Mayaの特徴として、CGにて立体的なモデルを作成できる点が挙げられます。
Mayaでモデルがリアルに映るように質感を持たせたければ、テクスチャと呼ばれる機能を使用する必要があります。
ここではMayaでテクスチャを貼る方法をはじめ、Mayaにテクスチャを貼る際に起こるトラブルと対処法について解説します。
Mayaのテクスチャとは
Mayaのテクスチャとは、Mayaでモデリングした物体に質感を貼り付けることを指します。
ザラザラとした面にしたり、柄をつけたりするのはこのテクスチャという機能で行います。
このテクスチャ機能により、モデリングに人間らしさを追加したり、背景やオブジェを本格的なものにしたりすることが可能です。
その他、Mayaというソフトの基本的な情報については下記記事で解説しています。
Mayaでのテクスチャの貼り方4ステップ
まずはテクスチャをどうMayaの画面に反映させるか、貼り方について解説します。
Mayaにテクスチャを貼る作業そのものはそれほど難しいものではありません。
よって貼り方の流れはすぐにマスターできるでしょう。
1.まずはテクスチャを作成する
まずはMayaに貼り付けるテクスチャを準備しましょう。
Mayaでは既存のテクスチャを用いてオブジェクト設定するのが基本です。
ただ、後で具体的に紹介しますが、レイヤテクスチャと言って、複数のテクスチャを組み合わせることもできます。組み合わせるにあたって、既存ではない自分の作成したものを取り込むことも可能です。
ただし、レイヤテクスチャを作成するのであれば、「ハイパーシェイド」と呼ばれるMayaの機能を使用する必要があります。
ハイパーシェイドはメニューバーのウィンドウの中にメニューがあるので、こちらを選択してください。
するとハイパーシェイドのボックスが表示されるので、使いたいテクスチャを複数選びましょう。
そうすれば指定したテクスチャの組み合わさったレイヤテクスチャが作成できます。
またレイヤテクスチャの場合、使用するテクスチャの設定を変更して調整できるのも特徴の一つです。しかも優先順位の設定も可能で、同じテクスチャでも順番を変えることで仕上がりも変えられます。テクスチャが完成したら保存しましょう。
保存したテクスチャを対象にして、Maya内で使用できます。
2.テクスチャを実際に貼り付ける
つぎにMayaでテクスチャを貼り付けていきましょう。
テクスチャを貼り付けたい個所にカーソルを移動して、右クリックします。
するとメニューが現れ、その中に「Assign Mew Material」があるのでこちらを選択してください。ボックスが立ち上がります。
その中から貼り付けたいマテリアルを選択しましょう。
次にAttribute Editorというボックスが表示されるはずです。
その中に「Common Material Attributes」という項目があるでしょう。
その中に「Color」という項目があるので、右端にあるボタンをクリックしてください。
するとCreate Render Nodeというボックスが立ち上がります。
その中の「File」を選択してください。
「Attribute Editor」というボックスが表示され、「File Attributes」の個所にある「Image Name」から希望のテクスチャを選択します。
すると選択したテクスチャが画面に貼られているはずです。
3.微調整して貼り付ける
上で紹介した手順に従えば、Maya内に指定のテクスチャを貼り付けられます。
しかし場合によっては、細かな調整をしたいと思うこともあるでしょう。
もし質感を細かく指定したければ、Mayaの「シェーダ」と呼ばれる設定をしなければなりません。
主な質感についてピックアップすると、まずblinnがあります。
こちらは金属の表面のような光沢を表現できます。
滑らかな表面を演出したければ、こちらを利用するといいでしょう。
一方lanbertはblinnの真逆の質感です。光沢のない質感に仕上げられます。
phongもしばしば使用される質感といえます。こちらは透き通るような透明感のあふれる仕上がりが特徴的です。
特定のシェーダを選択すると、Mayaのレイアウト画面にてで小さくこのような質感と表示されます。こちらを見ながら、自分のイメージに沿うシェーダを選択してください。
シェーダを選択すると、「Attribute Editor」のボックスをチェックしましょう。
するとシェーダを設定できるタブが表示されているはずです。
あとは先ほど紹介した基本の貼り方と一緒です。
カラーメニューでテクスチャを選択すれば、画面に反映されるわけです。
4.UVマッピングを使用する
先ほど紹介した基本的な貼り方だと、基本的な形で貼り付けられてしまいます。
しかし、中にはポジションや貼り付け方について、もっと細かく指定したい場合もあるでしょう。
その場合には、UVマッピングと呼ばれるMayaの機能を使用します。
メニューの中に「UV」という選択肢があります。
マッピングの選択肢として、球面や円柱などいくつかの形状がラインナップされています。
こちらで設定すれば、オブジェクトの形状に従った形で貼り付けられます。
なめらかな仕上がりで、よりナチュラルな形に仕上げられます。
このUVマッピングを使って、微調整することは多いです。
また特定のオブジェクトにマッチするテクスチャの貼り方に絶対的な回答はありません。
標準と異なる設定をしても、よりイメージに近い形になるかもしれません。
MayaのUVエディタでは展開図と実際の仕上がりが表示されます。
自分のイメージ通りのオブジェクトを適切なポジションに貼り付けられます。
またUVエディタによって不要な部分を省略できます。
2Dテクスチャの場合、全部ではなく限られた部分だけを使用することも多いでしょう。
その場合には拡大することで、不要な部分をカットできます。
その後、レンダリングで困った場合は下記記事を参考にしてください。
Mayaでのテクスチャの貼り方の注意点
Mayaでテクスチャを貼り付ける時、注意する点がいくつかあります。
ここでは具体的な注意点について詳しく解説していきます。
Mayaでテクスチャを活用する際、パーツに貼り付けることも多いでしょう。
もし複数のものを使うのであれば、パーツごとにまとめておくといいでしょう。
そうすれば、パーツごとに何のテクスチャが使われているかがわかりやすくなります。
複雑な形状のオブジェクトを使用することもあるでしょう。
この場合、展開パターンによってテクスチャの貼り方も変わってきます。
MayaのUVエディタに貼り付ける場合、切込み線も指定可能です。
このため、展開をある程度自分の思いのままに変えられます。
Mayaにうまくテクスチャが貼れない時の解決方法
Mayaを使ってのテクスチャの貼り方の基本と貼り方における注意点について見てきました。
しかしMayaにテクスチャを貼り付けてもうまくいかないという話もしばしば耳にします。
ネットを見てみると、以下のようなトラブルが起きるようです。
- Mayaにテクスチャが表示されない
- Mayaのテクスチャが緑に変色する
なぜこのようなことが起きるのか、ここで紹介します。
実際に問題が起きた時の参考にしてください。
Mayaにテクスチャが表示されない
オブジェクトにテクスチャが反映されないという問題は時折聞かれます。
これは画像ファイルの参照がないことが原因です。
もし画像ファイルのパスが間違っていると、「警告: テクスチャ ファイル C:/Users/~/x.png は存在しません。」というメッセージが表示されます。
この問題を解決する方法は2つあります。
それは再パス設定するもしくはファイルパスエディアを利用するのいずれかです。
再パス設定の方法ですが、一般エディタ→ファイルパスエディタの順番で選択します。
そして修正したい警告を選択したうえで、「ファイルの再パス設定」を選択してください。
再パス設定のウィンドウの中に「新しいパス」という項目があるので、ここで参照先を選択してください。そのうえで「再パス設定」をクリックします。
もう一つの方法はファイルパスエディタに「自動解決」という項目があるのでこちらを選択する方法です。解決対象の項目にチェックを入れ、「プレビュー」をクリックしてください。
「アクションプレビューウィンドウ」が立ち上がったら「続行」をクリックしてください。
警告が消えれば、問題は解決して貼り付けようと思っていたテクスチャがMayaに反映されているはずです。
Mayaのテクスチャが緑に変色する
Mayaに貼り付けたテクスチャーが緑色で表示されることがあります。
これはMayaのマテリアルノードと呼ばれる情報がオブジェクトから外れてしまっていることが要因です。
緑に変色しているのであれば、対象のオブジェクトをまず選択してください。
続いてハイパーシェードを開いて、マテリアルを選びましょう。
ここで右クリックするとメニューの中に「マテリアルを選択項目に割り当て」という項目が表示されるはずです。こちらを選択すると元の色に戻るはずです。
Mayaのテクスチャについてまとめ
Mayaは簡単な操作性で、クオリティの高いアニメーションやキャラクターを作成できます。
今回紹介したテクスチャの貼り付けによって、オブジェクトの仕上がりや質感を自由に変更できます。
Mayaにおけるテクスチャの貼り方そのものはさほど難しいものではありません。
しかし、ナチュラルな形で仕上げるためには、微調整が必要になってくるでしょう。
ここで紹介したMayaの機能をうまく駆使して、コントロールするといいでしょう。
最初のうちは設定や微調整には手間取るかもしれません。
しかし、何度も繰り返し作業を続けていけば、コツもつかめるはずです。
作業効率も高まり、テクスチャをMayaにキレイに貼り付けられるでしょう。
ぜひこの機会にMayaのテクスチャを利用して、素敵な作品を磨き上げてみてください。
