Premiere Proでは、音声の自動文字起こしをすることでさまざまな言語を動画に表示できます。
国内だけでなく海外の視聴者に向けて動画を投稿できるため、便利な機能となっています。
しかし、Premiere Proの機能について詳しくない方は「どのように音声の自動文字起こしをすればいいのかわからない」という悩みもあるでしょう。
当記事では、Premiere Proで音声の自動文字起こしをする方法について詳しく解説します。
自動文字起こしの機能や使い方について理解できるため、ぜひ参考にご覧ください。
Premiere Proの自動文字起こし機能とは
Premiere Proの自動文字起こし機能とは、音声ファイルを読み込んで自動的にテキストとして表示する機能です。
自分でテキストを入力する手間がないため、簡単にテキストを動画へ追加できます。
自動文字起こし機能はPremiere Pro 2021から搭載されており、アップデートを重ねるごとに精度が高くなっています。
日本語をはじめ英語などの13ヶ国語を選択できるので、海外に向けた動画を投稿することが可能です。
とくにYoutubeなどの動画プラットフォームでは、国内に比べて海外ユーザーが多くなります。
そのため海外ユーザーが観やすい動画を投稿すれば、多くの人に注目されるコンテンツを提供できるでしょう。
動画に字幕を入れる必要性
現代ではSNSの普及から、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットから簡単に動画コンテンツを視聴できます。
企業・個人が簡単に動画を作成して投稿できるため、世界的に多くの動画が存在します。
しかし、動画に字幕がなければ音声から内容を理解しなければならず、人によっては面倒に感じるでしょう。
そこで動画に字幕を入れることで、視聴者が内容を簡単に理解できるようになるのです。
また、公共交通機関や静かな空間では音声を出すことに抵抗があるので、動画に字幕があれば視聴者が必要な情報を理解できます。
さらに聴覚障害を持つ方も字幕があれば内容を理解でき、有益な動画コンテンツを提供可能です。
海外の字幕を動画に追加すれば幅広いユーザーに情報を届けられるため、字幕機能は必要不可欠な機能といえるでしょう。
Premiere Proの自動文字起こし機能を利用する3つのメリット
Premiere Proの自動文字起こし機能を利用すれば、以下のような3つのメリットがあります。
- 文字入力が簡単
- 文字起こしの精度が高い
- 初心者でも簡単にはじめられる
それでは順番に説明します。
1.文字入力が簡単
自動文字起こし機能は自動的に音声ファイルから文字入力できるため、手間をかけず簡単に扱えます。
通常は、自分の手で音声に字幕を追加する方法なので負担が大きい作業となります。
しかし、Premiere Proの自動文字起こし機能ならAIが作業してくれるので、効率良く作業を終わらせることが可能です。
文章に違和感があれば軽く修正を入れるだけで良く、動画編集者にとってもメリットが大きいでしょう。
2.文字起こしの精度が高い
Premiere Proの自動文字起こしは、ほかのソフトに比べて精度が高くなっています。
代表的な自動文字起こしとして「Vrew」がありますが、屋外の音声を認識することが不得意でした。
Premiere Proならノイズが入った音声も正確に捉えるため、間違いが少ない文字起こしができます。
発生のタイミングも良く、動画のタイムラインに合わせてテキストを表示してくれます。
動画編集者の負担を大幅に軽減できるため、文字起こしの精度が高い点は良いメリットです。
3.初心者でも簡単にはじめられる
Premiere Proの自動文字起こし機能は、初心者でも簡単に利用できます。
数回のクリックだけで音声ファイルの自動文字起こしができるため、とくに難しい作業は必要としません。
テロップのデザインを変更するには動画編集者の工夫を必要としますが、基本的な書体で問題なければ手間はかかりません。
そのため初心者でも簡単に自動文字起こしができるので、動画を高い品質で作り上げることが可能です。
Premiere Proで音声の自動文字起こしをおこなう方法
こちらでは、Premiere Proで音声の自動文字起こしをおこなう基本的な方法を紹介します。
自動文字起こしのやり方に難しい工程はないため、慣れれば初心者でも簡単に扱えます。
音声の自動文字起こしをおこなうときは、以下のステップでおこなってください。
ステップ①プロジェクトを新規作成する
Premiere Proのアプリケーションを起動して、画面左側にある「新規プロジェクト」をクリックします。
ステップ②動画・音声ファイルを読み込む
上部「ファイル」メニューから「読み込み」を選択して、動画・音声ファイルを読み込みます。
動画ファイルをプログラムパネルにドラッグ&ドロップすれば、同じように読み込むことが可能です。
ステップ③上部「ウインドウ」メニューから「テキスト」を選択する
上部「ウインドウメニュー」にマウスカーソルを合わせて「テキスト」を選択します。
ステップ④文字起こしタブから「文字起こし」を選択する
画面にある文字起こしタブから「文字起こし」を選択します。
ステップ⑤文字起こしのオプションを設定する
画面右側にある文字起こしのオプションを設定します。
文字起こしのオプションでは、以下の項目を設定できます。
- オーディオ分析
- 言語
- インからアウトの間のみを文字起こし
- 出力を既存の文字起こしとマージする
- さまざまな話者が話しているときに認識することをオプトインする
オーディオ分析は、オーディオクリップもしくはオーディオトラックから文字起こしするか選択します。
文字起こしの言語は、13ヶ国語から選択可能です。
ステップ⑥「文字起こし開始」をクリックする
設定を完了後、画面右下にある「文字起こし開始」をクリックします。
ステップ⑦文字起こしが完了後に修正をおこなう
文字起こしが完了後、テキストに違和感があれば任意で修正をおこないます。
テキストを修正するときは、ダブルクリックをすれば誤字脱字を直せます。
ステップ⑧キャプションを作成する
テキストの修正完了後に「キャプションの作成」をクリックすると、文字起こししたファイルをキャプションできます。
キャプションはプリセットや形式、文字の最大長さなどを細かく指定可能です。
以上の手順で、音声の自動文字起こしが完了となります。
キャプションはタイムラインパネルに自動挿入されるため、動画編集者は負担をかけずに字幕を追加できます。
Premiere Proの自動文字起こしについて詳しく知りたい方は、以下の参考動画を参考にご覧ください。
Premiere Proの自動文字起こしに便利な機能
Premiere Proの自動文字起こしには、以下のような便利な機能があります。
- テキスト検索・置き換え
- インとアウトポイントを自動設定
- スピーカーのラベル付け
- フィラーの検知・削除
各機能の特徴について知りたい方は、以下の表を参考にご覧ください。
機能 | 特徴 |
テキスト検索・置き換え | 文字起こしをしたテキストの検索と置き換えができる |
インとアウトポイントを自動設定 | タイムライン内のクリップを削除・コピーできる |
スピーカーのラベル付け | 音声ファイルの声質を判別してスピーカーを区別する |
フィラーの検知・削除 | 無駄な音声を検知して削除できる |
テキスト検索・置き換え
テキスト検索・置き換えは、文字起こしをしたテキストの検索と置き換えができる機能です。
検索ボックスに探したい文字を入力すれば、該当テキストが強調表示されます。
そして置き換えボックスに文字を入力すると、指定の文字に変更可能です。
一部の置き換えもしくは全ての置き換えを選べるため、必要に応じて変更を加えられます。
インとアウトポイントを自動設定
インとアウトポイントを自動設定は、タイムライン内のクリップを削除・コピーできる機能です。
文字起こし画面から削除したいテキストをドラッグで範囲選択すれば、タイムライン上にある部分にインとアウトポイントが設定されます。
範囲選択された部分を右クリックすると、カット(抽出)、削除(リップル)、削除のいずれかを選択できます。
文字起こしした字幕に不要な部分があるときは、こちらの機能がおすすめです。
スピーカーのラベル付け
スピーカーのラベル付けは、音声ファイルの声質を判別してスピーカーを区別するための機能です。
Premiere Proの環境設定から自動文字起こし欄を表示して、スピーカーのラベル付けから「はい、スピーカーを区別します」を選択します。
すると自動文字起こし後にスピーカーを区別できるため、音声によってスピーカー名を作成できます。
複数人が出演する動画で音声を区別したいときは、スピーカーのラベル付けがおすすめです。
フィラーの検知・削除
フィラーの検知・削除は、無駄な音声を検知して削除できる機能です。
現在ではBeta版のみ利用できる機能のため、精度はそこまで高くありません。
しかし「えー」、「あー」といった意味のない音声を削除できるので、動画編集の際に役立ちます。
正式版はまだ発表されていませんが、ほかの機能と合わせて活用してください。
Premiere Proの自動文字起こしをエッセンシャルグラフィックスに変換する方法
Premiere Proで自動文字起こしをしたテキストは、エッセンシャルグラフィックスに変換できます。
エッセンシャルグラフィックスとは、グラフィックをコントロールする機能です。
テキストや図形、写真などを編集できるため、クリエイターをサポートしてくれる機能となっています。
前提として、エッセンシャルグラフィックスを利用するにはPremiere Proを最新バージョンにアップデートする必要があります。
エッセンシャルグラフィックスへの変換するときは、以下の手順でおこなってください。
- 上部「ウインドウ」メニューから「テキスト」、「文字起こしを開始」を選択
- キャプションタブから「文字起こしからキャプションを作成」をクリック
- キャプションを選択
- 上部「グラフィックとタイトル」メニューから「キャプションをグラフィックにアップグレード」を選択
以上の手順で、自動文字起こしをエッセンシャルグラフィックスへ変換できます。
黄色のキャプションが紫色に変換されていれば、正常に変換されています。
Premiere Proの自動文字起こしをおこなうときの注意点
Premiere Proの自動文字起こしをおこなうときは、いくつかの注意点があります。
まず専門用語や固有名詞を発現している場合、AIが内容を認識できない可能性が高いです。
また、動画の出演者が早口になっていると、同じく認識されないことがあります。
出演者が複数人になっており、同時に話す環境では自動文字起こしが正常にできません。
こちらの注意点を理解したうえで、Premiere Proの自動文字起こしを利用するようにしておきましょう。
Premiere Proの自動文字起こしについてまとめ
今回は、Premiere Proで音声の自動文字起こしをする方法について詳しく解説しました。
自動文字起こし機能を利用すれば、面倒な字幕作業も簡単におこなえるようになります。
国内だけでなく海外の視聴者にもわかりやすい動画を投稿できるため、品質の高いコンテンツを提供可能です。
また、文字起こしの精度も高く、初心者でも簡単に設定できる点もメリットといえるでしょう。
ぜひ当記事で紹介したPremiere Proの自動文字起こしの方法を参考にしながら、動画に字幕を追加してみましょう。