Consoleビューの活用は欠かせません。
Unity初心者向けの基本操作一覧
Unity初心者がまず押さえておきたい操作は、以下のとおりです。
- 視点の移動
- 視点の回転
- ズームイン/ズームアウト
- オブジェクトの移動
- オブジェクトの回転
- オブジェクトの拡大/縮小
これらの初心者が覚えたい操作方法についてみていきましょう。
基本操作①視点の移動
シーン内の視点を移動するには、マウスの中ボタンを押しながらドラッグします。これにより、カメラの位置を変更しながら自由にシーンを確認できます。
基本操作②視点の回転
右クリックを押しながらマウスを動かすことで、カメラの向きを自由に変えられます。
また、「Alt」キーを押しながら左クリックで画面をドラッグすると、ピボットポイントを中心に視点を回転させることが可能です。
基本操作③ズームイン/ズームアウト
シーン内の特定の部分を拡大・縮小したい場合は、マウスホイールを前後に回転させることでズームイン・ズームアウトができます。
細かい作業を行う際には、適宜ズームを活用すると効率的に編集できます。
基本操作④オブジェクトの移動
移動したいオブジェクトを選択し、「W」キーを押すと移動ツールが表示されます。その状態で、シーンビューに表示される矢印をドラッグすると、各軸に沿って移動ができます。
基本操作⑤オブジェクトの回転
オブジェクトを回転させるには、回転させたいオブジェクトを選択し、「E」キーを押しましょう。
すると、回転ツールが表示されるので、シーンビュー内で円形のガイドをドラッグすると、各軸に沿ってオブジェクトを回転できます。
基本操作⑥オブジェクトの拡大/縮小
オブジェクトのサイズを変更するには、対象のオブジェクトを選択し、「R」キーを押しましょう。
すると、拡大・縮小ツールが表示されるので、各方向のハンドルをドラッグすることでオブジェクトの大きさを変更できます。
なお、「Shift」キーを押しながら操作すると、均等に拡大・縮小が可能です。
また、Unityの使い方を一から学びたいなら、公式のチュートリアルを活用するのがおすすめです。以下の記事では、Unityのおすすめチュートリアルについて紹介しています。
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Unity初心者についてのまとめ
今回は、Unity初心者に向けてできることや、基本的な使い方について解説しました。
Unityを活用すれば、2D・3Dゲームの制作はもちろん、VR/AR技術を取り入れたコンテンツ開発も可能になります。
また、豊富なアセットを活用すれば、プログラミング初心者でもスムーズに開発を進められます。まずはUnityをインストールし、基本操作を身につけることから始めてみましょう。
