Photoshopで作成した画像の大きさを変えたいときは、サイズ変更をおこなう必要があります。
画像のサイズを調整すれば小さくしたり、大きくしたりと好みのサイズに変更可能です。
画像のサイズを小さくすればファイルサイズも必然的に小さくなり、保存や共有のときに便利です。
また、解像度も変更できるため、画像の鮮明さを維持したままにできます。
しかし、Photoshopについて詳しくない方は「どのようにして画像のサイズや解像度を変更すればいいのかわからない」という悩みもあるでしょう。
当記事では、Photoshopで画像サイズ・解像度を変更する方法について詳しく解説します。
Photoshopの画像サイズの変更に便利なツール・機能
Photoshopの画像サイズの変更には、以下のようなツール・機能があります。
- 切り抜きツール
- ものさしツール
- スマートオブジェクト
それぞれのツール・機能がどのような使い方ができるのかを説明していきます。
すぐに内容を理解したい方は、下記の表を参考にご覧ください。
ツール・機能 | 特徴 |
切り抜きツール | 画像を好きなかたちに切り抜ける |
ものさしツール | 傾いた画像を修正できる |
スマートオブジェクト | 画像サイズを変更したときの画質の劣化をおさえられる |
切り抜きツール
切り抜きツールは、画像を好きなかたちに切り抜けるツールです。
切り抜きツールのオプションバーには縦横比メニューやサイズ調整できる箇所があり、こちらから設定することで画像のサイズを変更できます。
「Shift」キーを押しながらボックスの角を切り抜けば、画像の縦横比を維持したままにできます。
切り抜きを実行すると、画像のボックス外側は自動的に削除される仕組みです。
画像のサイズを変更するときに外側を削除したくないときは、オプションバーの「コンテンツに応じる」にチェックを入れておきましょう。
参考記事:
ものさしツール
ものさしツールは、角度や距離を計測するときに使うツールです。
オブジェクトの位置を正確に配置するためのツールですが、傾いた画像を修正することも可能です。
画像から水平にしたいポイントを探し、左から右へドラッグして線を引いてオプションバーから「レイヤーの角度補正」をクリックすれば角度を修正できます。
傾きを修正すると余白ができるため、切り抜きツールを使って画像を切り抜けば完了です。
画像サイズを変更する前に角度を修正したいときは、ものさしツールを利用しましょう。
スマートオブジェクト
スマートオブジェクトは、画像を完全に保持するオブジェクトに変換できる機能です。
画像レイヤーをスマートオブジェクトに変換しておけば、画像サイズを変更したときの画質の劣化をおさえられます。
スマートオブジェクトに変換すると元の画像サイズを記録できるため、画質の劣化をおさえることが可能です。
画像サイズを変更するときは画質の劣化が問題になるので、スマートオブジェクト機能は欠かせない機能となっています。
参考記事:
Photoshopで画像サイズの変更に利用できる再サンプルオプション
Photoshopで画像サイズの変更をおこなうときは、再サンプルオプションの設定が必要になります。
こちらの機能を設定することで、画像のサイズに最適なピクセル数の増減を自動調整できます。
それでは、再サンプルオプションの種類について説明していきます。
それぞれの違いを知りたい方は、下記の表も合わせてご覧ください。
再サンプルオプションの種類 | 特徴 |
自動 | 拡大・縮小しているかどうかに基づいて再サンプル方法を選択・実行。 |
ディテールを保持(拡大) | 画像を拡大したときに発生するノイズを軽減。 |
バイキュービック法 – 滑らか(拡大) | 画像を拡大するための優れた方式。滑らかになる。 |
バイキュービック法 – シャープ(縮小) | 画像を縮小するための優れた方式。シャープ化を強化。 |
バイキュービック法(滑らかなグラデーション) | 色調のグラデーションが滑らかになる。 |
ニアレストネイバー法(ハードな輪郭) | 画像を拡大したときに発生するノイズを軽減。 |
バイリニア法 | 標準的な画質にする。 |
自動
自動は、ドキュメントのタイプやドキュメントを拡大・縮小しているかどうかに基づいて再サンプル方法を選択・実行できる設定です。
デフォルトでは自動に設定されており、最も基本的な方式となっています。
ディテールを保持(拡大)
ディテールを保持(拡大)は、画像を拡大したときに発生するノイズを軽減できる設定です。
精度が高く、画像を拡大しても画質の劣化をおさえられます。
バイキュービック法 – 滑らか(拡大)
バイキュービック法 – 滑らか(拡大)は、画像を拡大するための優れた方式です。
画像を拡大しても滑らかになり、画質の荒さを軽減できます。
バイキュービック法 – シャープ(縮小)
バイキュービック法 – シャープ(縮小)は、画像を縮小するための優れた方式です。
画像がシャープになり、視認性が向上します。
再サンプルされた画像もディテールが保持される仕様となっています。
バイキュービック法(滑らかなグラデーション)
バイキュービック法(滑らかなグラデーション)は、色調のグラデーションが滑らかになる方式です。
複雑な計算を使用することから、ほかの方式よりも色調のグラデーションが滑らかで細かな色あいを表現できます。
周辺ピクセルの値の調査に基づき、低速ながら精度が高い方式となっています。
ニアレストネイバー法(ハードな輪郭)
ニアレストネイバー法(ハードな輪郭)は、画像を拡大したときに発生するノイズを軽減できる方式です。
アンチエイリアス処理されていない画像のハードな輪郭が保持されていることから、ファイルサイズが小さくなります。
デメリットとして、画像の変形や拡大・縮小、1 つの選択範囲に対する複数の処理をおこなうと修正部分がギザギザになる可能性が高いです。
高速でありながら、精度は低い方式となっています。
バイリニア法
バイリニア法は、標準的な画質を維持できる方式です。
周辺のピクセルのカラー値を平均し、ピクセルを追加することで標準的な画質を維持します。
Photoshopで画像サイズをスピーディに変更したいときは、以下の参考動画をご覧ください。
Photoshopで画像サイズを変更する方法
こちらでは、画像サイズを変更する基本的な方法について解説します。
画像サイズの変更に難しい手順はなく、数値を入力することで簡単に変更可能です。
画像サイズを変更するときは、以下のステップでおこなってください。
ステップ①画像サイズを変更したい画像を用意する
Photoshopのアプリケーションを起動し、画像サイズを変更する画像ファイルを開きます。
ステップ②上部「イメージ」メニューから「画面解像度」をクリックする
上部「イメージ」メニューにマウスカーソルを合わせて、メニューのなかから「画像解像度」をクリックします。
ステップ③「幅」と「高さ」の数値を入力する
ダイアログが表示されたら、幅と高さの数値を入力します。
ステップ④「OK」をクリックする
好みの画像サイズを入力できたら「OK」をクリックします。
以上の手順で、画像サイズを変更できます。
縦横比を固定した状態にしていれば、幅の数値を入力すれば高さが自動的に変更されます。
Photoshopから一括で画像サイズを変更する方法
複数の画像があるときは、一括で画像サイズを変更することもできます。
一括で画像サイズを変更すれば、Photoshopの作業効率も向上します。
一括で画像サイズを変更するときは、以下のステップでおこなってください。
ステップ①画像サイズを変更したい複数の画像を用意する
Photoshopのアプリケーションを開き、画像サイズを変更したい画像を複数開いてください。
ステップ②上部「ウィンドウ」メニューから「アクション」を選択する
上部「ウィンドウ」メニューにマウスカーソルを合わせて「アクション」を選択します。
ステップ③新規アクションを作成してアクション名を「画像サイズ」にする
アクションパネルを開いたら、下部にある新規アクションを作成します。
ダイアログが表示されるので、アクション名を「画像サイズ」にしてください。
ステップ④上部「ファイル」メニューから作業を開始するフォルダを開く
上部「ファイル」メニューにマウスカーソルを合わせて、複数の画像をまとめているフォルダを開きます。
ステップ⑤画像を1つサイズ変更する(Photoshopで画像サイズを変更する方法と同じ手順)
上部「イメージ」メニューにマウスカーソルを合わせて、メニューのなかから「画像解像度」をクリックします。
サイズ変更した画像は、新しい画像ファイルとして保存してください。
ステップ⑥アクションパネルから四角いボタンを押してアクションの記録を停止する
アクションパネルの下部にある四角いボタンを押してアクションの記録を停止します。
ステップ⑦上部「ファイル」メニューから「自動処理」、「バッチ」をクリックする
上部「ファイル」メニューにマウスカーソルを合わせて「自動処理」、「バッチ」をクリックします。
ステップ⑧「実行したいアクション」で設定したアクションの名前を選択する
ダイアログが表示されたらアクションから、プルダウンで設定したアクションの名前を選択します。
ステップ⑨「ソース」で元データの画像があるフォルダを選択する
ダイアログの「ソース」にある「選択」をクリックして、元データの画像があるフォルダを選択します。
ステップ ⑩「実行後」の枠内でリサイズ後の画像フォルダを登録する
ダイアログの右側にある実行後から「選択」をクリックして、リサイズ後の画像フォルダを登録します。
ステップ⑪「OK」をクリックする
設定を終えたら「OK」をクリックします。
以上の手順で、画像を一括でサイズ変更できます。
少し手順が複雑ですが、複数の画像サイズを変更したいときは利用しましょう。
Photoshopで画像の解像度を変更する方法
Photoshopでは画像サイズと同じく、解像度も変更できます。
画像の解像度を変更することで、より鮮明な画質になります。
画像の解像度を変更するときは、以下のステップでおこなってください。
ステップ①解像度を変更したい画像を用意する
Photoshopのアプリケーションを開き、解像度を変更したい画像を開きます。
ステップ②上部「イメージ」メニューから「画像解像度」を選択する
上部「イメージ」メニューにマウスカーソルを合わせて「画像解像度」を選択します。
ステップ③「再サンプル」の選択を解除しておく
ダイアログが表示されたら「再サンプル」をクリックして選択を解除します。
ステップ④「解像度」の数値を入力する
「解像度」の右側にある数値を入力します。
ステップ⑤「OK」をクリックする
ダイアログの右下にある「OK」をクリックする。
以上の手順で、画像の解像度を変更できます。
基本的には画像のサイズ変更と同じ手順なので、初心者でも簡単に変更可能です。
画像の解像度は元の画像サイズに比例するため、あまり大きな数値を指定しないよう注意しましょう。
Photoshopで画像のカンバスサイズを変更する方法
Photoshopでは、画像のカンバスサイズを変更することもできます。
カンバスサイズを変更することで、編集領域を追加したり減らしたりすることが可能です。
画像のカンバスサイズを変更するときは、以下のステップでおこなってください。
ステップ①編集する画像を開く
Photoshopのアプリケーションを開き、編集する画像を開きます。
ステップ②上部「イメージ」メニューから「カンバスサイズ」を選択する
上部「イメージ」メニューにマウスカーソルを合わせて「カンバスサイズ」を選択します。
ステップ③「幅」と「高さ」に変更したいサイズを入力する
ダイアログが表示されたら「幅」と「高さ」に変更したいサイズを入力します。
ステップ④「OK」をクリックする
設定を終えたら「OK」をクリックします。
以上の手順で、画像のカンバスサイズを変更できます。
ダイアログから「相対」を選択すれば、カンバスサイズの追加や削除の量を指定可能です。
追加するには正しい数値、削除するにはマイナスの数値を入力しましょう。
Photoshopの画像サイズ変更についてまとめ
今回は、Photoshopで画像サイズ・解像度を変更する方法について詳しく解説しました。
画像のサイズや解像度は「イメージ」メニューにある「画像の解像度」から簡単に変更できます。
また、ツールや機能、再サンプルオプションなどを利用することで、好みのかたちに画像サイズを変更可能です。
ぜひ当記事で紹介した画像サイズの変更方法を参考にしながら、最適な大きさにしてみましょう。
