Photoshopで特定の部分を強調したり、見せたくないところがあったりするときはぼかしを入れる必要があります。しかし、Photoshopを利用している方は「どのようにして画像にぼかしを入れればいいのかわからない」という悩みもあるでしょう。
当記事では、Photoshopで画像にぼかしを入れる方法について詳しく解説します。
記事後半では画像にぼかしを入れられないときの原因についても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
Photoshopのぼかし機能とは
Photoshopのぼかし機能は、その名の通り画像にぼかしを入れられる機能です。
ぼかしツールでぼかしを入れたい部分に反映すると、通常時に比べて見えづらくなります。
ぼかしは全体だけでなく部分的にも入れられるので、強調したい部分のみを目立たせられます。
また、オプションバーから数値を調整することで、ぼかしの強弱を自由に変更可能です。
画像にぼかしを入れる方法は難しいと思われがちですが、機能を駆使すれば初心者でも簡単にできます。画像編集の内容によってはぼかしが必要になることもあるため、Photoshopでは覚えておくべき方法の1つとなっています。
Photoshopの基本についてはこちらの記事でも解説しています。
Photoshopでぼかしを使う目的
画像にぼかしを入れるときは、人によってさまざまな目的があります。
例えば著作権や法令順守の問題から見せられないコンテンツがあった場合、ぼかしを入れることで全体的な表示を隠しています。
また、背景が目立ちすぎて被写体が注目されないときも、背景にぼかしを入れて目立たせることが多いです。さらに画像の遠近感を出したいときは、遠くのものをぼかすことで近くのものにピントを入れられます。
このようにPhotoshopでぼかしを使えば、目的に合わせた表現を演出できます。
Photoshopでぼかしを入れるときのツール・機能
Photoshopでぼかしを入れるときは、以下のようなツール・機能を利用します。
ツール・機能 | 特徴 |
ぼかしツール | ブラシをなぞってぼかしを入れられる |
ぼかしフィルタ | さまざまなかたちにぼかしを入れられる |
スマートフィルタ | スマートオブジェクトに変換することで使用できる |
それぞれのツール・機能の特徴についてはこちらの表をご覧ください。
ぼかしツール
ぼかしツールは、ブラシを使ってなぞることで画像にぼかしを入れられるツールです。
オプションバーからサイズや強さを変更し、ドラッグによって画像をなぞるとぼかしを入れられます。
オプションバーにある「全レイヤーを対象」にチェックを入れると、全てのレイヤーにぼかしを反映できます。「全レイヤーを対象」にチェックが入っていなければ、アクティブレイヤーのみぼかしを反映可能です。
部分的に細かくぼかしを入れたいときは、ぼかしツールの利用をおすすめします。
ぼかしフィルタ
ぼかしフィルタは、さまざまなかたちで画像にぼかしを入れられる機能です。ぼかしフィルタには通常のぼかしをはじめ、ガウスやシェイプ、ボックス、レンズなどの効果があります。
ぼかしフィルタの種類によってさまざまなぼかしを入れられるため、画像に合わせて使い分けられます。ぼかしフィルタを使うときは選択ツールでぼかしたい範囲を指定して、メニューバーにある「フィルター」から「ぼかし」を選択すれば完了です。
画像によってぼかしの入れ方を変更したいときは、ぼかしフィルタの利用をおすすめします。
スマートフィルタ
スマートフィルタは、スマートオブジェクトに変換することで使用できる機能です。
スマートフィルタは対象レイヤーに効果をかけるのではなく、スマートオブジェクトにかけるので反映後の調整ができます。
スマートフィルタを使うときは、背景レイヤーを右クリックして「スマートオブジェクトに変換」をクリックします。そして選択ツールでぼかしを入れたい部分を囲み、メニューバーにあるフィルタから「ぼかし」を選択してください。
するとレイヤーパネルに「スマートフィルター」という項目が追加されるので、目玉アイコンをクリックすることでぼかし効果を非表示できます。あとで画像のぼかしを修正したり削除したりするときは、スマートフィルタの機能をうまく利用しましょう。
Photoshopで画像にぼかしを入れる4つの方法
Photoshopで画像にぼかしを入れるときは、以下の4つの方法があります。
- 画像全体をぼかす方法
- 画像の一部をぼかす方法
- 画像の背景をぼかす方法
- 画像の境界線をぼかす方法
それでは順番に説明していきます。
1.画像全体をぼかす方法
まずは画像全体をぼかす方法について解説します。
レイヤーをぼかすときは、事前にスマートオブジェクト化しておくことで劣化を防げます。
レイヤーのスマートオブジェクト化するときは、レイヤーを右クリックして「スマートオブジェクトに変換」を選択すれば完了です。画像全体をぼかすときは、以下の手順でおこなってください。
ステップ①レイヤーを選択
Photoshopの右項目からレイヤーパネルを開き、ぼかしたい画像のレイヤーを選択します。
ステップ②フィルターメニューから「ぼかし(ガウス)」を選択
次にPhotoshop上部のフィルターメニューを開いて「ぼかし(ガウス)」を選択します。
ステップ③「半径」の数値を設定
「ぼかし(ガウス)」のダイアログが開いたら、下部にある「半径」の数値を設定します。
この数値が高いほど、画像のぼかしは強調されて見えづらくなります。
以上で画像全体にぼかしをかけられます。
難しい手順はないので、Photoshopで画像全体をぼかしたいときは試してみましょう。
2.画像の一部をぼかす方法
続いて、画像の一部をぼかす方法を紹介します。
画像の一部をぼかすときは「ぼかしツール」を使うことで、細かくぼかしを入れられます。
画像の一部をぼかす場合、レイヤーのスマートオブジェクト上では「ぼかしツール」を使用できません。画像の一部をぼかすときは、以下の手順でおこなってください。
ステップ①「ぼかしツール」を選択する
Photoshopの左項目のツールメニューから、水のマークのような「ぼかしツール」を選択します。
ステップ②オプションバーからサイズや強さを変更する
ぼかしツールのオプションバーにある円形のアイコンをクリックして、ぼかしを入れるサイズや強さを変更します。
ステップ③ぼかしたい部分をなぞる
そしてぼかしツールをドラッグしながら、画像のぼかしたい部分をなぞります。
以上です。画像の一部をぼかすときは「選択ツール」でぼかしたい部分を選択し、フィルターメニューから「ぼかし」を選択してもできます。
ほかにもさまざまな方法があるので、状況に合わせてぼかしを使いこなしましょう。
3.画像の背景をぼかす方法
画像に遠近感を出したいときは、背景をぼかす方法が最適です。
背景をぼかすことで、見せたい部分にピントを合わせて目立たせられます。
画像の背景をぼかすときは、以下の手順でおこなってください。
ステップ①レイヤーを右クリックして「レイヤーを複製」を選択する
Photoshop右項目のレイヤーパネルから、画像レイヤーを右クリックして「レイヤーを複製」を選択します。
ステップ②一番上のレイヤーを選択して「レイヤーマスク」をクリックする
複製したレイヤーを選択して、レイヤーパネルの下部にある「レイヤーマスク」をクリックします。
ステップ③白いサムネイルをダブルクリックする
次に複製したレイヤーの右にある白いサムネイルをダブルクリックします。
ステップ④「被写体を選択」をクリックする
Photoshopの上部にあるオプションバーの「被写体を選択」をクリックします。
ステップ⑤「オブジェクト選択ツール」をクリックする
そして小窓で出てくるツールから「オブジェクト選択ツール」をクリックします。
ステップ⑥範囲指定をして「OK」をクリックする
オブジェクト選択ツールで画像の範囲指定をしたら、右項目の下部にある「OK」をクリックします。
ステップ⑦レイヤーを反転させる
ショートカットキーの「command」キーと「I」キーを同時押しすることで、レイヤーを反転させられます。
Windowsのパソコンを使用している場合は「Ctrl」キーと「I」キーを同時押ししてください。
ステップ⑧フィルターメニューから「ぼかし(レンズ)」を選択する
上部のフィルターメニューを開いて「ぼかし(レンズ)」を選択します。
ステップ⑨「半径」の数値を調整する
右項目の「半径」の数値をドラッグして、ぼかしの雰囲気を調整します。
ステップ⑩「OK」をクリックする
ぼかしの設定を完了後、下部にある「OK」をクリックします。
ぼかし(レンズ)から半径の数値を調整すれば、ぼかし具合を調整可能です。
以上で、Photoshopで画像の背景をぼかすことができます。
画像を綺麗にぼかしたいときは、下記動画も参考にご覧ください。
4.画像の境界線をぼかす方法
Photoshopでは、画像を切り出すことで境界線をぼかせます。
境界線をぼかすときは「多角形選択ツール」や「なげなわツール」、「ペンツール」などを使うことで実行できます。
こちらでは、多角形選択ツールを使って画像の境界線をぼかす方法について紹介します。
画像の境界線をぼかすときは、以下の手順でおこなってください。
ステップ①「多角形選択ツール」で選択範囲を設定する
まずPhotoshopの左項目のツールから「多角形選択ツール」を選択して、ぼかしをかけたくない選択範囲を設定します。
ステップ②選択範囲メニューから「選択範囲を変更」を選択する
上部の選択範囲メニューを開いて「選択範囲を変更」を選択します。
ステップ③「境界線をぼかす」を選択する
「選択範囲を変更」にある「境界線をぼかす」を選択します。
ステップ④ぼかしの半径で数値を設定する
「境界をぼかす」のダイアログが表示されたら、ぼかしの半径で数値を設定します。
ステップ⑤「OK」をクリックする
ぼかしの半径を設定したら「OK」をクリックします。
ステップ⑥レイヤーパネルから「レイヤーマスク」をクリックする
右項目のレイヤーパネルから、下部にある「レイヤーマスク」をクリックします。ぼかしの半径は数値を高くすると、範囲が広くなっていきます。
以上です。
選択範囲の境界線をぼかすことで、SNSのアイコン作成にも利用できます。
Photoshopの画像の境界線をぼかしたいときは、こちらの方法を試してみましょう。
また、Photoshopで画像を切り抜く際は下記記事も参考にしてください。
Photoshopのぼかし以外の技術も会得するなら
Photoshopでぼかし以外の高度な技術も会得するなら、講座やセミナーがおすすめです。
Photoshopのスクールだと20万〜40万以上するものもありますが、2・3日で終わる講座なら比較的安いです。
Photoshop基礎セミナーなら、27,500円(税込)から学べてぼかし以外にもたくさんの技術を学ぶことができます。
Photoshopで画像にぼかしを入れられないときの原因
Photoshopで画像にぼかしを入れられないときは、以下のような原因が考えられます。
- ブラシの強さが0%になっている
- レイヤーがロックされている
設定や画像の状態によってはぼかしを入れられないこともあるので、ぜひチェックしておいてください。
ブラシの強さが0%になっている
Photoshopで画像のぼかしをするときは、ブラシの強さが0%になっていないかチェックしなければいけません。ブラシの強さは0%から100%までの数値があり、高くなるほどぼかしをかけられます。
しかし、数値が0%になっているとぼかしが反映されないので、そのままの状態となります。
そのため画像にぼかしをかけるときは、ブラシの強さが0%になっていないか一度チェックしてみましょう。
レイヤーがロックされている
Photoshopの背景レイヤーにぼかしをかける場合、鍵がついている状態では反映できません。
レイヤーがロックされているときは編集を加えられないので、レイヤーパネルから鍵アイコンをクリックして解除が必要です。
レイヤーのロックを外すときは、右クリックをして「背景からレイヤーへ」を選択しても解除できます。
背景レイヤーにぼかしを入れるときは、事前にロックの解除をしておくようにしましょう。
Photoshopのぼかしに関するよくある質問
最後に、Photoshopのぼかしに関するよくある質問を回答していきます。
ぼかしの疑問を解消するためにも、ぜひ参考にご覧ください。
画像にぼかしを入れたあとに修正を加えたいときは、事前にレイヤーにスマートオブジェクトをかけましょう。スマートオブジェクトをかけるときは、レイヤーを右クリックして「スマートオブジェクトに変換」をクリックすれば完了です。スマートオブジェクトに変換すれば、画像にぼかしをかけたあとに元の状態に戻したり修正を加えたりできます。すでにぼかしをかけてしまったときは、1つ前の状態に戻すかバックアップから復元しましょう。
Photoshopで2つの画像を配置し、透明になるグラデーションを使えば組み合わせることができます。例えば鳥と山の画像を配置して、上になる鳥にレイヤーマスクを作成して透明度を上げれば組み合わせられます。ぼかしとは少し方法が異なりますが、レイヤーマスクを活用することで複数の画像を組み合わせることが可能です。
ぼかしフィルタにはさまざまな種類がありますが、わかりやすいぼかしを入れたいときは「ぼかし(ガウス)」がおすすめです。こちらを反映させることで、画像が見えづらいぼかしをかけられます。また、ぼかしフィルタにある「ぼかし(シェイプ)」を利用すれば、動物や物のかたちにぼかしをかけられます。ぼかしの強さや半径の数値を高くすれば、画像が見えづらいぼかしになるので試してください。
Photoshopのぼかしについてまとめ
今回は、Photoshopで画像にぼかしを入れる方法について詳しく解説しました。
画像にぼかしをかければ、被写体を強調したり著作権のあるものを隠したりできます。
また、ぼかしを入れるときは、ぼかしツールやぼかしフィルタ、スマートフィルタなどを使うことで求めるかたちに仕上げられます。ぜひ当記事で紹介したぼかしを入れる方法を試し、画像にぼかしを入れてみてください。
Photoshopのぼかしテクニックはさまざまな使い道があるので、使いこなすためにも理解しておきましょう。