Photoshopでは、画像にグラデーションをかけることでさまざまな表現を演出できます。実際にデザイナーの多くはグラデーション機能を使い、イラストや広告などの作品を制作しています。
しかし、Photoshopをあまり使ったことがない方は「どのようにしてグラデーションを作成すればいいのかわからない」という悩みもあるでしょう。
当記事では、Photoshopでグラデーションを作成できる種類や方法について詳しく解説します。グラデーションができないときの原因まで紹介するので、ぜひ参考にご覧ください。
Photoshopのグラデーションとは
Photoshopのグラデーションとは、段階的に色を変化させられる方法です。
例えば白から徐々に黒へ変化する場合、グラデーションが施された状態となっています。
PhotoshopをはじめIllustratorなどのデザインツールには、必ずグラデーション機能が搭載されています。グラデーションは画像編集の基本ともなっており、幅広い用途で使用可能です。
また、グラデーションの不透明度や位置を変えることで、見せ方を自由に変更できます。
グラデーションは人の髪や服にもかけられるため、アイデア通りの作品を制作できるでしょう。
参考記事:
Photoshopのグラデーションの使い道
Photoshopのグラデーションは、背景や人、物などの色を徐々に変化させたいときに使います。
例えば山の背景画像を徐々に透過させたいときは、グラデーションを使うことでイメージ通りに仕上がります。
通常は単色のデザインも段階的に色を変化できるので、オシャレな雰囲気になるのです。
グラデーションは画像の見せ方を変えられる重要な要素となっており、多くのデザイナーが利用している技法となっています。
広告やポスター、雑誌などの媒体では、グラデーションを使う方法がおすすめです。
Photoshopのグラデーションの種類
Photoshopのグラデーションには、以下のような種類があります。
- 反射グラデーション
- 円形グラデーション
- 線状グラデーション
- ひし形グラデーション
- 円錐形グラデーション
グラデーションは、種類によってさまざまな見せ方ができます。
それぞれの特徴については、以下の表を参考にご覧ください。
グラデーションの種類 | 特徴 |
反射グラデーション | 開始点を中心に同じ線形グラデーションを左右に反転できる |
円形グラデーション | 開始点から終了点に向かって円状に広がっていく |
線状グラデーション | 開始点から終了点に向かって直線状に変わる |
ひし形グラデーション | 中心から四隅に向かってひし状に変わる |
円錐形グラデーション | 開始点の周りで反時計回りに円錐状に変わる |
反射グラデーション
反射グラデーションは、開始点を中心に同じ線形グラデーションを左右に反転できるグラデーションです。開始点からドラッグすることで、反転したグラデーションをかけられます。
左右対称にグラデーションをかけたいときは、反射グラデーションがおすすめです。
円形グラデーション
円形グラデーションは、開始点から終了点に向かって円状に広がっていくグラデーションです。
反射グラデーションと同じく開始点からドラッグすれば、内側から外側にかけて放射状のグラデーションをかけられます。
光のような表現を加えたいときは、円形グラデーションがおすすめです。
線状グラデーション
線状グラデーションは、開始点から終了点に向かって直線状に変わるグラデーションです。
ドラッグをすると線が出るので、角度を変えれば線状のグラデーションをかけられます。
統一感のあるグラデーションをかけたいときは、線状グラデーションがおすすめです。
ひし形グラデーション
ひし形グラデーションは、中心から四隅に向かってひし状に変わるグラデーションです。
中心をクリックし、左右にドラッグすればひし状のグラデーションをかけられます。
四方にグラデーションをかけたいときは、ひし形グラデーションがおすすめです。
円錐形グラデーション
円錐形グラデーションは、開始点の周りで反時計回りに円錐状に変わるグラデーションです。
中心をクリックし、左右にドラッグすることで円錐状のグラデーションをかけられます。
円錐状に色を変えたいときは、円錐形グラデーションがおすすめです。
Photoshopでグラデーションをする基本的な方法
Photoshopでグラデーションをかけるときは、さまざまな方法があります。
こちらでは、マスクからグラデーションをかける方法について紹介します。
マスクにグラデーションを追加する方法
マスクにグラデーションを追加するときは、以下の手順でおこなってください。
ステップ①グラデーションをかける画像を用意する
Photoshopのアプリケーションを開き、グラデーションをかける画像を選択します。
ステップ②レイヤーパネルから「レイヤーマスク」ボタンをクリックする
右項目のレイヤーパネルから画像レイヤーを選択し、下部にある「レイヤーマスク」ボタンをクリックします。
ステップ③「グラデーションツール」を選択する
左項目のツールから「グラデーションツール」を選択します。
ステップ④ドラッグしてグラデーションをかける
「グラデーションツール」を画面上でドラッグして、グラデーションをかけます。以上です。
複数の画像を並べることで、自然なかたちにグラデーションをかけられます。
ドラッグする距離が長ければ、緩やかにグラデーションをかけることが可能です。
グラデーションの種類を変更しながら、イメージ通りのかたちにしてみましょう。
Photoshopでグラデーションをかけるときに便利なショートカット
Photoshopでは、ショートカットを使用することでカラー分岐点が選択されているときと選択されていないときのコンテキストメニューを確認できます。
グラデーションをかけるときのショートカットは、以下のような表を参考にご覧ください。
動作 | ショートカット | 効果 |
カラー分岐点が選択されていないとき | Ctrl キーを押しながらマウスをクリック (Windowsはマウスを右クリック) |
グラデーションリストの表示 |
カラー分岐点が選択されているとき | Ctrl キーを押しながらマウスを左クリック (Windowsはマウスを右クリック) |
HUD によるカラー変更 |
Photoshopでグラデーションをする応用方法
Photoshopでグラデーションをかけるときは、いくつかのテクニックがあります。
イメージ通りのグラデーションをかけるためにも、ぜひ参考にご覧ください。
Photoshopで徐々にグラデーションを透明にする方法
Photoshopでは、画像にグラデーションをかけて徐々に透明にできます。
徐々に透明にすることで、複数の画像を自然に重ねられるようになります。
徐々にグラデーションを透明にするときは、以下の手順でおこなってください。
ステップ①レイヤーパネルからレイヤーを選択して「レイヤーマスク」をクリックする
右項目のレイヤーパネルから画像レイヤーを選択し、下部にある「レイヤーマスク」ボタンをクリックします。
ステップ②「グラデーションツール」を選択してドラッグをする
左項目のツールから「グラデーションツール」を選択して、画面上をドラッグします。
以上で、画像にグラデーションをかけられます。
オプションバーからグラデーションの種類を選択すれば、好みに合わせて設定可能です。
特に難しい手順は必要ないので、徐々にグラデーションをかけたいときは試してみましょう。
Photoshopで文字にグラデーションをかける方法
Photoshopでは、画像だけでなく文字にグラデーションをかけることもできます。
文字にグラデーションをかければ、単色とは違った表現にすることが可能です。
文字にグラデーションをかけるときは、以下の手順でおこなってください。
ステップ①「文字ツール」で文字を入力する
左項目ツールから「文字ツール」を選択して、文字を入力します。
ステップ②レイヤーパネルからテキストレイヤーをダブルクリックする
右項目のレイヤーパネルから、テキストレイヤーを選択してダブルクリックします。
ステップ③スタイルから「グラデーションオーバーレイ」にチェック入れる
スタイルメニューから「グラデーションオーバーレイ」を選択して、チェックボックスをクリックします。
ステップ④「不透明度」、「グラデーション」、「スタイル」、「角度」、「比率」などを変更する
右項目から、テキスト文字にかけるグラデーション設定を変更します。
以上で、文字にグラデーションをかけられます。
不透明度や比率を調整することで、グラデーションのバランスを変更できます。
参考記事:
Photoshopでノイズグラデーションを作成する方法
Photoshopでは、ノイズグラデーションを作成することもできます。
ノイズグラデーションとは、名前の通りノイズのようなグラデーションを加えられる方法です。
通常のグラデーションよりも一手間を加えられるので、オシャレなデザインを作成できます。
ノイズグラデーションを作成するときは、以下の手順でおこなってください。
ステップ①「グラデーションツール」を選択する
左項目から「グラデーションツール」を選択します。
ステップ②オプションバーから「グラデーションサンプル」をクリックする
オプションバーの左部分にある「グラデーションサンプル」アイコンをクリックします。
ステップ③グラデーションをかける
マウスやトラックパッドで画面をドラッグすることで、グラデーションをかけられます。
オプションバーにあるグラデーションの種類を選択すれば、グラデーションをかける方法を変更できます。
ステップ④レイヤーパネルから「不透明度」を調整する
右項目のレイヤーパネルから「不透明度」を調整して、グラデーションの雰囲気を設定します。
ステップ⑤レイヤーパネルからグラデーションレイヤーを選択する
右項目のレイヤーパネルから、グラデーションレイヤーを選択します。
ステップ⑥フィルターメニューから「ノイズ」、「ノイズを加える」を選択する
上部のフィルターメニューを開いて「ノイズ」、「ノイズを加える」を選択します。
以上で、ノイズグラデーションを作成できます。
量や分布方法などを調整することで、ザラっとした質感のグラデーションをかけられます。
Photoshopのグラデーションの使い方については、以下の動画も参考にご覧ください。
Photoshopでグラデーションができないときの原因
Photoshopでグラデーションができないときは、以下のような原因が考えられます。
- カラーモードがグレースケールの状態になっている
- レイヤーの不透明度・塗りが0%になっている
- シェイプレイヤー・スマートオブジェクトになっている
それでは詳しく説明します。
カラーモードがグレースケールの状態になっている
レイヤーのカラーモードがグレースケールになっている場合、グラデーションをかけることはできません。グレースケールは白黒の状態なので、濃淡がわかりづらくグラデーションを設定できなくなります。
グレースケールの問題を解決するときは、イメージメニューにある「モード」から「RGBカラー」を選択します。すると白と黒以外の色も使えるため、グラデーションができるようになるでしょう。
レイヤーの不透明度・塗りが0%になっている
レイヤーの不透明度と塗りが0%になっていると、グラデーションをかけることはできません。
不透明度と塗りは、数値を上げるごとにグラデーションができるようになります。
基本的にグラデーションをかける場合、不透明度と塗りは100%の状態にしておきましょう。
シェイプレイヤー・スマートオブジェクトになっている
レイヤーがシェイプレイヤーやスマートオブジェクトの状態になっていると、グラデーションをかけられません。レイヤーの画像にグラデーションをかけるときは、一度ラスタライズ化しておく必要があります。
ラスタライズは、レイヤーを右クリックして「レイヤーをラスタライズ」を選択すれば完了です。レイヤーメニューから「ラスタライズ」を選択しても反映できるので、好みの方法でレイヤーをラスタライズ化しておきましょう。
Photoshopのグラデーションに関するよくある質問
最後にPhotoshopのグラデーションに関するよくある質問を回答していきます。
疑問を解消してグラデーションをはじめるためにも、ぜひ参考にご覧ください。
グラデーションは、作成したいデザインによって選ぶべき種類が異なります。基本的なグラデーションにしたいのであれば、線形グラデーションを選ぶことをおすすめします。
ほかにも反射や放射状、、ひし形、円形などの種類もあるので、状況に合わせて使い分けましょう。
オプションバーからカラーを選択し、虹色フォルダをクリックして好みの色を選んでみましょう。
グラデーションは、背景色や画像の合成をするときに利用できます。画像の合成をおこなうときは、透明のグラデーションを使用することで自然なかたちに仕上げられます。
ほかにもグラデーションの質感を変えることもできるため、状況に合わせて使いこなしましょう。
Photoshopのグラデーションまとめ
今回は、Photoshopでグラデーションを作成できる種類や方法について詳しく解説しました。
グラデーションをかけることで、段階的に色を変化させて幅広い表現ができます。
グラデーションは背景色の変更や画像の合成に利用できるため、本格的な画像編集をするときに便利です。ぜひ当記事で紹介した方法を試し、あなたが求めるグラデーションを作成してみましょう。