画像編集として有名なPhotoshopですが、搭載された機能やツールを使用すればイラスト制作としても利用できます。
実際にプロのクリエイターもイラスト制作として利用していることが多く、初心者でも本格的な作品を作れます。
しかし、Photoshopに詳しくない方は「どのようにイラスト制作をすればいいのかわからない」という悩みもあるでしょう。
結論からいうと、Photoshopでイラスト制作をすることは可能です。
当記事では、Photoshopでイラスト制作をする方法を詳しく解説します。
記事後半ではイラスト制作に利用できるブラシについても紹介するので、ぜひ参考にご覧ください。
Photoshopでイラスト制作はできる?
Photoshopでは、機能やツールを使用すれば自由にイラスト制作できます。
Adobeから展開しているソフトとして「Illustrator」をイラスト制作に利用されることが多いですが、Photoshopでも同様の機能やツールを利用できます。
また、インターネットからブラシをダウンロードすることで、アニメ風のイラストなどを制作することも可能です。
Photoshopでイラスト制作をするための教本やチュートリアルも豊富に用意されているため、勉強をしながら好みのイラストに仕上げられます。
本格的なイラスト制作には学習とスキルを必要としますが、初心者でも操作をするなかで具体的なやり方を身につけていけるでしょう。
参考記事:
レイヤーについて
Photoshopでイラスト制作をおこなうときは、レイヤーの概念を理解しておく必要があります。
レイヤーとは、透明なフィルムのようなもので画像やテキストを配置して重ね合わせるものです。
例えば背景に森の画像レイヤーを配置して、上にテキストや動物のレイヤーを重ねることで複雑なデザインに仕上げられます。
イラスト制作においても各パーツに分けてレイヤーを作成するため、配置を変更する際にはレイヤーによって管理しなければいけません。
レイヤーはPhotoshopのレイヤーパネルから自由に追加・削除ができるので、操作をしながら慣れていくことが大切です。
Photoshopのワークスペースについて
Photoshopのワークスペースとは、パネルやバー、ウィンドウなどの要素を表示するものです。
Photoshopから新規ファイルや画像を作成すると、自動的にワークスペースが作成されます。
カスタマイズしたPhotoshopのファイルを保存しておけば、自分が使いやすいワークスペースを構成できます。
Photoshopのメニューバーから「新規ワークスペース」を選択することで、ワークスペースを追加することも可能です。
イラスト制作はワークスペース上で実施するため、作業台のような役割があると理解しておきましょう。
参考記事:
Photoshopのイラスト制作に便利なツール
Photoshopには、イラスト制作に便利なツールが豊富にあります。
こちらでは、イラスト制作に利用できるツールの詳細や特徴について詳しく説明します。
それぞれの特徴をすぐに理解したい方は、以下の表も合わせてご覧ください。
ツール | 特徴 |
ブラシツール | ブラシの形状に合わせて自由な描画ができる |
消しゴムツール | ドラッグした部分を透明ピクセルに変更できる |
ペンツール | アンカーポイントの点と線で形作れる |
移動ツール | 選択した対象物の位置を移動できる |
なげなわツール | ドラッグして選択範囲を指定できる |
塗りつぶしツール | 指定した範囲を描画色もしくはパターンの色で塗りつぶせる |
ぼかしツール | 選択した範囲をぼかせる |
ブラシツール
ブラシツールは、ブラシの形状に合わせて自由な描画ができるツールです。
ブラシは、形状だけでなくサイズや種類、硬さなどを好みに合わせて調整できます。
クリック&ドラッグによって直感的な操作ができるため、細かなイラスト制作にも便利です。
ブラシはインターネットから新しいものをダウンロードでき、Photoshopにインストールすれば利用できます。
イラスト制作にはブラシツールが欠かせないので、初心者からプロまで重要なツールです。
消しゴムツール
消しゴムツールは、ドラッグした部分を透明ピクセルに変更できるツールです。
消しゴムはサイズを調整できるため、消去したい範囲に合わせて変更できます。
オプションバーから「不透明度」を調整すれば、部分的に薄く消去することも可能です。
また、消しゴムツールはブラシツールと同じ種類から選択できます。
イラスト制作では修正が必要になることも多いので、不要な部分を消去したいときは消しゴムツールを利用しましょう。
ペンツール
ペンツールは、アンカーポイントの点と線で形作れる描画ツールです。
直線や曲線を引くことができ、アンカーポイントの数を増やせば図形も作成可能です。
また、対象物の切り抜きにも利用できるため、ペンツールで囲むことで切り抜けます。
ペンツールは豊富な種類があるので、使い分けることでイラスト制作に活用できます。
滑らかな線によってイラスト制作をしたいときは、ペンツールを利用しましょう。
移動ツール
移動ツールは、選択した対象物の位置を移動できるツールです。
移動したい対象物をクリックして、ドラッグすれば自由に位置を移動できます。
イラスト制作をしてから位置を変更することも多いため、移動ツールを利用すれば調整可能です。
対象物の位置を移動したいときは、移動ツールを利用しましょう。
なげなわツール
なげなわツールは、ドラッグして選択範囲を指定できるツールです。
対象物をドラッグしながら囲むことで、大まかな選択範囲を簡単に指定できます。
複雑な範囲でも選択できるため、対象物の形状に関係なく利用可能です。
画像の切り抜きにも利用できるので、幅広い用途で使用できます。
イラスト制作時に大まかな選択範囲を指定したいときは、なげなわツールを利用しましょう。
塗りつぶしツール
塗りつぶしツールは、指定した範囲を描画色もしくはパターンの色で塗りつぶせるツールです。
クリックしたピクセルとカラー値の近い領域を塗りつぶせるため、イラストの色を塗るときに便利です。
1クリックで指定した色を濡れるので、イラスト制作の作業効率も向上します。
不透明度や許容値を設定すれば、対象物に合わせて塗りつぶせます。
イラストの下塗りやパーツ分けをするときは、塗りつぶしツールを利用しましょう。
ぼかしツール
ぼかしツールは、選択した範囲をぼかせるツールです。
ドラッグをしながら対象物をなぞれば、部分的にぼかしを加えられます。
イラストの色塗りをおこなうときに利用すれば、複雑な色を加えながら制作できます。
イラストにぼかし効果を加えたいときは、ぼかしツールを利用しましょう。
Photoshopでイラスト制作をするときの準備
Photoshopでイラスト制作をするときは、事前準備が必要です。
事前準備にはイラスト制作用のワークスペースを作成し、作業台を構築します。
ワークスペースの作成方法として、以下のステップでおこなってください。
ステップ①Photoshopのアプリケーションを開く
ステップ②左項目から「新規作成」をクリックする
ステップ③作成したいサイズのテンプレートを選択して右項目の下部にある「作成」をクリックする
以上の手順で、イラスト制作のワークスペースを作成できます。
新規作成をした場合、幅や高さ、解像度などを自由に調整可能です。
カラーモードを選択するときは、印刷用なら「CMYK」、Web用なら「RGB」を選択しましょう。
Photoshopでイラスト制作をする手順
こちらでは、Photoshopでイラスト制作をする基本的な手順について解説します。
あくまで1つの手順となるため、作業工程は人によって少し異なります。
イラスト制作をするときは、基本的に以下の手順で進みます。
- 新規レイヤーを作成
- ブラシツールで下書きを作成
- レイヤーの不透明度を下げる
- 新たな新規レイヤーを作成してベース色を塗る
- 各パーツによって色分けをしていく
- 細かい部分を描いていく
- レイヤーモードを使用して影を描く
- 仕上げに明るさや色調補正をおこなう
- イラスト制作が完了したら上部「ファイル」メニューから「別名で保存」をクリックする
- 「JPEG」もしくは「PNG」のファイル形式で保存する
以上の手順で、イラストを制作していきます。
レイヤーモードにある「乗算」や「スクリーン」、「オーバーレイ」などをレイヤーに使用することで、全体の色味を調整できます。
イラストを「別名で保存」することで、作業用のPSDデータを保持できます。
イラスト制作については、以下の参考動画も合わせてご覧ください。
Photoshopのイラスト制作に利用できるショートカットキー
Photoshopでイラスト制作をするときは、作業効率を向上できるショートカットキーを覚えておきましょう。
ショートカットキーとは、複数のキーを同時押しすることで特定の動作をおこなえる機能です。
ショートカットキーを覚えておけば、キーを押すだけで簡単に操作できるようになります。
イラスト制作に利用できるショートカットキーを表にしてまとめたので、ぜひチェックしておいてください。
ショートカットキー | 機能 |
「B」キー | ブラシツール |
「E」キー | 消しゴムツール |
ブラシツールを選択した状態で「キーもしくは」キー | ブラシサイズの変更 |
「Shift」+「F5」キー | 塗りつぶし |
「Space」キー | 手のひらツール |
「Command」キー+「Z」キー、「Ctrl」キー+「Z」キー | 1つ前に戻る |
Photoshopのイラスト制作に利用できるブラシ3選
Photoshopのイラスト制作に利用できるブラシとして、以下のような3つがあります。
- Photoshop Brushes
- brushes for photoshop
- JONAS DE RO BRUSHES
それぞれの詳細や特徴について説明するので、ぜひ新しいブラシのインストールを検討してください。
1.Photoshop Brushes
Photoshop Brushesは、sakimichanが作成したブラシのフリー素材です。
デジタルペイントに便利なブラシプリセットが揃っており、本格的なイラスト制作ができます。
ダウンロードページでは実際に作成されたイラストも掲載されており、2次元のキャラクターが描かれています。
まるでゲームやアニメのようなイラストが制作できるため、重宝したいブラシの1つです。
2.brushes for photoshop
brushes for photoshopは、RaV89が作成したブラシのフリー素材です。
Photoshop Brushesと同じくデジタルペイント向けに作成されたブラシとなっており、イラスト制作に向いています。
背景シーンの植物を描くことにも向いており、植物系のブラシも豊富に用意されています。
イラストだけでなく背景も本格的に仕上げたいなら、こちらのブラシをインストールしておきましょう。
3.JONAS DE RO BRUSHES
JONAS DE RO BRUSHESは、JONAS DE ROが作成したブラシ素材です。
厚塗りや美麗塗りなどリアルなイラスト制作に便利なブラシが揃っているため、実用性が高いです。
ブラシ82種類をセットにして配布しているので、1つあれば幅広い作業に活用できます。
世界中のプロがクリエイターの現場で利用しており、本格的なイラスト制作をしたい方には欠かせません。
Photoshopでイラスト制作についてまとめ
今回は、Photoshopでイラスト制作をする方法を詳しく解説しました。
Photoshopにはイラスト制作に利用できる機能やツールが豊富にあるため、使いこなせば初心者でも手軽に利用できます。
インターネットからブラシをダウンロードすれば、アニメ風のイラストを描くことも可能です。
ぜひ当記事で紹介したツールやイラスト制作の手順を参考に、イラスト制作をはじめてみましょう。