3DCG制作に興味があり、ZBrushというソフトを使いたいけれども詳しい事がよく分からないという人は少なくありません。そこでZBrushとはどういうソフトで何が出来るのか、どんな機能があるのか等を基本的な使い方と合わせて詳しく見ていきます。
ZBrushとは?
引用:OakCorp
ZBrushとは1990年にアメリカのPixologic社が開発した、3DCGキャラクター制作が出来るモデリングソフトです。キャンパス上にある3Dデータをブラシツール等を用いて造形し、テクスチャーを作成していきます。
特に粘土をこねる感じで立体物を作り、キャラクターを作る事が出来るスカルプトモデリング機能が優れているのがZBrushの特徴です。その為モデリングをやった事がない初心者に向いています。ZBrushは何度もアップデートを繰り返す事で新たな機能も追加されており、沢山のクリエイターが使用しています。
ZBrush以外の3DCGソフトにも興味がある方はこちらの記事もご覧ください。
ZBrushでできること
ZBrushでできることは沢山あります。具体的に何が出来るのかを確認していきましょう。
まず、まるで粘土をこねるような操作でモデリングをする事が出来ます。元の形状の物体を押しつぶしたり、厚みをつけたい所には盛る事も出来ますし、逆に削りたい所は細くしたり薄くしたりする事も可能です。しかもZBrushはこれらを直感的な操作で出来るのが魅力です。
作ったモデルに直接色をつける事も出来ますし、モデルの形を維持しながらわずか1ボタンでポリゴン数を減らすという事も出来ます。さらに作って色付けをした3Dモデルをソフト上でレンダリングして、画像データとして出力する事もZBrushなら可能です。
どうしても3Dモデルを作成するというと難しいイメージがありますが、ZBrushでは粘土をこねて物を作るような感覚で作成できるので、3Dモデリングソフトを触った事がない初心者でも気軽に3DCG作品を作れるというのが魅力です。
ZBrushの主な機能
引用:maxon
ZBrushにはどのような機能があるのか詳しく見ていきます。
Pixol
ZBrushではRGBカラーだけでなく深度や法線がある2.5次元のピクセルを用いて、立体的に作成したモデルに陰影をつける事が出来ます。
ポリペイント
各ポリゴンにRGB値をつける事で、直接モデルへのペイントが出来るZBrushの機能です。その為わざわざテクスチャーUVマップを設定する必要もありません。しかし細かいペイントをする場合は、ある程度のポリゴン分割が必要となるので注意も必要です。
ZSphere
自分が作成したいモデルの大体の形状に近づけるように球体を並べ、ポリゴン変換して色を塗る感覚でモデルを加工する事が出来るZBrushの機能です。この機能を使う事で、モデルの基本形状を迅速に作成する事が出来ます。
Projection Master
モデルへの視点を固定する機能で、ユーザーは作成したモデルにより細かい凹凸をつけたり、テクスチャーを書き込みしやすくなります。またブラシの形状を制御する事も出来ます。より細かい彫刻やテクスチャーを作りたい場合は、モデルの手を入れたい個所を大きく表示してから作業を行うと作業がしやすいです。
UV Master
UVマップの設定を自動化する機能です。これを使えばテクスチャーをモデル上で正しく表示させる事が出来ます。
Dynamesh
メッシュを再計算してくれるZBrushの機能です。モデルの形状を大きく変形させる事によってメッシュが引き延ばされてしまっても、形を保持したままメッシュを貼り直し、ポリゴン密度を均等にしてくれるのでスカルプトが可能になります。
ZRemesher
モデル用の新しいポリゴン密度の構造を調整、そして再構築してくれる機能です。わずか数秒で変換する事が出来るので、ZBrushならストレスなく作業を行えます。
ZModeler
直接ポリゴン構造の編集を行えるブラシ機能です。エッジを挿入・移動や削除・拡大縮小・ポリゴンの移動等、ZBrushには沢山の機能が付いています。
このようにZBrushには色々モデリングするのに便利な機能がついているので、スムーズに様々なモデルを作成する事が可能です。
ZBrushの基本的な使い方
引用:OakCorp
ZBrushには色々な機能があるので、使いこなせるか不安に感じるかもしれませんがそんな心配はいりません。直観的操作で簡単に3DCGモデルを作成できます。では基本的な使い方を見ていきましょう。
モデリング開始までの準備
ZBrushのソフトを起動しメニュー画面になったら、ライトボックスメニューの中にある球体プロジェクトを選んでモデリングを始めます。球体が画面に表示されれば、そこからはもう自由に作業が出来ます。初期設定だとモデルのパース表示がオンになっているので、作業に邪魔だと感じたらオフにしておくと良いでしょう。
ビューカメラの操作方法
モデルを色々な角度から見たい場合に役に立つのが、ZBrushのカメラ機能です。
カメラ機能の操作 | 目的 |
画面上の背景部分を右クリックドラッグ | モデルを中心にカメラを回転させる |
Shift+右クリックドラッグ | カメラを正面・上下左右ピッタリに合わす |
Ctrl+右クリックドラッグ | カメラのズームイン・ズームアウト |
どうしても文章で説明すると難しく感じてしまいますが、実際に作業してみると直感的に出来ます。最初は少し戸惑うかもしれませんが、ZBrushに慣れてくると全くストレスなくモデルを拡大・縮小したり、色々な角度から見る事が出来て作業もしやすいです。
ブラシの操作方法
ZBrushは左クリックやドラッグをする事で、ブラシでモデルを盛ったり削ったりする事が出来ます。キーでもブラシ操作が可能なので、色々試してみると良いでしょう。
- Altキー:ブラシのふくらみやへこみが逆になる
- Shiftキー:スムース機能
- Ctrlキー:マスク機能
ブラシのタイプも色々ありますが、ほとんどがクリックやドラッグをするだけでスカルプトモデリングが出来るので難しくはありません。
Dynamesh機能の使い方
色々なブラシでモデルをいじるとポリゴンが荒くなってしまいます。ZBrushのDynameshはそういう時に、メッシュを再計算しポリゴン密度を均等にしてくれる機能です。下記の動作だけでポリゴンの再計算をしてくれます。
- 右メニューのジオメトリーからダイナメッシュを選択
- ダイナメッシュをオンにする
- 3Dモデルのない背景部分をCtrlキーを押しながらドラッグ
サブツール機能の使い方
色々あるオブジェクトモデルを管理する機能がZBrushのサブツール機能です。新たに3Dを増やしたり削除する時、また複数のモデルを結合したい時等に使います。
モデルを追加したい時は、サブツールからアペンド、あるいは挿入から新たなモデルを追加出来ます。モデルを複製したい場合は、サブツールから複製を選びましょう。面倒くさい時はコピーアンドペースト機能を使っても良いです。
モデルを削除する時は、サブツールから削除を選べば、選択しているモデルを画面から消す事が出来ます。しかし一回削除してしまうとやり直しがきかないので、削除する時は本当に消してしまっても大丈夫かよく考えてから行う事が大切です。
モデルを結合したい時は、サブツールから結合、そして下と結合を選ぶと、選択しているモデルとその下のリストにあるモデルを1つに結合させる事が出来ます。しかし結合してしまうと過去のヒストリが消え、やり直しが出来なくなるので注意が必要です。
データの保存方法
モデリング作業したら大切なデータは保存しなければなりません。ZBrushの保存方法は主にZTL形式とZPR形式があります。基本的にはZTL形式で保存すれば問題ありません。保存方法は右上のツール保存をクリックするだけです。
ZPR形式で保存する場合は、ファイルから別名保存で保存を行います。ZPR形式はあらゆるツールだけでなく、ドキュメント設定や操作履歴といった設定も保存されるので、ZTL形式よりもサイズが重たくなりがちです。保存する時の名前は日本語だとデータを読み込む時にエラーが出てしまう可能性もあるので、なるべく英数字を使いましょう。
ZBrush初心者には、こちらの使い方動画がおすすめです。
ZBrushは初心者におすすめのソフト
ZBrushはまるで粘土をこねて作るみたいに直感的に3Dモデリングが出来るので、初心者におすすめです。また豊富な機能も備わっており、より細かく自分の理想に近いモデルを作成する事も出来るので、興味がある人は1度試してみると良いです。
