近年の急速的な動画制作技術の進化に伴い、CGと音声を融合したボーカロイドと呼ばれるキャラクターも多数登場しています。それらの技術を支える新しいCG技術が3DCGで、現在は多くのクリエイターからのニーズが高まっているのが現状です。
そこで本記事では3DCG動画を詳しく解説し、2DCG動画との違いや作り方、メリットや基本ソフト、導入業界も紹介します。
そこで今回は3DCG動画を詳しく解説し、2DCG動画との違いや作り方、メリットや基本ソフト、導入業界も紹介します。
3DCG動画とは？
躍動感に富み、コンピューターグラフィックスを使用して作成されるアニメーション動画が3DCG動画です。動画内にリアリティに富んだ動きやダイナミックな表現も盛り込めるので、近年は多くのクリエイターに注目されています。
3DCG動画を活用すれば通常では可視化できないものも表現できるので、ゲームや製造業、医療などの分野をはじめとしたさまざまな分野への導入が進んでいます。下記に3DCG動画をさらに分析した記事を掲載するので参考にして下さい。
2DCG動画とは？
2CG動画とは主にアニメーションで使用されている動画で、二次元の平面的な画像に動きをつけます。3DCGのような立体的な動作は表現できませんが、幅広い表現が可能です。
3DCG動画と2DCG動画の違いを紹介
3DCG動画と2DCG動画の違いは、立体的な表現が可能かどうかという点です。2CG動画はコンピューターグラフィックスにより、2次元的に物体を表現します。
一方の3DCG動画は表面的な表現ではなく、縦横に奥行きを含めた3次元的で立体的な表現が可能で、2CDGよりもリアリティに富んだ表現が可能です。このような観点からも3DCG動画は複雑な構造の建物や、エモーショナルな動画作成に向いています。
「Maya」を使った3DCG動画の作り方を解説
3DCG動画を作成するためにも、効果的なソフトを導入しなければいけません。そこでおすすめの3Dコンピューターグラフィックスソフトが、現在多数のCAD・CAMソフトの開発で有名なAutodesk社が開発・販売を手掛けるMayaです。このソフトを活用すれば、高品質な3DCG動画をスピーディーに作成できます。
ここからはMayaを使用した3DCG動画の作り方と手順を解説します。
①ソフトウェアをインストール
最初にMayaの公式サイトにアクセスし、パソコンへのインストールを行います。ソフト購入後はパソコンのデスクトップに表示され、いつでも使用可能な状態に保存可能です。公式サイトからは無料体験版もダウンロードできるので、初心者の方は体験版から始めてみましょう。
Mayaはダウンロードの際に多くの容量が必要なため、パソコンのスペック次第でダウンロード時に不要なファイルの削除が必要な場合もあります。容量不足に備え、事前に外付けのHDDやSSDなどを準備しておくのもおすすめです。
②プロジェクト設定
ダウンロードが完了したら、次にアニメーション制作で使用するファイルを整理するプロジェクト設定を行いましょう。設定を任意の場所に保存するためにも、ファイルの保存場所や保存名称の記載を行うのも重要なポイントです。
保存に外付けのHDDやSSDを使用する際には、デフォルトで設定された場所を変更しなければいけません。変更ではファイルマークをクリックして、好きな場所を選択しましょう。ファイル名はエラーを防ぐために半角英数字に設定します。
③モデルを準備する
プロジェクト設定が完了すれば、次にアニメーション制作に欠かせないモデルの準備へと進みます。Mayaのアニメーションの作り方の順序を下記に表記するので参考にして下さい。
- モデル設置
- モデルを少しだけ動かす
- 画像撮影
- モデルを動かす
- 画像撮影
- 撮影画像を素早く切り替える
簡単に説明すると、アニメーションのように画像を細かく繋げる工程で1つの動画を作成します。モデルを動作させるためにもモデル内部にボーンと呼ばれる基準を設定し、その基準に沿ってモデルをさまざまな形に変形させます。
具体例として人間のモデルの画像データを作り、そのデータにボーン（骨）を設定すればまるで本物の人間のような立体的な表現が可能です。
④キーフレーム設定
モデルの準備が完了すれば、次に実際にモデルを動かした場所にキーフレームを設定します。キーフレームとは、アニメ制作に例えると1枚の絵を作成する作業のようなものです。
アニメの作成では1秒間で役20枚の絵を準備してめくりながら撮影しますが、Mayaでは最初の1枚目と最後の20枚目さえ設定すれば足りない部分を全てMayaが補填してくれます。また完成した動画を確認した際に少しでも違和感があれば、ページを指定して訂正できるので便利です。
さらにショートカットキーのSを使用すれば、簡単にキーフレーム設定できます。
⑤各種設定の微調整
キーフレームの設定が完了すれば、最後に動画全体の速度などの微調整を行います。キーフレームで個々の画像を編集・訂正すれば滑らかな動画を作成できますが、Mayaでは優れた速度調整機能を使用してさらにスムーズな動画の作成が可能です。
キーフレーム設定や速度調整機能でも滑らかな画像を作成できますが、実際に使用して自分に適した方法を選択しましょう。
3DCG動画のメリット
3DCG動画は立体感溢れる動画で、導入すれば
- トータルコストの削減
- 多様なメディアへの発信を実現
- 閲覧者にインパクトを与えられる
- 簡単に修正できる
などのメリットを得ることができます。ではそれぞれのメリットを詳しく解説します。
トータルコストの削減
3DCG動画を導入すれば、動画作成に必要なトータルコストを削減できる点もメリットの1つです。通常の実写映像の撮影では撮影ディレクターやカメラマン、音声スタッフなど撮影に関連する多額の人件費や、撮影機材やスタジオレンタル費用なども発生します。
一方の3DCG動画ではパソコン1台で作成可能なので、上記のようなトータルコストを削減可能です。また完成した動画は複数回の利用もできるので、同じコンセプトの動画を作成する場合に有効活用できます。
多様なメディアへの発信を実現
多様なメディアへの発信が可能な点も、3DCG動画を導入するメリットの1つです。3DCG動画をWebサイトの広告として掲載したり、ECサイトの宣伝用として使用している企業やメーカーも多く見受けられます。
このように3DCG動画は一度で多用なメディアへの掲載・発信が可能な観点から、企業の広告戦略の一環としてもおすすめの手段です。
閲覧者にインパクトを与えられる
3DCG動画を導入すれば、閲覧者にインパクトを与えられる点もメリットの1つです。3DCG動画では実際の撮影では不可能なダイナミックな表現も導入できるので、閲覧者に強いインパクトを与えることができます。
例えば現実では分解できない機械製品の分解動画など、興味深い動画の作成が可能です。
簡単に修正できる
簡単に修正ができる点も、3DCG動画を導入するメリットです。実際に動画を撮影する実写動画では、撮影時の不具合による取り直しも発生します。
撮り直しになれば撮影スタジオの確保やスタッフのスケジュール調整など、さまざまな手間がかかるのが現状です。そこで3DCG動画を導入すればソフト内での編集で修正可能なので、修正にかかるコストや時間を削減できます。
3DCG動画の基本ソフトを紹介
3DCG動画はさまざまな分野への導入が進んでいる画期的なソフトですが、実際にどのような優れた3DCG動画作成ソフトが開発・販売されているのでしょうか。下記に3DCG動画の基本ソフトを表記し、それぞれを詳しく解説します。
| ソフト名 | 特徴 |
| Maya | VFXやアニメーションの現場においては欠かせないソフト |
| 3ds Max | プログラミングの知識がなくても高度な表現が可能 |
| Blender | 豊富な拡張機能を有し、WindowsやMac、Linuxなど多様なOSに対応可能 |
Maya
引用：AUTODESK
業界シェアが高く、世界中で多くのユーザーから愛用されている3DCG動画作成ソフトがMayaです。多機能性に富んだツールとして有名で、特にVFXやアニメーションの現場においては欠かせないソフトとして高評価を得ています。一方でライセンス料金が高額なので、個人で使用する際にはMaya ltという縮小版を使用するのもおすすめです。
3ds Max
引用：AUTODESK
3ds MaxはMayaと同じAUTODESK社のソフトで、豊富な拡張機能が特徴的なソフトです。プログラミングの知識がなくても高度な表現が可能で使いやすいソフトとして、世界中のユーザーから使用されています。
Blender
引用：Blender
無料でのインストールが可能な、オランダで開発されたオープンソースのソフトウェアがBlenderです。無料であるにも関わらず、有料ソフトに劣らない機能性が世界中のユーザーから高評価を得ています。豊富な拡張機能を有し、WindowsやMac、Linuxなど多様なOSに対応可能な点も強みです。
比較的簡単に操作できるうえに、ネット上で使い方が掲載されて簡単に使用できるので、初心者の入門編として最適のソフトといえます。
3DCG動画を導入している業界を紹介
3DCG動画を活用すれば閲覧者に強いインパクトを与えることができますが、実際にどのような業界への導入が進んでいるのでしょうか。では3DCG動画を実際に導入している業界を紹介します。
医療業界
医療業界も3DCG動画の導入が進んでいる業界の1つです。3DCG動画を活用すれば臓器や血管などの人体の内部構造の実写化が可能になり、映像化されたデータをもとにして施術・治療方針を検討できます。
外科手術を行う際にも3DCG動画を参考にした具体的な施術方法を検証できるので、手術成功の可能性が向上する点も導入のメリットです。
製造業界
3DCG動画は、製造業界への導入・活用も進んでいます。3DCG動画を活用すれば実際には分解に手間がかかる機械製品の分解を、1つの動画として可視化することが可能です。
この手法を活用すれば、実際の製造工程のシミュレーションを効率化できます。
ゲーム業界
ゲーム業界においても、3DCG動画の導入が進んでいます。具体例としてゲームのキャラクターやアイテム、ステージなど、ゲームに関するさまざまな要素に3DCG動画を導入しているケースが多いです。
3DCG動画をゲームに導入すれば、従来の2CDG動画では表現できないリアリズムを追求することができます。またゲーム業界においては、効率的なゲーム開発が可能なUnityの導入も進んでいるのが現状です。下記にUnityに関する記事を添付するので参考にして下さい。
3DCG動画を有効活用しよう！
今回は3DCG動画を詳しく解説し、2DCG動画との違いや作り方、メリットや基本ソフト、導入業界も紹介しました。3DCG動画は現在さまざまな業界への導入が進み、今後もそのシェアは拡大する見込みです。
したがって確かな3DCG動画のスキルを取得すれば、自己価値が向上してさまざまな分野で活躍できます。その際には本記事を参考に自分に適した3DCG動画ソフトを選択し、熟練度を高めて3DCG動画を有効活用して自己価値を高めて下さい。
