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【2024】Illustratorでトンボを使う方法!やり方や手順

Illustratorで制作したイラストは、印刷所に入稿して、紙に印刷することもあるでしょう。その時に考えなければならないのは、トンボです。トンボによって断裁位置を指定することで、綺麗な印刷ができます。トンボがなければ、きちんと印刷できない可能性が高いです。

では今回は、Illustratorのトンボはどのようにして入れるのか、具体的な方法やコツについて解説していきます。

印刷位置の基準となるIllustratorのトンボ

印刷位置の基準となるIllustratorのトンボ

Illustratorのトンボとは、印刷する際に使用する目印です。図面の四隅にあるL字型の記号と、上下左右にあるT字型の記号をまとめて、トンボと呼びます。
T字型の記号が虫のトンボに似ているため、印刷業界ではトンボと呼ばれることが多いですが、Illustratorではトリムマークという名前が使われています。トンボとトリムマークに、名前以外の違いは特にありません。

用語 意味
トンボ 図面の四隅にあるL字型の記号と、上下左右にあるT字型の記号をまとめたもの
断裁位置 トンボの内側にある線
塗り足し位置 トンボの外側にある線

断裁位置と塗り足し位置がある

Illustratorのトンボは、基本的に2本の線がセットになっています。内側にある線は、断裁位置を示すものです。印刷した場合、その位置を基準に紙の端が切り落とされます。外側にある線は、塗り足し位置を表しています。Illustratorでデザインを制作する場合、断裁位置よりも外側まで線を伸ばして、塗り足し位置のところもまで色を塗るのが基本です。

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Illustratorでトンボを設定する方法

それでは、Illustratorでトンボを設定する方法を、詳しく解説していきます。

新規作成で断ち落としを設定

新規作成で断ち落としを設定

まずは、「ファイル」から「新規」を選び、ドキュメントを作成しましょう。ドキュメント用の、設定画面が開くはずです。任意のサイズを選んだ後に、「裁ち落とし」欄で天地左右全てを3mmに設定してください。標準で3mmになっていれば特に問題ありません。そうすると、端から3mmのところで裁断されます。Illustratorに限らず、印刷業界では裁ち落としの幅は3mmが基準となっています。そのため、3mm以外に設定する意味は特にありません。

長方形ツールを作成

長方形ツールを作成

トンボの基準となるオブジェクトを、長方形ツールを使って作成します。左側のメニューから長方形ツールを選んで、アートボードと同じサイズに広げてください。設定したサイズと同じ数値を、ツールの幅と高さに入力するのが確実です。その後、アピアランスウィンドウから、塗りと線を「なし」に設定します。

トリムマークを作成

トリムマークを作成

作成した長方形を選択した状態で、「オブジェクト」メニューから「トリムマークを作成」を選んでください。そうすると、長方形を基準にしたトンボができあがります。Illustratorのバージョンによっては、「フィルタ」メニューから「クリエイト」「トリムマーク」や、「効果」メニューから「オブジェクト」「アピアランスを分割」を選択する方法となるので注意しましょう。

PDFに書き出しをする場合

PDFに書き出しをする場合

Illustratorで作成したデザインは、PDF形式に書き出してから入稿する場合もあります。その場合、Illustrator上でトンボを設定する必要はありません。PDFに書き出すタイミングで、トンボを設定します。まずは「別名で保存」を選び、保存用のウィンドウを開きましょう。そして、PDFを選択すると、PDF用の設定ウィンドウが開きます。そこにある「トンボと裁ち落とし」メニューを選び、「トンボ」にチェックマークを入れましょう。その後、天地左右をそれぞれ3mmにし、「OK」を押せばトンボ付きのPDFが完成します。

もっと詳しいIllustratorの使い方はこちらの記事も参考にしてください。

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Illustratorでトンボを使用するメリットとは

Illustratorでトンボを使用するメリットとは

Illustratorで、なぜトンボが必要なのかわからないという人も多いのではないでしょうか。そこで、Illustratorでトンボを設定するメリットについて解説していきます。

余白ができてしまうのを防げる

印刷所で印刷する場合、サイズの大きな紙に印刷した後、端を断裁するという流れが基本です。A4やB5など、サイズが決まっている紙に印刷するわけではありません。
なぜそのような手法を取るかというと、縁までしっかり印刷された状態を作るためです。その、端まで印刷された状態を作れるのが、トンボのメリットです。印刷後に断裁されるのは、トンボの内側にある断裁位置の部分です。
それよりも外側、塗り足し位置までしっかり線を伸ばして色を塗っていると、余白ができてしまうのを防げます。

両面印刷をする際のずれを防げる

チラシの作成時など、両面印刷をする際には、表と裏でずれが発生してしまうかもしれません。ずれがある状態で、表面を基準に断裁すると、裏側の大事な部分が切り落とされてしまう恐れがあります。その表裏のずれを防げるのも、トンボのメリットです。表面の作成時に使用したトンボを反転させて、裏面の作成に使用するだけで、簡単にずれは防げます。

版ずれがないかを判断できる

Illustratorで、カラーをCMYKに設定する場合、版ずれが発生する恐れがあります。CMYKは、4つの色を組み合わせることで、多種多様な色を表現できる仕組みです。しかし、版ずれが発生すると、一部の色、あるいは4色全部が異なる位置で印刷されてしまい、ぼやけているように見えてしまいます。ただ、あえてぼやけているようなデザインを作ることもあるため、版ずれなのかデザインなのか、印刷所のスタッフには判断ができません。その版ずれの有無を確認できるのも、トンボのメリットです。トンボのL字型やT字型は、CMYKの4色を、あえて重ならないように使ったデザインになっています。そのため、色と色の間に余白があったり、色が重なったりしていれば、版ずれが起こっているとわかるわけです。

Illustratorでトンボを使う時のコツ

Illustratorでトンボを使う時のコツ

Illustratorで、トンボを上手に使うためには、いくつかコツがあります。そのコツをご紹介していきます。

トンボは独立したレイヤーに作る

Illustratorのトンボは、どのようなレイヤーにも設定することができます。ただ、デザインのレイアウトと同じレイヤーに設定してしまうと、扱いにくくなってしまいます。そのため、原則としてトンボは、独立したレイヤーに設定しましょう。役割が似ている、ガイドと同じレイヤーにトンボを設定しようと考える人がいるかもしれません。けれど、トンボとガイドは役割が異なるので、分けておいた方が無難です。

トンボのレイヤーは最前面に配置してロック

トンボは、他のオブジェクトに隠れてしまってはいけません。トンボが隠れていると、位置調整が分かりにくく、入稿後に修正を求められる恐れがあります。そのため、トンボを設定しているレイヤーは、最前列に配置するようにしましょう。そして、設定後に誤って動かしてしまわないよう、レイヤー自体にロックをかけておくことも大切です。

効果のトリムマークは使わない

Illustratorのトンボは、「効果」メニューから「トリムマーク」を選ぶ方法でも作れます。ただ、その方法で作ったトンボは、オブジェクトのサイズに追従するのが特徴です。オブジェクトのサイズを変更すれば、トンボの位置も変わってしまいます。そのため、印刷位置の指定には使うことができません。よって、この方法は使わないようにしましょう。

Illustratorで印刷する際には必須のトンボ

Illustratorで作成したデザインを、WEB上で公開するなど、データ形式のみで使用するのであれば、トンボは特に必要ありません。しかし、印刷する場合はほぼ必須です。
トンボなしでデザインを入稿できることは、まずないと考えておきましょう。そのため、印刷する予定のデータを作成するのであれば、最初にトンボを設定しておいてください。後から設定するのは、手間がかかります。

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