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【2024】VRとは?仕組みや活用事例、サービス開発方法の基礎を解説

ビジネスでVRを活用して、素晴らしい顧客体験を提供したいけれど、どのように取り入れれば良いかわからないと悩んでいませんか?このような悩みは、VRの仕組みや開発手法を理解することで解決できます。なぜなら、誰でもVRサービスが作れるためです。

今回はVRサービスを実現するために知っておきたいVRの基礎について解説します。この記事を読めば、VRを理解できてサービス開発に取り組めるようになるため、ぜひ参考にしてみてください。

VRとは

VRとは

まずは、VRについて解説します。VRの仕組みを理解しておけば、VRサービスの開発手法がわかるようになるため学んでおきましょう。

VRの意味

VR(Virtual Reality)とは「仮想現実」を意味しており、VRゴーグルを通して現実に近い体験が得られる技術を指します。

VRを活用すれば、コンピュータで作成した3D映像・音声の世界を仮想空間で体験できるようになります。 

1950年頃にVRの研究が開始され、1990年代に世界でVRが浸透し始めました。そして、2016年3月にMicrosoft社がVRゴーグル「HoloLens」が販売開始されるなど、さまざまな企業でVR製品が販売されてVRが普及し始めました。

ゲームやライブなどエンターテイメント業界が先行してVRコンテンツを提供していましたが、ビジネスの場でも使われるようになってきています。

VRの仕組み

VRゴーグルを通して仮想空間でリアルのような体験ができますが、両眼視差を利用して実現しています。

両眼視差とは、右目と左目で見える像の位置や方向におけるズレのことをいいます。右目と左目から得られる情報を脳が処理することで、奥行きが知覚されるようになるのです。

VRゴーグルには、右側と左側に2枚のディスプレイを搭載しており、両眼視差が起きるように映像を映し出しています。このような仕組みで、現実に近い体験ができるようになっているのです。

VRとARとMRの違い

VRと混合されやすい専門用語として「AR」と「MR」があります。そのため、3つの違いを理解しておきましょう。

  VR MR AR
イメージ VR MR AR
意味 仮想現実 複合現実 拡張現実
特徴 VRゴーグルを装着して仮想空間を体験できる 透明のメガネを装着して、現実空間に情報を表示する スマホの画面上で現実世界に仮想の情報を表示させる
活用例 職業トレーニング

観光体験

データ表示 部屋に家具を配置するなどのシミュレーションアプリ

VRを体験するために必要なもの3つ

VRを体験するために必要なもの3つ

VRを体験するためには、主に「VRゴーグル」「コントローラー」「コンテンツ」が必要になります。

1.VRゴーグル

VRゴーグルは臨場感あふれる3D映像が楽しめる映像装置です。

VRゴーグルは3種類あります。 

  • スタンドアロン型:VRゴーグル単体で3D映像を楽しめる装置 
  • PC・ゲーム機接続型:PCのスペックを活かして臨場感・没入感のある映像が楽しめる装置
  • スマホ取り付け型:スマートフォンの画面をVRディスプレイとして利用する装置 

3種類のゴーグルの比較表を見ながら「どれぐらい臨場感や没入感を求めたいか?」「周辺装置を用意できるか?」など目的に見合うものを選びましょう。 

  スタンドアロン型 PC・ゲーム機接続型 スマホ取付け型
必要な周辺機器 なし あり なし
臨場感・没入感 ×
手軽さ ×
対応サービス数
本体価格 普通 高い 安い
サービス例 Meta Quest2 PlayStation VR2 DMMスターターセット

2.コントローラーやリモコン

VRコントローラー(またはリモコン)は、VR空間で多様な操作を可能にするために必要な装置です。一般的には、VR空間にある物を持ち上げたり、移動したりするために使います。手や指の動きと同調しているため、臨場感・没入感が楽しめます。

3.コンテンツ

VRを楽しむためには、コンテンツが必要になります。コンテンツには2種類あり、コンテンツの作り方が異なります。

実写VRコンテンツ

実写VRコンテンツとは、360度撮影が可能なカメラで撮影して、動画として編集したコンテンツをいいます。ビジネス分野では、実店舗をカメラで撮影してバーチャルショップを作ったり、部屋をカメラで撮影してVR内見サービスを作ったりする際に使われています。

CGVRコンテンツ

CGVRコンテンツとは、CG技術で現実世界には存在しない空間を表現したコンテンツをいいます。ビジネス分野では、教育や研修で使われることが多いです。

VRをビジネスで活用するメリット

VRをビジネスで活用するメリット

VRをビジネスで活用すると5つのメリットが得られます。

メリット1.リアルな空間を体験できる

1つ目は、現実と遜色のないほど再現性が高いリアルな空間を体験できることです。現実には存在しない空間を仮想空間で体験できることが魅力となっています。

例えば、建築分野では、設計図を3D映像にして生活導線や広さを、建築前に確認してもらうために利用されるようになってきました。観光分野では、失われた遺跡を散策できるツアーを作ることが可能です。

このように現実には存在しないものを仮想空間で実現できれば、幅広いサービスが提供できるようになります。

メリット2.顧客体験を充実させられる

2つ目はVRサービスを提供すれば、顧客体験を充実させられることです。

例えば、小売分野ではVRコマースが注目を浴びてきています。VRコマースとは、仮想空間にオープンさせる3Dストアです。3Dストアを開店させれば、遠方で店舗に遊びに来られないお客様も、リアル店舗で買い物しているかのような体験ができます。

このように、VR技術を活用して顧客体験を追求したビジネス展開ができることも魅力となっています。

メリット3.注目の技術で話題を集められる

3つ目は、VR技術を活用して新サービスを提供すれば、話題性を集められることです。なぜなら、VRサービスは2016年頃からエンターテイメントで利用され始めてきたためです。ビジネス分野では普及している状況とは言えません。このような状況でVRサービスを提供すれば、話題を集められるでしょう。

メリット4.繰り返し体験できる

4つ目は、VR技術で教育コンテンツを作れば繰り返し学習できるようになることです。

例えば、医療機関の研修は、医療機器や患者役など事前準備が大変です。このような悩みは、VR教育に移行すれば解決できます。なぜなら、VR上で現場シミュレーションが行えるようになるためです。そして、何度も繰り返し学習できるため人材育成を強化できます。

メリット5.指定の場所に移動せずに済む

5つ目は、VRゴーグルを通して現実に近い体験が得られるため、指定の場所に移動せずに済むことです。

例えば、不動産の内見で何件も部屋を見学すると時間がかかります。また、交通費がかかってしまいます。お客様も何件も見学すると負担に感じてしまうでしょう。このような悩みをVRで解決できます。

VR内見サービスを利用すれば、店舗内で気になる物件の広さ、間取りを体験できるようになります。このように、指定の場所に移動せずに済むこともVRの魅力です。

VRのビジネス活用事例

ビジネス分野でのVR活用事例には、以下のようなものがあります。

観光業界

観光業界では、臨場感ある観光体験サービスを提供する会社が増えてきています。VRを活用すれば、仮想空間上に再現した観光地を歩き回ることができるため、自宅にいながら旅行気分が味わえます。そのため、外国人の誘致などを目的としてサービス開発されていることが多いです。 

JNTO日本政府観光客は、世界の人々に日本の魅力を伝えるため、360°VR動画を制作しました。日本の文化や観光地、伝統工芸を仮想空間で楽しめる観光コンテンツとして話題を集めています。

医療業界


医療業界では、医師が執刀する手術を体験できるVRコンテンツなど教育サービスが普及し始めています。世界各刻の医師が執刀する手術データを共有すれば、医師の技術の向上に役立てられます。 

近年、話題を集めている医療分野向けVRサービスが「JOLLY GOOD!」です。
公益社団法人中小企業研究センターのグッドカンパニー対象(2022年度)を受賞しました。

JOLLY GOOD!とは、院内研修向けのVRサービスです。医療機関の院内研修は、医療機器や患者など準備が大変です。また、教育者も患者対応しながら教育しなければいけません
このような研修における悩みを解決できる教育サービスとなっています。

不動産業界


不動産業界では、物件の入居希望者にVRゴーグルを装着してもらい、その場で内見してもらう動きが出てきました。内見VRサービスを提供すれば、物件に出向かなくても、部屋の広さや生活導線、日当たりを確認できます。気になる物件を気軽に内見できるようになり、顧客満足度を上げられます。 

内見サービスを導入したい場合は「どこでもかんたんVR」がおすすめです。パノラマカメラで部屋を撮影して、アップロードするだけで内見サービスを提供できるようになります。

お客様には、スマホをVRゴーグル代わりに使用してもらうため導入コストも抑えられます。現在、話題を集めているサービスです。

VRサービスを開発する方法

VRサービスを開発する方法

VRの魅力に触れてVRサービスを開発したいと思った方は、開発方法を覚えておきましょう。ここでは、VRサービスの開発方法を簡単に解説します。

VR開発環境構築の必要なものを用意する

まずは、VRコンテンツを制作するための環境を構築します。 

PC VRコンテンツを制作できるスペック

  • CPU:Core17
  • メモリ:16GB以上
  • Cドライブの容量:240GB以上
  • ストレージ:SSD
  • GPU:60fps以上

※VR対応と推奨されたPCも販売されている

撮影装置 360°カメラ
ソフト VRコンテンツを制作するソフトウェア

例:Unity、Unreal Engine、Fusion360

プログラミング言語 高度な3D映像を制作するために必要なプログラミング言語

例:C#、java Script

VR装置 コンテンツを視聴するための出力装置

例:VRゴーグル、関連装置

VR専用のコンテンツを制作していく

実写VRコンテンツかCGVRコンテンツかで制作手順が異なります。

実写VRコンテンツ

360°カメラで撮影した映像を編集ソフトでつなぎ合わせていく 

CGVRコンテンツ

ゲームエンジンを活用して、3D映像を制作していく

CGVRコンテンツを制作する場合は、ゲームエンジンに関する知識が必要になります。

Fusion360でVRコンテンツを制作したい方は、下記の記事を参考にしてみてください。

関連記事:『Fusion360でVR用のデータをつくる方法

VR専用コンテンツをアップロードして公開する

VR専用のコンテンツを制作したらアップロードして公開します。

VRコンテンツに対応しているSNSFacebook(Meta)YouTubeです。簡単にアップロードできます。

また、PCにVRコンテンツを保存しておき、PCとVRゴーグルを有線で接続して視聴することも可能です。

VRの市場規模からみる今後の可能性

ビジネス分野におけるVR活用は、今後も増えると予測されています。

富士キメラ総研『AR/VR関連市場の将来展望 2023』によると、2021年度の市場規模は3,511億円と発表されました。ゲーム機器に接続して楽しめるPC・ゲーム機接続型がコアユーザーから支持を集めています。また単独で楽しめるスタンドアロン型がライトユーザーから支持を集めている状況です。

VRゴーグルが低価格化されれば、より需要が見込めると予想されており、2030年の市場は2兆4,639億円となっています。この調査結果からわかるように、今後もビジネス分野でVRが活用されていくことがわかります。

VRについてまとめ

VRとは「仮想現実」を意味しており、VRゴーグルを通して現実に近い体験が得られる技術を指します。VRサービスを実現すれば、顧客体験を充実させられ話題を集めることができます。

VRサービスを実現するためには、コンテンツ制作スキルが必要です。今後、ビジネス分野では、VR利用が増えると予測されています。そのため、この記事でVRに興味を持った方は、これを機会に3Dコンテンツ制作スキルを習得してみてください。以下の研修では、Fusion360のスキルが磨けます。興味がある方はセミナーを受講してみてください。

>>短期集中学習で確実にスキルアップ Fusion 360入門セミナーはコチラ

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