Photoshopのレイヤーマスクは、人物や動物、物などを切り抜くときに便利な機能です。
使い方を理解しておけば、画像編集をするときに作業効率が向上します。
実際にプロのクリエイターもレイヤーマスクを活用しており、さまざまな成果物を作成しています。
しかし、Photoshopに詳しくない方は「レイヤーマスクの使い道がわからない」、「レイヤーマスクの作成方法がわからないといった悩みもあるでしょう。
当記事では、レイヤーマスクの詳細から利用するメリット、使い方まで詳しく解説します。
レイヤーマスクを使いこなす方法を理解できるので、ぜひ参考にご覧ください。
Photoshopのレイヤーマスクとは
Photoshopのレイヤーマスクとは、画像の一部を隠すときに利用する機能です。
画像の上に見える部分と見えない部分を設定することで、必要な部分のみを表示できます。
レイヤーマスクは白黒で塗り分けられており、白く塗った部分は表示されて黒く塗った部分は隠されます。
50%のグレー色で塗った場合、半透明にすることが可能です。
シンプルなものから複雑なものまで幅広い形に対応しているため、画像の切り抜きとして利用されます。
データが少し重くなる点はデメリットですが、元の画像データに影響を与えず編集できるのでプロの現場でも重宝される機能です。
レイヤーマスクの詳細については、以下の参考動画も合わせてご覧ください。
レイヤーマスクの機能
レイヤーマスクを利用するときは、一部を表示したい画像と背景画像の2種類を用意します。
そして一部を表示したい画像レイヤーにレイヤーマスクを追加して、背景画像に反映させる表示範囲を指定します。
レイヤーマスクを使用するには、一部を表示したい画像を前面に持っていくことが大切です。
レイヤーの順番を間違えるとレイヤーマスクによって表示範囲を間違えてしまいます。
レイヤーパネルでは、レイヤーマスクが追加されたレイヤーの右側に白黒で表示されています。
レイヤーと同じく表示・非表示、拡大・縮小といった動きが可能です。
参考記事：
クリッピングマスクとの違い
レイヤーマスクと類似する機能として、クリッピングマスクがあります。
クリッピングマスクとは、2枚以上のレイヤーを使用して作成するマスク機能です。
マスクしたい形状のオブジェクトを画像レイヤーの下に持っていき、上の画像レイヤーにクリッピングマスクをかけることで使用できます。
レイヤーマスクとの主な違いはレイヤーの表示方法にあり、クリッピングマスクは簡易的な機能となっています。
好みの形状に合わせて画像を切り抜きたいときは、クリッピングマスクを使いましょう。
参考記事：
Photoshopでレイヤーマスクを利用するメリット
Photoshopでレイヤーマスクを利用するメリットとして、以下の3点があります。
- いつでも修正できる
- 編集がしやすい
- 直感的に操作できる
それでは順番に説明します。
1.いつでも修正できる
レイヤーマスクは画像データに影響を与えないため、いつでも修正できます。
画像レイヤーにマスクをかけて隠しているだけなので、元の画像データは保持されたままになります。
消しゴムツールを使った場合、画像データに反映されるので一度保存してしまうと修正ができません。
現場では提出後に修正依頼を出されることもあり、元の画像データが戻せなくなると困ってしまいます。
レイヤーマスクなら画像レイヤーを隠しているだけなので、必要なタイミングでいつでも修正可能です。
複数人で作業をおこなう現場において、レイヤーマスクを利用するメリットは大きいでしょう。
2.編集がしやすい
レイヤーマスクは画像データに影響を与えないので、初心者でも画像編集がしやすいです。
もし編集が失敗しても元の状態へと戻せるため、失敗を恐れず気軽に利用できます。
また、グラデーションのレイヤーマスクを作成すれば、画像の色が徐々に移り変わるような編集が可能です。
プロパティパネルから「濃度」や「ぼかし」を調整することもでき、使い勝手が良い機能となっています。
そのため編集がしやすい点も、レイヤーマスクの良いメリットといえます。
3.直感的に操作できる
画像レイヤーに追加レイヤーマスクは、必要に応じて直感的な操作ができます。
対象のレイヤーに合わせて表示・非表示、拡大・縮小といった操作が可能です。
また、レイヤーマスクのサムネイルをクリックすれば、塗りつぶし内容や描画モード、不透明度などを調整可能です。
移動ツールや選択ツールを使って位置を変更することもできるため、初心者でも直感的に操作できる点は優れたメリットといえるでしょう。
Photoshopでレイヤーマスクを作成する方法
Photoshopでレイヤーマスクを作成する方法は、とくに難しい工程を必要としません。
画像レイヤーを用意すれば簡単に利用できるため、初心者でも作成方法に悩むことはないでしょう。
Photoshopでレイヤーマスクを作成するときは、以下のステップでおこなってください。
ステップ①Photoshopのアプリケーションを開く
Photoshopのアプリケーションを開きます。
ステップ②画像ファイルを開く
Photoshopの左側にある「開く」から画像ファイルを開きます。
ステップ③レイヤーパネルから背景レイヤーを右クリックして「背景からレイヤーへ」を選択する
右側のレイヤーパネルから背景レイヤーを右クリックして「背景からレイヤーへ」を選択します。
ステップ④画像レイヤーを選択しながら下部にある「レイヤーマスクを追加」をクリックする
画像レイヤーを選択しながら、下部にある「レイヤーマスクを追加」をクリックすれば完了です。
以上の手順で、レイヤーマスクを作成できます。
レイヤーマスクを作成するときは、画像を「背景」からレイヤーに変更しておく必要があります。
画像レイヤーの右側にレイヤーマスクパネルが表示されていれば、問題なく追加されています。
Photoshopでレイヤーマスクを削除する方法
Photoshopでレイヤーマスクを削除するときは、いくつかの方法があります。
基本的にはレイヤーパネルから、レイヤーマスクをゴミ箱へドラッグ＆ドロップすれば削除可能です。
ほかにはレイヤーマスクのサムネイルを選択した状態で、キーボードの「Delete」をクリックすれば削除できます。
レイヤーマスクのサムネイルを右クリックして「レイヤーマスクを削除」を選択しても、同じく削除できます。
直感的にレイヤーマスクを削除したいときは、ドラッグ＆ドロップの方法がおすすめです。
Photoshopでレイヤーマスクを一時無効にする方法
Photoshopでは、レイヤーマスクを一時的に無効化する方法もあります。
一時的に無効にすれば、レイヤーマスクを必要なタイミングで反映できます。
レイヤーマスクを一時無効にするときは、レイヤーパネルからレイヤーマスクのサムネイルを「Shift」キーで選択しながらクリックすれば完了です。
レイヤーマスクの一時無効を戻したいときは、再度「Shift」キーで選択しながらクリックしてください。
レイヤーマスクの削除と同じく難しい手順はないため、実際に操作しながら覚えていきましょう、
Photoshopでレイヤーマスクを合成する方法
Photoshopのレイヤーマスクは、画像の合成として利用する方法もあります。
合成するときはすでに切り抜かれている画像と背景画像の2つ用意して、レイヤーマスクを追加すれば簡単の編集可能です。
レイヤーマスクを合成するときは、以下の方法でおこなってください。
ステップ①Photoshopで切り抜かれた画像と背景画像のファイル2つを配置する
Photoshopのワークスペースに切り抜かれた画像と背景画像のファイル2つを配置します。
ステップ②切り抜かれた画像を合成させたい部分に移動する
左側のツールバーから「移動ツール」を選択して、切り抜かれた画像を合成させたい部分に移動します。
ステップ③ツールバーから「選択ツール」を選択して合成箇所を指定する
左側のツールバーから「選択ツール」を選択して、合成箇所を指定します。
ステップ④上部「選択範囲」メニューから「選択範囲を反転」を選択する
上部「選択範囲」メニューにマウスカーソルを合わせて「選択範囲を反転」を選択します。
ステップ⑤切り抜かれた画像にレイヤーマスクを作成する
左側のレイヤーパネルから切り抜かれた画像を選択して、下部にあるレイヤーマスクをクリックして作成します。
以上の手順で、レイヤーマスクを合成できます。
選択範囲を指定した状態でレイヤーマスクを作成すると、選択範囲の部分は白、選択範囲以外の部分は黒に塗りつぶされています。
レイヤーマスクのリンクアイコンをクリックして解除すれば、切り抜かれた画像のサイズを調整可能です。
Photoshopでレイヤーマスクを作成できない原因
Photoshopでレイヤーマスクを作成できないときは、以下のような原因が考えられます。
- レイヤーを選択していない
- 複数のレイヤーを選択している
- レイヤーがロックされている
それでは詳しく解説します。
レイヤーを選択していない
レイヤーを選択していない状態では、レイヤーマスクを追加することができません。
レイヤーを選択するときは、レイヤーパネルから対象のレイヤーをクリックしてください。
そしてレイヤーパネル下部の「レイヤーマスクを追加」ボタンをクリックすれば完了です。
レイヤーが「背景」になっているとレイヤーマスクを追加することはできないので、必ず「画像」レイヤーにしてから反映させるようにしましょう。
複数のレイヤーを選択している
複数のレイヤーを選択している場合、レイヤーマスクを追加することができなくなります。
ただし、レイヤーをフォルダとして格納しておけば、レイヤーマスクを追加することが可能です。
レイヤーの管理もしやすくなるため、複数のレイヤーにレイヤーマスクを追加したいときに便利です。
レイヤーがロックされている
レイヤーがロックされている場合、レイヤーマスクを追加できなくなります。
レイヤーの右側に南京錠のようなアイコンが表示されていると、ロックされていることを表しています。
レイヤーのロックを解除するときは、南京錠のアイコンをクリックすれば完了です。
レイヤーのロックは編集を加えたくないときには便利ですが、レイヤーマスクを追加するときは解除しておきましょう。
Photoshopのレイヤーマスクについてまとめ
今回は、レイヤーマスクの詳細から利用するメリット、使い方まで詳しく解説しました。
レイヤーマスクをレイヤーに追加すれば、画像の一部を隠して表示できます。
画像の切り抜きをするときにも便利なので、使い方を理解しておけば作業効率は大きく向上します。
また、修正や編集のしやすさや直感的な操作にも、レイヤーマスクのメリットはあります。
ぜひ当記事で紹介したレイヤーマスクのノウハウをもとに、Photoshopで画像編集に役立ててください。
