3DCGソフトの中でもMayaは高額だといわれていますが、具体的にどのくらいの費用がかかるのでしょうか。
本記事では、Mayaの価格や安く使う方法を解説します。
類似ソフトとの価格比較も紹介するため、どの3DCGソフトを購入すべきかやMayaとの違いを知りたい方はぜひ参考にしてください。
Mayaとは
Mayaの名称は知っていても、具体的にどのようなソフトウェアなのかは知らない方もいるのではないでしょうか。
はじめにMayaの概要と特徴を解説します。
Mayaはオートデスク社による3DCGソフトで、正式名称は「Autodesk Maya」です。
以前はエイリアス・システムズ社の製品でしたが、2005年10月にオートデスク社に買収され開発元が移りました。
3DCGは「3 Dimensional Computer Graphics」の略称で、3次元空間でのデジタルグラフィックスを指します。
つまり、3DCGソフトは3次元のデータを利用して画像や動画を生成するソフトウェアです。
Mayaは映画並みのエフェクトを作成できることから、ハリウッドなどの現場でも使用されるプロ仕様の3DCGソフトとして知られてます。
具体的には映画、アニメ、ゲーム、テレビ番組、CMなどの制作に使用されているソフトウェアです。
Mayaの主な特徴
Mayaの主な特徴は次のとおりです。
- 強力なアニメーションツールを搭載
- リアルなエフェクトを作成できる
- 直感的に操作できる
- ワークフローを高速化できる
Mayaは強力なアニメーションツールを搭載していて、リアルなキャラクターを作成できます。
キャラクターの細部まで描写できるため、クライアントを納得させられる仕上がりとなるでしょう。
Mayaのプラグインである「Bifrost for Maya」を使用すると、リアルなシミュレーションやエフェクトを作成可能です。
たとえば、リアルな爆発シーンや緑豊かな森なども自由自在に作成できます。
Mayaは直感的に3Dのオブジェクトやシーンを作成できる点も魅力です。
はじめて3DCGソフトを使用する方も操作しやすいため、初心者の方にもおすすめできます。
さらに、Mayaには強力なツールが搭載されており、反復処理を高速化することでワークフローが高速化します。
仕上がりのクオリティとスピード感を両立したい方には、Mayaは特におすすめの3DCGソフトといえるでしょう。
Mayaの価格はいくら?
Mayaにはさまざまプランがあり、プランや契約期間によって価格が異なります。
ここでは、Maya通常版の価格について解説します。
Maya通常盤には、「サブスクリプションプラン」と従量課金制の「Flexプラン」の2つのプランがあります。
サブスクリプションプランの価格
サブスクリプションプランの価格は次のとおりです。
- 858,000円(税込)/3年
- 286,000円(税込)/1年
- 36,300円(税込)/1ヶ月
最も人気なのは1年プランの286,000円(税込)です。
年額で支払うと1ヵ月契約と比較して34%お得となります。
支払方法はクレジットカード・PayPal・銀行振込・コンビニ決済の中から選択可能です。
Flexプランの価格
Flexプランの価格は次のとおりです。
- 42,900円/100トークン(16日分/年)
- 214,500円/500トークン(83日分/年)
- カスタム
年間を通して使用するものの、利用頻度がそこまで高くない方はFlexプランを選択したほうがお得です。
このようにMayaの中でも若干価格が変わるので、自分にとって最適なプランはどれか選んでみましょう。
Mayaと類似ソフトの価格を比較
Mayaは1年間のサブスクリプションプランで286,000円(税込)と高額なため、「手が出せない」と嘆いている方も多いのではないでしょうか。
ここでは、Mayaと類似ソフトの価格を比較します。
ソフト名 | 1年のサブスクリプション価格・買い切り価格 |
Maya | 286,000円(税込) |
Blender | 無料 |
Metasequoia4 | 無料・5,500円〜20,350円(税込) |
Zbrush | 53,240円(税込) |
3ds Max | 286,000円(税込) |
LightWave 2023 | 184,800円(税込) |
それぞれの価格についてもう少し詳しく解説していきます。
Blenderの価格
Blenderは、オープンソースの3DCGソフトです。多彩な編集機能を備えながらも、軽量かつ完全無料で使用できます。
有償ソフトと比較しても遜色ありませんが、日本企業でのシェアは進んでいません。
Metasequoia4の価格
Metasequoia4は、立体形状データを作成するためのポリゴンベースのモデリングに特化したソフトです。
Metasequoia4は無料で使用できますが、ライセンス未登録状態ではいくつかの機能が制限されます。
Standard版のライセンス取得は5,500円(税込)、EX版のライセンス取得は20,350円(税込)です。
Zbrushの価格
Zbrushは、ゲームや映像制作などに使用されるプロ仕様の3DCGソフトです。
ZBrushは、永久版とサブスクリプション版の2つが用意されています。
永久版の価格は137,500円(税込)、サブスクリプション版の価格は53,240円(税込)です。
3ds Maxの価格
3ds Maxは、アニメーションや設計のビジュアライゼーションに使用されることが多い3DCGソフトです。
強力なツールを搭載しており、広がりのあるリアルな3Dデザインを作成できます。
サブスクリプション1年プランの価格は、Mayaと同じ286,000円(税込)です。
LightWave 2023の価格
LightWave 2023は、直感的に操作できる3DCGソフトです。
安く利用できる学生教員版も用意しており、3DCGソフトを初めて使用する方や学生を中心に支持されています。
通常版の価格は184,800円(税込)、学生教員版の価格は47,080円(税込)です。
Mayaを安く使う方法
Mayaは類似ソフトと比較しても、決して安い金額とはいえません。しかし、Mayaにはお得に使う方法が複数存在します。
ここではMayaを安く使う4つの方法を紹介します。
Maya学生版を使う
Mayaでは、学生や教職員向けにMaya学生版を提供しており、Maya学生版の価格は無料です。
Maya学生版の利用期間は3年間ですが、在学中は1年ごとに更新が必要です。
また、3年を過ぎても対象者である場合はライセンスを延長できます。
Maya学生版を利用するためには、行政機関により認定された教育機関に在籍・在学する学生または教員である必要があります。
またMaya学生版ライセンスを申請する際は、定められた情報入力や証明証の提出が必須です。
具体的には、教育機関の正式名称、氏名、現在の学期を示す日付などの入力を求められます。
有効な証明書は、成績証明書、学生証のコピー、学校から発行させた確認書などです。
なお、Maya学生版の商用利用は禁止されています。
Maya Indie版を使う
次の条件に当てはまる場合は、通常版よりもお得なMaya Indie版を利用できます。
- クリエイティブ制作による年間総収入が1,500万円未満
- Mayaを扱うプロジェクトが10万ドル以下
- 1ユーザーまたは1組織につき1本のライセンスのみを使用する
個人クリエーターの場合はほぼ上記の条件に当てはまるため、問題なくMaya Indie版を使用できます。
Maya Indie版に機能制限はないため、条件に当てはまる方は利用しない手はありません。
Maya Indie版の価格は、1年間で49,500円(税込)です。
Maya Creativeを使う
Mayaには、かつて一部機能が制限されたMaya LT版が存在しました。しかし、2022年12月6日をもってMaya LT版の提供は停止されています。
Maya LT版に代わり、手軽に利用できる「Maya Creative」がリリースされました。
Mayaと比較すると一部機能が制限されており、使用用途は限られます。
Maya Creativeは、1日単位で使用できる従量課金制のFlexプランのみを用意しています。
Mayaの6分の1のトークンで購入でき、日本円では1日あたり400円前後です。
Maya無料体験版を使う
Mayaには30日間無料で使用できる体験版があるので、Mayaの操作性を試したい方は、まずはMaya無料体験版を使用することをおすすめします。
無料体験版に使用条件は設けていないため、Mayaを初めて利用する方なら誰でもダウンロード可能です。
先ほど紹介したMaya学生版を使用する場合は、まずは無料体験版をダウンロードする必要があります。
Mayaの無料体験版の内容
Mayaの無料体験版では、30日間のみMayaのフル機能を使用できます。
無料体験版のソフトウェアは一部機能が制限されているケースが多い中、Mayaはすべての機能を制限なく使用できます。
ただし、無料体験版で作った3DCGの商用利用は禁止されているため注意してください。
Mayaの無料体験版は、公式サイトの「無償体験版をダウンロード」からダウンロードできます。
Mayaの価格についてまとめ
Maya通常版の価格は、1年間で286,000円(税込)とほかの3DCGソフトと比較すると少し高額です。しかし、学生版やIndie版ならお得に利用できます。学生の方は、無料で利用できる学生版を使えば無料で使うことが可能です。
個人クリエーターなら、通用版の6分の1ほどの価格で利用できるIndie版がおすすめです。
Mayaの機能性を試したい方は、まずは30日間お試しできる無料体験版をダウンロードしてみましょう。