Blender(ブレンダー)は、世界でも評価の高いオープンソースの3Dモデリングとアニメーションのソフトウェアです。
この記事では、Blenderにおける3Dモデリングのためのセッティングや、3Dモデリングの基本について紹介します。今まで全く3Dモデルを作ったことがない方でも、Blenderの3Dモデリングについて1から学べる記事になっているので、ぜひ参考にしてください。
※使用バージョン:Blender ver.3.6.3(バージョンによって、一部表記が異なる可能性があります。)
Blenderの3Dモデリングとは?
Blenderは、3Dモデリング、アニメーション、レンダリング、および動画編集のためのソフトウェアです。主に、アニメ制作、ゲーム開発、建築設計などの分野で幅広く利用されています。
オープンソースの信頼性の高いソフトウェアとして知られており、世界中の開発者によって定期的なアップデートが行われており、ユーザーは常に最新の機能を利用できます。
Blenderは、1つのアプリケーションでさまざまな3D制作作業を行えるため、多くのクリエイターに支持されています。初心者からプロまで幅広いユーザーに無料で利用できるため、3DCGに挑戦したい方におすすめのソフトウェアとなっています。
Blenderについてはこちらの記事でもおすすめの3DCGソフトとして紹介されています。
Blenderでは説明動画が用意されている
Blenderでは、初心者が一からBlenderを学べるようにチュートリアルが用意されています。
BlenderのオフィシャルYoutubeには、チュートリアルなどの動画がたくさん用意されており、使い方やテクニックを学べます。
実際の画面を使った動画を見ながら、操作方法を理解できます。動画を見ながら、実際に手を動かしながら学ぶことも可能です。
手順が順番に紹介されているので、Blenderの使い方を学びたいときは、Blenderの動画を活用しましょう。Youtubeには参考となる動画が豊富にあるため、合わせてチェックしてみてください。
Blenderでモデリングをする準備
Blenderを起動すると、3Dビューポートと呼ばれる作業領域が表示されます。
左上のモード切り替えメニューで、「オブジェクトモード」と「編集モード」を目的に応じて使い分けていきましょう。
3Dモデリングの工程には多くのタスクが含まれるため、不必要な手順が起きることを、モードを切り替えることで防ぎます。
Blenderでは、さまざまな作業を特定のモードで制限することで、ユーザーが誤った操作を行わないようになっています。これにより、ユーザーは一度に1つの作業に集中でき、誤操作を防ぐことができます。
オブジェクトは、マウスの右クリックで選択することができ、マウスの中央ボタンでビューを回転させることができます。
オブジェクトモード
オブジェクトモードは、オブジェクトを配置したり選択したりするためのモードです。
オブジェクトは3Dモデリングで作成されたキャラクターやカメラ、光源などの要素を指します。
このモードでは、新しいオブジェクト(たとえば、立方体や球など)を追加すると、それが新しい独立したオブジェクトとして追加されます。
オブジェクトモードでは、View(3Dビューワー内でオブジェクトが表示されている場所)でオブジェクトを選択できます。
編集モード
編集モードは、選択されたオブジェクトのポリゴンを編集するためのモードです。このモードでは、メッシュオブジェクトの頂点を移動したり、新しいポリゴンを作成したりします。
オブジェクトをエディットモードで追加すると、新しいポリゴンが選択中のオブジェクトに追加されます。ただし、エディットモードで頂点やポリゴンを移動させても、オブジェクトの座標は変更されません。オブジェクト自体を変更する場合は、オブジェクトモードに戻る必要があります。
エディットモードでは、ポリゴンや頂点を移動させてモデルを編集しますが、対照的に、オブジェクトモードでは、モデルの基準位置を移動させます。
エディットモードでモデルの位置を変更することは許可されていません。
Blenderにおける3Dモデリングの基礎知識
Blenderでの3Dモデリングの基本知識と用語を説明します。
下記の基本を押さえて3Dモデリングを行うことで、効率と品質のバランスの取れた作業を行うことができ、より立体的でリアルな3Dモデリングが可能になります。
3D空間とは
Blenderでの3D空間とは、縦、横、奥行きの3つの軸を持つ立体的な空間を指します。
これは、平面の2D空間とは異なり、オブジェクトが奥行きを持つため、立体感やリアリティを表現できます。
Blenderでは、3次元空間内でX軸、Y軸、Z軸の3つの軸を使い、オブジェクトの位置を3つの座標で表現します。さらに、照明やカメラ機能を活用することで、光の当たり具合やアングルを調整でき、これにより、より立体的でリアルな3Dモデリングが可能になります。
オブジェクトとは
オブジェクトとは一般的には物体や形状を指す言葉ですが、Blenderなどの3Dモデリングおよびアニメーションソフトウェアのコンテキストでは、さまざまな種類の形状や物体を指すことがあります。
Blender内では、「メッシュ、曲面、カーブ、メタボール、文字列、ラティス、カメラ、照明」など、さまざまな要素が「オブジェクト」として扱われます。
これらのオブジェクトは3Dプロジェクトを構築するための基本的な要素であり、それぞれが異なる形状や機能を持っています。
オブジェクトは、まず「点、線、面」などの幾何学的な形状で構成され、「位置、回転、拡大縮小、変形」などの属性を持っています。
これにより、「メッシュ、曲面、カーブ」が表現されます。また、これに合わせて、「メタボールや文字列、ラティス、カメラ、照明」などの要素も含みます。
これらのオブジェクトを組み合わせ、最終的に3Dモデリングが行われます。
Blenderでは、さまざまな種類のオブジェクトを作成できます。
メッシュとは
Blenderのメッシュは、3Dオブジェクトを構成するポリゴンの集合体です。
ポリゴンは、3つ以上の頂点を結びつけた三角形や四角形などの多角形のことです。
Blenderの3Dモデルは、ポリゴンの密度、配置、角度などによって、外観、動作、レンダリングの品質に大きな影響を与えます。
ポリゴン数が多いほど、高精度の3Dモデリングが可能となりますが、処理に時間がかかるため、適切な数値に調整し、作業効率も考慮する必要があります。
また、ポリゴン数が少なければ、3Dモデリングの品質が低下する可能性が高まるため、目的に合わせて品質と作業効率を考慮し、適切な数を選択する必要があります。
マテリアルとは
Blenderにおけるマテリアルとは、オブジェクトの表面の外観、光沢、反射率、透明度などの物理的な特性を設定するための機能です。
たとえば、金属、プラスチック、木材や布、ガラス、液体、光、影、等々の、さまざまな表現が可能です。
マテリアルはアニメーションに適用できるため、外観に重点を置く場合に便利です。
オブジェクトの表面の色、質感、光沢、透明度などを自由にカスタマイズできる利点があります。また、外部からダウンロードしたマテリアルを、Blenderにインポートすることもできます。
Blenderで3Dモデリングをするやり方
Blenderでの基本的な3Dモデリングの手順を学びましょう。
Blenderはさまざまな3Dモデリングツールを提供しています。
3Dモデリングは、3Dオブジェクトの作成、編集、デザインのプロセスでできています。
以下では、基本的な3Dモデリングの手順と手法について、順序だてて説明していきます。
オブジェクトの追加
左下のアイコンメニューから、基本形状(キューブ、球、円錐など)を長押しして、任意の形状を選んでオブジェクトを追加します。これが、作成するモデルの基盤となります。
オブジェクトの変形と編集
オブジェクトを選択し、「オブジェクトモード」で移動、回転、スケール変更などの変形が可能です。これにより、基本形状をカスタマイズできます。
選択したオブジェクトは「編集モード」で細かく編集できます。
頂点、辺、面を選択して移動、スケール、回転することで形状を変えられます。
オブジェクトに対する、頂点の追加や結合については、こちらの記事で詳しく説明されています。
メッシュの編集
「編集モード」では、メッシュの頂点、辺、面を選択して編集できます。
これを使用して、オブジェクトの形状を詳細に調整できます。
カッティングとループカット
カッティングツールを使用して、メッシュに新しいエッジや面を追加できます。
ループカットを行うことで、メッシュを細かく分割できます。
マテリアルとテクスチャ
Blenderでは、オブジェクトにさまざまなマテリアルとテクスチャを適用できます。
これにより、オブジェクトに色や質感を与え、リアルな外観を作成できます。
オブジェクトに色や質感を与えるには、マテリアルとテクスチャを適用します。
オブジェクトを選択し、「マテリアル」タブから新しいマテリアルを追加し、色や質感を設定します。
Blenderで使用できる3Dモデリングのテクニック
Blenderで使用できる、一般的な3Dモデリングのテクニックを紹介します。
方法 | 説明 |
プリミティブモデリング | 様々なプリミティブ形状(立方体、球体、円錐など)を組み合わせて、3Dモデルを作成する |
スカルプティング | スカルプティングモードを使用して、モデルの表面に細部を追加し、テクスチャを作成する |
モディファイア | 3Dモデルに対して変形や効果を適用する |
レンダリング | 3Dモデルを写実的な画像に変換する |
マテリアル設定 | 3Dモデルの見た目を定義し、テクスチャやシェーダーを適用する |
イルミネーション | ライティングにより3Dモデルの外観に照明効果を与える |
アニメーション | キーフレームアニメーションやボーンアニメーションなどの手法で作成する |
エクスポートとシェアリング | 完成したモデルをBlender内でレンダリングしたり、他のアプリケーションやプラットフォームにエクスポートして共有する |
Blenderでの3Dモデリングについてまとめ
今回は、Blenderでの3Dモデリングの基礎、基本的な使い方や方法・手順について詳しく説明しました。
初めてBlenderを使う人でも、3Dモデリングの基本を理解し、クリエイティブなプロジェクトを始める準備ができるでしょう。Blenderでの3Dモデリングは、練習と経験が必要ですが、基本的なステップを覚えることから始めると、徐々に上達していきます。
基本的な操作を覚えつつ、必要に応じてさまざまなテクニックを学ぶと良いでしょう。
ぜひ、当記事を参考にBlenderを活用して、自分のアイデアを立体的に表現しましょう。