3Dモデリングに利用できるソフトウェアを探しているなかで「Meshmixer」に興味をお持ちの方もいるでしょう。しかし、無料で利用できるのか、自分の目的に合う機能が備わっているのかがよくわからないとお悩みの人もいるはずです。
そこでこの記事では、Meshmixerの概要や導入方法についてわかりやすくまとめました。
導入してできることや日本語版のダウンロード方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
Meshmixerとは
Meshmixer(メッシュミキサー)は、無料で使える3Dモデリングソフトです。
3Dモデルの修正・編集に対応しており、ソフト名のとおりメッシュデータの組み合わせや調整を得意とします。
また、Meshmixerはエンジニア向けのソフトウェアを提供しているAutodesk社の3Dモデリングソフトです。次のようなソフトとの相性がよく、3Dモデルを3Dプリントする前の仕上げとして利用する人も少なくありません。
- Autodesk Fusion
- 3ds Max
無料でありながら豊富な機能が備わっていることから、ソフト単体で利用する人もいます。
また、3Dモデリングとはどのようなことを指すのか、その概要から知りたいという方は以下の記事がおすすめです。
Meshmixerでできること
Meshmixerは、3Dモデリングのなかでも、修正・編集に強いソフトウェアです。
Meshmixerが得意とする項目について、具体的にできることを3つ紹介します。
メッシュのクリーニング
Meshmixerでは、凹凸のあるメッシュを均してきれいにする「クリーニング」が可能です。
例えば、写真測量などを活用して作成された3Dモデルは、外側に細かな凹凸があることから、そのままでは3Dモデルとして活用できないのはもちろん、3Dプリントに対応できません。
対してMeshmixerのスカルプトといった機能を活用すれば、まるで彫刻のようにモデルの表面をきれいに均せます。
「形状をきれいに整えたい」「見栄えが悪い箇所を修正したい」という場合にはぜひMeshmixerを活用しましょう。
モデルの結合
Meshmixerでは、同時に複数のモデルを読み込んで、1つのデータに結合することが可能です。
例えば、上画像のように耳や頭などを分けて読み込ませて、1つのデータとして結合できます。
別々のパーツのままだと3Dプリントをする際に切れ込みができてしまう場合があるなど、設定に手間が発生するため、あらかじめMeshmixerでモデルを結合しておくという際に役立ちます。
形状の修正
Meshmixerでは、読み込んだ3Dモデルの形状を自由に調整できるのが特徴です。
例えば上画像のように、押し出しや均し、くぼみなど、さまざまな形状に修正できます。
つまり、もともとの3Dモデルを完全につくり変えるという場合にもMeshmixerが役立ちます。
「3Dモデルのクオリティを高めたい」「気になる部分を細かく調整したい」という場合には、ぜひ形状を修正する機能を使いながらモデリングを実施してください。
Meshmixerの価格情報
Meshmixerは無料で導入できるのが特徴です。
費用をかけずにダウンロードできるのはもちろん、サブスクリプションといった追加費用を支払う必要がありません。
そのためMeshmixerは、予算に問題を抱えている初心者デザイナーにおすすめのソフトウェアです。まずはMeshmixerから導入をスタートし、実務のなかで予算を確保できるようになってから、同じAutodesk社のAutodesk Fusionや3ds Maxへと移行する人もいます。
Meshmixerの商用利用について
Meshmixerは無料でありながら、個人利用・商用利用がともに許可されています。
制作した3Dモデルの販売や業務への利用が可能ですので、業務用としてダウンロードできるのが魅力です。
ただし、Autodesk社が提供している有料の他3Dモデリングソフトと比べると、機能が少ない分、モデルのクオリティに劣る点に注意しなければなりません。無料であるがゆえにクオリティの限界があることを理解したうえで導入しましょう。
Meshmixer日本語版のダウンロード方法
Meshmixerの日本語版をダウンロードしたい人向けに、簡単なダウンロード手順を整理しました。画像付きで導入の流れを説明しているので、これから導入を始める方は、ぜひダウンロードしてみてください。
Meshmixerをダウンロードする
まずはAutodesk公式サイトのApp Storeにアクセスして、Meshmixerと検索してください。
すると上画像と同じアイテムページが表示されます。
なお、当ページだと言語の項目が英語となっていますが、日本アカウントで登録しておけば、日本語版のMeshmixerが自動でダウンロードされます。Englishという文字に惑わされないように注意し、右側にあるダウンロードボタンをクリックしましょう。
また、Meshmixerは以下に示すパソコンスペックが必要だと言われています。
OS | Windows10、11(64bit) |
CPU | Intel Core i7 2.9GHz以上 |
RAM | 4GB以上 |
ディスプレイ | 1,920×1,280以上 |
スペックが不足すると、処理が重くなるほかデータの読み込みができない場合もあるので、自身の所有するパソコンスペックが上記の値を満たしているかチェックしてください。もしスペック不足の場合には、新しいパソコンを購入する必要があるかもしれません。
Meshmixerをインストールする
Meshmixerのexeファイルをダウンロードしたら、アイコンをクリックしてインストールを開始しましょう。まずアイコンを開くと上画像と同じ画面が表示されます。
表示されているのは使用許諾・サービス契約に関する同意の内容です。
同意しなければMeshmixerを利用できないため、右下に表示されている「同意してインストール」をクリックしましょう。
すると自動でインストールが始まり、30秒ほどで以下のページが表示されます。
完了をクリックしたら、インストールされたMeshmixerのアイコンを選択して、ソフトを立ち上げてください。すると、もう一度同意画面が表示されます。ここでは左下にある「同意する」をクリックしましょう。
最後に、下画像と同じ操作画面が表示されればインストールの完了です。
簡単な手順でMeshmixerを導入できるので、ぜひチャレンジしてみてください。
またMeshmixerのみならず、ほかの3Dモデリングソフトも比較したいという方は、以下の記事がおすすめです。おすすめのソフトウェアを紹介しています。
Meshmixerの使い方
Meshmixerを導入したけれど、どのように3Dモデルの修正・編集をスタートしていいかわからないとお悩みの人もいるはずです。ここでは、初心者向けに基本的な使い方を紹介します。
Meshmixerにファイルをインポートする
Meshmixerは、すでに完成している3Dモデルがあるという前提で利用する修正・編集のソフトウェアです。まずソフトを起動したら画面左上の「ファイル>開く」もしくは「ファイル>インポート」をクリックしましょう。
なお今回は以下に示すうさぎのモデルをインポートしてみました。
基本的には既存の3Dモデルを調整するのがメインのソフトですが、逆に言えば既存の3Dモデルを別のモデルにつくり変えることが可能です。上記のようにうさぎに角を生やしたり、しっぽを大きくしたりと、自由なモデリングができます。
Meshmixerのデータをエクスポートする
3Dモデルの調整や編集が完了したら、最後にデータをエクスポートすることが可能です。
まずMeshmixerのデータをそのままエクスポートしたい場合には、編集画面左側にある「エクスポート」のボタンをクリックして、以下に示すファイル形式を選択したのちに「保存」をクリックします。
- obj
- dae
- ply
- stl
- amf
- wrl
各種、3Dモデルの汎用的なデータ形式です。
ほかの3Dモデリングソフトでも読み込み・書き出しができるデータですので、相性の良いデータを選んで出力しましょう。
次に、Meshmixerで作成・編集したデータを3Dプリンターで印刷したい場合には、画面左下にある「プリント」をクリックします。あらかじめ3Dプリンターを接続しておかなければ設定はできませんが、プリントする際の条件の調整や設定にも対応できます。
例えば、Autodesk Fusionなどのほかの3Dモデリングソフトで作成したデータをMeshmixerで読み込み、調整したのちに3Dプリントするといった使い方も可能ですので、ぜひ利用してみてください。
また、Meshmixerを含め、どのような3Dモデリングソフトを導入すべきかお悩みなら、CG/空間デザイン/ゲーム開発研究所にご相談ください。目的に合うソフトウェアを無料で提案いたします。
Meshmixerについてまとめ
Autodesk社が提供している無料の3Dモデリングソフト「Meshmixer」は、3Dモデルの修正や編集はもちろん、時間をかければ3Dモデルの作成にも対応できる便利なソフトウェアです。商用利用の可能であるため、個人利用はもちろん、業務にも適用できます。
また、Autodesk社が提供している他の3Dモデリングソフトとの相性も良く、データ作成や調整を連携しやすいのが魅力です。無料から利用できるソフトウェアを探している方は、この機会にMeshmixerを導入してみてはいかがでしょうか。