Unityが日本でも人気なのは、製品そのもののポテンシャルの高さもさることながら、各機能を日本語化して使用することができることも背景に挙げられるでしょう。
この記事では、そんなUnityを日本語化するための方法や、日本語化と英語のまま使うのとではどのような違いがあるのか、比較して紹介します。
Unityの日本語化とは
UnityはMac OS、Windowsを問わず利用が可能なゲームエンジンで、世界中の多くの開発者が愛用しています。
日本でもたくさんのユーザーが存在するUnityですが、はじめてUnityを利用する人が少し戸惑ってしまう点として、デフォルトの状態だと全てが英語表記で記されていることが挙げられるでしょう。
日本で使用される多くのソフトは、国産・海外製を問わず基本的には日本語化をはじめとするローカライズが徹底されています。
そのためはじめてそのサービスを利用する人でも戸惑うことなく使い方を覚えることができるため、非常に便利です。
ただ、Unityの場合は少し特殊な操作をしないと言語設定を日本語にすることができません。
Unityをインストールしてすぐに起動すると、全てが英語表記となっているので間違ったバージョンをインストールしてしまったかと考える人もいるかもしれません。
とはいえ、Unityは設定を変更するだけで日本語化を実現することができます。
英語や英語でのソフト操作に慣れていない人は、Unityの日本語化の方法を事前に理解しておきましょう。
Unityをエディターから日本語化する方法
上記のような英語版のデメリットを回避したい場合は、Unityの利用に当たって日本語化を進めておくことが大切です。Unityを日本語化するには、
- Unity Hubから日本語モジュールを追加する
- Unityエディタから設定を変更する
という2つのプロセスを踏む必要があります。
順に日本語化の手続きを解説します。
①Unit Hubから日本語モジュールを追加する
まずは、Unityのインストール時に使用したりプロジェクトを展開したりする上で使用するUnity Hubを開きます。
- Unity Hubのインストールタブを選択しUnityのバージョンが表示される
- 右上にある歯車のアイコンをクリック
- 「Add Modules」を選択しクリック
- 「Language Packs」にある「日本語」のチェックボックスをクリック
- 「Install」をクリック
これでUnityを日本語化する準備は整いました。
②Unityエディタから設定を変更する
続いて、インストールした日本語化モジュールを実際に使用するUnityエディタに適用しましょう。まずは通常通りUnityでプロジェクトを立ち上げ、Unityエディタを開きます。
- 上部のメニューバーの「Edit」の「Preferences」をクリック
- Preferencesのダイアログを開きLanguageタブを選択
- 「Editor Language」の項目を確認
ここでデフォルトでは「English」が選択されていますが、先ほどUnity Hubにて日本語化インストールを完了していると、ここに日本語の項目が表示されているので、これを選びましょう。
日本語を選択すると短時間のロードが入りますが、先ほどまで表示されていた英語表記は全て日本語化されます。
これでUnityの日本語化は完了です。
Unityを英語で利用する場合のメリット
Unityが英語表記である状態と日本語化が行われた状態とで、Unityの操作性や機能が変化することはありません。そのため、英語でUnityを利用することに抵抗がない場合は、そのまま使った方が都合が良いこともあります。
ここでは、Unityを日本語化せず英語のまま使用するメリットにはどのようなものがあるのか、確認しておきましょう。
言語設定の手間がかからない
ご存知の通り、Unityのデフォルト言語は英語であり、初期設定のまま使用することで、手間なく開発を始めることができます。
特に英語が堪能で日本語化の必要がない場合や、開発者が英語の環境に慣れている場合は、日本語化の手間を省略することで、すぐにプロジェクトに取り組むことができます。
国内外の多様なリファレンスを参考にしやすい
Unityは世界中で利用されているゲームエンジンであり、無数の開発者から多くの情報が発信されています。ただしこれらの情報のほぼ全てが英語で提供されており、日本語化されたUnityに直接対応している情報はごくわずかです。
英語版のUnityを使用することで、これらのリソースを直接参照しやすくなります。
国内外を問わず、英語のリファレンスやQ&Aサイトを活用できる環境に慣れておけば、スキルアップや開発効率の向上が期待できるでしょう。
コミュニケーションが取りやすい
基本的にUnityは英語版の使用が標準化されているため、他のUnity開発者とのコミュニケーションにおいては英語版を使用していた方が円滑に進む可能性が高いです。
プログラミングのコマンドは英語ですし、それに付随するUnityツールも英語表記なので、これらを英語のままやりとりできた方が、情報共有や共有や意思疎通の煩雑化を回避出来ます。
バグのリスクを小さくできる
Unityのエディタや関連ツールは、基本的に英語版を前提として開発・アップデートされています。英語版を使用することで、最新のアップデートやセキュリティパッチを素早く適用でき、バグのリスクを最小限に抑えることができます。
日本語化を行なってしまうと、最新機能の一部が日本語に対応しておらず、日本語と英語が入り混じるようなケースも考えられますが、英語版ならその心配がありません。
Unityを英語で利用するデメリット
Unityを英語版で利用することが英語圏の世界では一般的ですが、一方で日本語に馴染み深い国内での英語版利用においては、日本語化しないことで以下のようなデメリットが懸念されます。
英語がわからないと感覚的に操作を理解できない
Unityの英語版は、英語に関する基本的な知見がないと感覚的な操作の取得が難しくなります。
英語に慣れていないユーザーやソフトウェアの使用に慣れていないユーザーは、英語版のままでは、適切なメニューの選択や機能の理解に時間を要することもあるでしょう。
日本語化を行うことで、こういった問題を解消可能です。
素早くエラーに対処できない
Unityエディタやプログラムで発生するエラーメッセージは、デフォルトだと英語で表示されます。英語で表示されるがゆえにエラーメッセージを理解できない場合、素早く問題を特定して修正することが難しくなるでしょう。
エラーの発生原因や解決策を迅速に検討するためには、日本語化してしまった方が効率的な場合もあります。
日本語化ユーザーとのコミュニケーションが煩雑化する
すでに日本語化しているユーザーと英語版を使用しているユーザーがユーザーが混同している環境となると、コミュニケーションが複雑になってしまう可能性があります。
日本語化されたコマンドと英語版のコマンドが頭の中で一致していないと、毎度翻訳しながら作業を進めなければなりません。
日本語化したUnityが試せるUnity基礎セミナー
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Unityは日本語化すべきなのか
Unityを日本語化する手順は上記の操作を完了するだけであるため、特別複雑な操作やスキルが必要なわけではありません。ただ、上述のようにUnityは日本語化しないほうがかえって都合が良いこともあるため、必ずしもUnityをインストールしたら日本語化しないといけない、と考える必要はありません。
Unityの日本語化を検討すべきタイミングとしては、以下のポイントが挙げられます。
英語やゲームエンジンの知見が全くないとき
まず、英語に対して全く知見がなく、英文を読むのに苦労する場合や、ゲームエンジンに触ったことがなく、機能の見当がつかないという場合は、Unityを日本語化して使用することをおすすめします。
英語版の方が都合が良いこともありますが、これはあくまでUnityの扱いにある程度慣れてきたタイミングの場合であって、全くの初心者がUnityを利用する場合は日本語化してしまった方が学習効率は高いでしょう。
周囲の開発者が日本語化してUnityを使用しているとき
また、共同でUnityを使って作業に取り組んでいる場合、多くの開発者が日本語化して使用している場合も、日本語化してしまった方が都合が良いでしょう。
コマンドやツールなどの情報共有を全て日本語で行えるので、翻訳の手間がかかりません。
英語版と日本語版でUnityを使い分けた場合、どのような違いがあるかについては以下の表でも簡単にまとめています。言語設定について悩んだ場合は、参考にしてください。
英語版 | 日本語版 | |
内容の理解のしやすさ | 低 (英語話者やソフトの扱いに慣れている場合は高) |
高 |
バグのリスク | 低 | 高 (原因不明のエラーや中途半端なローカライズの懸念) |
コミュニケーションの取りやすさ・情報検索のしやすさ | 高 | 低 (周囲に日本語化ユーザーとのやり取りが多い場合を除く) |
Unityの日本語化についてのまとめ
この記事では、Unityを日本語化する際の方法や、Unityを日本語化して使用するのと英語版で使用するのとでどのような違いがあるのかを解説しました。
Unityは英語での情報発信やコミュニケーションの機会が多く、その扱いに慣れてきたら英語版での利用の方が都合が良いこともあります。
ただ、初めてのゲームエンジンである場合や英語に堪能でない場合は、あらかじめ日本語化してから使ったほうが都合が良いことも多いでしょう。